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短編戯曲『卒園式』 裏話






こんにちは!


今日は、短編戯曲『卒園式』の裏話をします。


作品はこちらからどうぞ
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こちらは、大学の実習で書いた作品です。

私にとって、初めて演出をつけてもらい、俳優さんに演じてもらい、
舞台上で発表した作品です。

ある意味、私の処女作といえます。


物語は、幼い子供が言語を操れるようになる過程をテーマにしました。

私の母は保育士で、どちらかというと、仕事の話をよく家でする人でした。
内容はほぼ全てと言っていいほど同僚や上司の愚痴でしたが、
幼い子どもたちと日々関わっている母の仕事の話を通して、
保育士や先生という仕事の大変さと、
世間一般のイメージよりも子どもはずっと賢いということを
ぼんやり感じていました。


この実習公演のテーマは『/(スラッシュ)』でしたが、
テーマ決めの話し合いの中では様々な意見が出されました。

本当に様々すぎてハラハラしたほどです。

その内に、小さい子どもが何たらかんたらという話題を挙げた方がいたので、
何となく思い当たる節があり、
家に帰って思いつくままに書き、準備稿を提出しました。

準備稿を上げるまでは、そんなに時間がかからなかったと思います。


準備稿の段階ではラストシーンは今のものとだいぶ違いました。

最終的に子どもたちが大学生になって大学で再会するというものでしたが、
先生のフィードバックから、現在の卒園式のシーンに変更されました。

タイトルを先に決めたのか、後に決めたのか、あまりよく覚えていないのですが、
『卒園式』という題をつけておいて卒園のシーンを入れないなどという
だいぶ突拍子のないことをよく平気でやったもんだなと、
過去の自分に対して、悪い意味で感心します。

ラストシーンを変更して本当に良かったと思います。


この作品では、戯曲の中で指定されたセリフがほぼありません。

思っていることがあってもそれを伝える方法がない、わからないという
幼い子どもなら当然の状態を表現したかったので、
このやり方をしてみました。

演劇も創作も不慣れな私にとって、思いつきのアイデアでやってみたことでしたが、
提出してから不安になり、授業中は自分のフィードバックの番が回ってくるまでの間、
ブルブル震えていたのをよく覚えています。

結果的に、舞台表現の懐の深さを知ることになりました。


子どもには伝える術がないと前段で言っておいて何ですが、

この話を書いている時、コミュニケーションにまつわる問題や抱えている不安は、
大人も子どもも変わらないなと思っていました。

思っていることをうまく伝えられない、伝わらないのは、
生まれてから死ぬまで、人間が抱える悩ましい課題のように感じます。



と、くだくだと後から御託を付け加えながら書いたような話ではありますが、
実際の稽古や上演は私の頭の中にあったもの以上の仕上がりで、
本当に楽しい時間でした。

稽古場の端っこに座って稽古の様子を見ながら、
子どもたちの成長を感じた気がして目を潤ませたタイミングが多々あったのですが、
自分の書いた作品で感動して泣いたなんて痛すぎるな、
と思ったので、全力で堪えました。

初めての上演がこのような学びの場で、
楽しい経験をすることができてとても良かったと思うし、
良い思い出になりました。

より、舞台制作って面白いんだなと感じた思い出でした。



裏話を書いていても色々と思い出やエピソードが湧いてくる、
叩けば出る的な、印象深い作品です。

よろしければ、読みながらクスクス笑ってください。




ではまた次回!

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