見出し画像

「暮らす」ことについて

世界の台所探検家の岡根谷実里さんとお話しました。

Food Sustainability Talkというイベントをやっていて、第8弾のゲストは岡根谷さんに来てもらいました。

イベントでは、岡根谷さんの世界の台所探検エピソードと、その中でも特にタイのアカ族についてエピソード紹介をしてもらい、「暮らし」について話し合いました。

サステナビリティという言葉を使うことに抵抗感を持ち始めているこの頃ですが、だからこそ色んな人たちと話す意味があるのかなと思ってます。

岡根谷さんの自己紹介と、世界の台所エピソード

岡根谷さんプロフィールはこちら▷▷

世界各地の家庭の台所を訪れ、一緒に料理をしています。そこで見つけた「料理や食卓の楽しみ方」や、料理から見える社会文化背景を伝えています。学校で出張授業したりも。訪問国60カ国以上、クックパッド勤務。
IG:https://www.instagram.com/mi0u0v/
note:https://note.com/misatookaneya

世界各地を訪れて台所におじゃましているという。台所に入り込むことで、各地のおじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん、子どもたちらがどんな食事をしているか観察している。生活に溶け込み、台所を観察することは、料理の背景にある文化や歴史を紐解くことに繋がる。今回のイベントではサステナブルな暮らしとは?を話し合うのにぴったりなエピソードがあると紹介してくれたのがタイのアカ族のお話。生活で出る食べ物かすなどのごみは一緒に暮らす動物にあげたり、近所に生えているバナナの葉っぱをラップとして使ったり(天然のラップ!)、葉物系の食材は近くで育っているため自分たちで採って生活をしているらしい。

『暮らす』ことのめんどくささ

岡根谷さんの「暮らすこととは本来めんどくさいこと」という言葉が印象的だった。暮らすことは面倒だから分業するし生きるのに必要なことをアウトソーシングしている。「食べる」ことについても、一から畑持って食材作って料理して、っていう生活をしてたら時間的にも体力的にもそれで1日が終わってしまうだろう。作ることに喜びや楽しみを見出すことは素晴らしいと思う一方で、「一度手に入れた便利さは手放せない」。本来料理も手間がかかるものだから、料理をするという生きる手間から解放されるために、料理をする時間を減らしていこう(時短化)となり、レシピが生まれたことで作るレパートリーに困らずすぐに作れ、缶詰が登場して保存させることができるようになったり。ファストフードは自分で作る手間と時間、さらには食べる手間までも省いた(アカ族の人たちもたまに食べるらしい!)。分業化は便利には貢献していることは確かなんじゃないか。

人や文化と関わること


でも一方で分業化によって分断も生まれている。他者と関わることやめてしまうことは、どの程度であれ繋がりが薄れてしまう。システム的には分業的でありながらも、ソフト面では人同士の繋がりがあった方がいいんじゃないか。繋がりがあることで想えて豊かでいれると思うな。

今回の話でも、サステナブルな暮らしっていうと、□□不使用といったように生活や選択に制限をかけがち。制限することじゃなくて、むしろ『贅沢』なことだから、サステナブルなことを生活に取り入れることって贅沢なことだよねって話し合った。分業化して、みんなで助け合って生きているから、分業は悪いことじゃないし、むしろ全部自分一人でしないでみんなで生きていくっていいことだと思う。だけど任せきりにするのではなく、責任を持ちながら、他者と積極的に関わってコミュニケーションも取っていく。繋がりを取り戻すこと、それって本来知らない世界と接続できて楽しいことよね?

「生活の主権を取り戻す」試みは、料理という生活の中でできる小さな一手かもしれない?

私は(忙しくするのも好きなのでその分)丁寧に暮らしたいと思っているのですが「丁寧な暮らしっていう言葉が好きじゃない」っていう岡根谷さんの感覚好きです。笑

イベントのアーカイブはspotifyで聴けます▷

Food × Sustainability Talk▷
食とサステナビリティをテーマに、毎回様々なゲストと共にあらゆるトピックを切り口から話して学ぶイベントです。”本気で雑談”をしてアイデアを出し合うことで、新しい発見を届けることを大切にしています。
📻 https://anchor.fm/food327sustainability-tal
桑原慧▷
玉木春那▷TW:https://twitter.com/tamacchana

いただいたサポートは「食」を発信する活動に使わせていただきます^^