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「ピグマリオン効果」に期待して ♪


彫刻にも命が宿るならば・・・


 皆さんは、こんなご経験はありませんか ?
 素直!な小学生や中学生の頃、好きな先生の教科は成績が良かったとか、先生に可愛がられる生徒は成績が伸びるといった現象です。

 憧れの好きな先生のために頑張るぞ!
 という気持ちが勉強に駆り立てるということも大きな理由の一つですが、生徒の心に、先生の純粋な「期待」が伝わっているのですね。

 このような教育現場での「期待に応えて成績が良くなる」という現象は、ギリシャ神話にちなんで「ピグマリオン効果」と呼ばれています。
 そのギリシャ神話とは・・・

ジャン・レオン・ジェローム「ピグマリオンとガラテア」
2022年、メトロポリタン美術館展に来日しました♪


 キプロス王であり、そしてまた彫刻の才能にも恵まれたピグマリオンは、周りにいる人間の女性には幻滅しており、女性嫌いです。
 自分で作った美しい彫像を愛し、ガラテアと名付けてともに暮らします。
 「どうしても彼女を手に入れたい、手に入らないならば、死ぬしかない」とまで思い詰め、美と愛欲の女神アフロディテ(ヴィーナス)に祈ります。
 ヴィーナスは彼の望みを聞き入れ、その像に生命を吹き込みました。

 そして、ヴィーナスの立ち会いのもとで、ピグマリオンは生を得た彼女と結婚し、一生涯愛した、というお話です。おめでたい~ ♪

 先日の「メトロポリタン美術館展」に、ジェローム作の「ピグマリオンとガラテア」が来日しました。少しずつ上半身に血が通い始めているガラテアにピグマリオンがキスをしているシーンです。

 見出し画像はフランスの画家、アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンの「ピグマリオンとガラテア」。


 

ピグマリオンの女性嫌いは、ヴィーナスのせい?  

 
 ヴィーナスは生まれたときから、ボッティチェリの絵のごとく、魅惑的な大人の女性!ゆらゆらと貝に乗ってキプロス島に流れ着きます。


サンドロ・ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」


 ヴィーナスは、その誕生のいきさつからドラマティックです。 
 最高神ゼウスの祖母である大地の女神ガイアは、夫ウラノスが異形の我が子たちを疎んじて地中深くに埋めたことを恨みに思い復讐を計画します。 
 末子クロノス(サトゥルヌス)が、大きな鎌で父ウラノスに襲いかかり、ウラノスの男性器が投げ入れられた海から泡があふれ、ヴィーナスが誕生❤  
 そして、オリュンポス12神の女神に。

 ヴィーナスが流れ着いたキプロス島では、当然ながら、愛と美の女神として彼女を敬うかと思いきや、自分を敬わない女性がいる。
 怒ったヴィーナスは、そんなキプロスの女性達を売春婦に陥れます。
 自堕落な彼女達を見て、人間の女性に幻滅し、失望したピグマリオンは、自分が作った彫刻を愛するようになった、というわけです。

 優しい顔して怒らせると怖いのね、美と愛欲の女神ヴィーナス。
 このとき父親を殺したクロノスも、いずれ我が子に殺される運命を知り、生まれてくる子を次々に飲み込みます。歴史は繰り返すのですね。
 このシーンは、ゴヤの作品「我が子を喰らうサトゥルヌス」が圧巻です。


フランシスコ・デ・ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」



 人間の思い上がった行いに厳しい罰を与えるかたわらで、神さまの世界も嫉妬や裏切り、殺りくで忙しい。「ひどいことをなさるなぁ」と思いつつ、神々と英雄の行いは、その根底に人間の存在が投影されていると感じます。 

 

自分に期待して、できる自分に ♪


 「愛すれば彫像にさえも命が宿る」のならば、人間はなおさら愛を込め、期待をかければ期待に応えてくれるはずです。

 このことは、教室での先生と生徒の関係だけでなく、職場での上司と部下との付き合い、家庭内のつながりにも当てはまります。
 「君にならできる、頑張ってごらん」という気持ちで、心からできると思っていると本当にできる人になってくれる。反対に「君にはできないかも」なんて少しでも思うと、不思議と出来ない人になってしまいます。
 大切な人には、期待してみましょう。
 
 自分に期待してくれる人が近くにいるというのは、幸せなことですね。

 え? 最近、周りから期待されてないと感じる? 
 そんなときも、ぜんぜん大丈夫。
 自分が自分に期待すれば、もっとできる自分に変身! できるはず♪

 




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