犬と私と時々パワーストーンと
いつも本投稿は
読んでくださる方のことを
思って綴っています。
石達の叡智によって
なにかしら
気付きや癒しや光を
届けられれば。
と思って投稿しているのですが、
今回だけは
自分のために書きます。
時折、自分で見返して
思い出に浸るためだけの投稿を
お許しください。
2006年4月17日
良いなの日に生まれた
くぅちゃんが、
15歳と3ヶ月
2021年7月13日
ナイスの日に
お空へ旅立ちました。
出会い
2006年。
私は勤めていたネイルサロンが
ブラック過ぎて、
パニック障害になり退職し、
引きこもり生活をしていました。
たまたま立ち寄った
ペットショップの
ショーウィンドウの中で
小首を傾げて
「ほへっ?」
としていた彼に
一目で恋に落ちました。
まだ20歳そこそこだった私からすると
カードの限度額を超える
恐るべき出費。
冷静に考えれば、
引きこもりの無職で
あの決断が出来たのは、
知識や理性ではなく
直感による爆発的な行動力の
なせる技でした。
クリスティーヌ・ベッケンバウワー
と名付けたこの子は、
初めて犬を飼う私に、
「これが好きだよ」
「こうして欲しいよ」
と丁寧に教えてくれる優しい子でした。
一緒に海に行ったり、
遊園地にも行きました。
0歳の頃の
くぅちゃんは活発で、
海や芝生でピョンピョン走り回り
自分より大きなぬいぐるみを
見つけては戦いを挑んでいました。
和室の畳が大好きで、
留守番中にこっそり
障子に濡れた鼻を押し当て
ぷすーーっと穴を開け
和室への潜入を試みていました。
そんな愛しい暮らしのお陰で、
私も精神的に落ち着き
ネイリストとして社会復帰をしました。
くぅちゃんが1歳半の時、
お嫁さんとして
キャロライン・マライア・ベッケンバウワーが
やって来ました。
犬見知りだったくぅちゃんは
キャロルが嫌で嫌で
逃げ回り、
理想の多頭飼い生活とは
程遠いものでした。
キャロルがジャイアンのように
なんでも横取りするせいで、
くぅちゃんは悟りを開いたかのように
オモチャで遊ぶことも
テンション高く走り回ることも
なくなりました。
だけど
どこか満足気に
まるで父のように
私のことを見守ってくれていました。
天職
私のパニック障害が再発して
勤めていたサロンを退職するのを機に
独立することを決めたのが2007年。
クゥとキャロルの
看板犬生活の始まりでした。
男の子のくぅちゃんは
女性が大好きで、
お越しくださるお客様に
紳士的に振る舞い
大人気看板犬となりました。
玄関でお客様のお出迎えをし、
ネイル中はお足元で大人しく待機。
お見送りはエレベーターの前まで行って
ドアが開いたら
エレベーターの中を安全確認。
安全だと判断したら、
お客様をエレベーターに乗せるという
圧倒的執事っぷりを
発揮していました。
途中
キャロルとの間に
4人の子供を授かりましたが、
犬見知りなくぅちゃんは
子供から逃げ回る日々でした。
子供達が巣立ってから
「コイツだけなら、まぁいいか」
とキャロルを受け入れるようになり、
くぅはキャロルのワガママを
いつも受け止める器の大きい
旦那さんとなっていました。
独立5年目で移転をし
マッサージチェアでの施術になってからは
お客様のお膝の上で
大人しく過ごし、
施術が終わるタイミングを熟知し
終わる直前に目を覚まし
お見送りの準備をしていました。
人の顔をじっと良く見る子で
お客様が悩んでいたり元気がないと
察知すると、
優しく優しくお客様の手を舐める
紳士なくぅちゃんは、
沢山のお客様の心を
癒してきました。
タイプの女性像がハッキリしていたので
くぅちゃん好みのお客様が来た時だけ
うれションしたりする
お茶目なところもありました。
くぅちゃんがあまりにもお利口で
犬嫌いだったお客様も、
犬好きとなり、
ワンコを飼い始めるお客様を
何人も生み出したのは、
紛れもなく
くぅちゃんの功績です。
どんどんネイルサロンが忙しくなり
早い時には朝5時から
遅い時には深夜1時までの
酷い働き方をする私に、
くぅちゃんは
文句も言わず
付き合ってくれていました。
だけど、
私が無理をし過ぎて
身体を壊す寸前のタイミングで
自らの体調不良で訴え、
私の労働暴走に
ブレーキをかけてくれる
本当に賢く優しい子でした。
独立から10年した頃。
私は突然
オーラが見えるようになりました。
人だけではなく、
くぅちゃんにもオーラが見えたので
時折変化するオーラの色に合わせて
くぅちゃんの首輪の色を変えてあげる
ようになりました。
すると、
今まで完全鉄壁の優等生だった
くぅちゃんが
自我を出すようになりました。
これまでは
お仕事が終わるまで
黙って待っていたのに、
決まった時間になると
「お母さん、ご飯の時間です」キリッ
と言うようになり、
嫌なことをされると、
「それは嫌です!」
「僕には関係ありません!」
「こうしてください!」
と、ハッキリ
自己アピールするようになりました。
ですが、
私がパワーストーンリーディングを
するようになると、
ネイルの施術中
くぅちゃんは
ぐっすり眠っているのに
さぁリーディングをしようか!
というタイミングになると、
くぅちゃんは
むくっと起き上がり
「しっかりやるんだぞ」
と私をじっと見つめて
見守ってくれる
やっぱり父のような存在でした。
パワーストーン物語に出てくる
人間1回目の彼と同棲するようになって
くぅちゃんの自我の強さに
拍車がかかりました。
毎日出勤していたネイルサロンに
「今日は行きたくありません」
と出社拒否することもあり、
自分のしたいことを
したい時に楽しむようになりました。
これまで割と無口だったくぅちゃんが
ボソボソっと呟くことが増え、
「お母さんの自転車運転は荒いから嫌なんだよな」
と毒づくこともありました。
ご飯のルールについて、
「それはあなたの意見であって、
僕のルールとは一致しません。
ですから、早くしてください。」
と論破されたこともありました。
どんどんマイペースに
どんどん自由に生きるようになった
くぅちゃんは、
月一回お会いするお客様でも
変化を感じられるくらいに
性格が変わりました。
もう我慢なんてしません。
もう空気なんて読みません。
したいように生きて
そのまま愛されるくぅちゃんでした。
家で私と彼が喧嘩をした時も
基本は素知らぬふり。
さすがにこれはヤバいぞと
判断した時だけ
仲裁に入ってきました。
私と彼のどちらが折れると
スムーズなのかを瞬時に判断し、
「まぁまぁ、この辺で謝っておき」
と犬とは思えぬ貫禄の対応に
何度も私達は救われてきました。
くぅちゃんのサポートにより、
私は大切な人と結婚することになりました。
結婚式でリングボーイを任せた際は、
ダッシュで私達の元にやってきた
キャロルをよそに、
くぅちゃんはマイペースに
顔見知りの参列者に
「あ、どうもどうも」
「あぁ!どうもー!お元気ですか?」
と挨拶しながらの指輪運びをしてくれました。
大阪の都会を離れ、
山川海のある土地に引っ越したのが1年前。
不思議なお導きで
私はパワーストーン原石を
販売するようになりました。
お家の中は常に
沢山のパワーストーンで溢れ、
特にくぅちゃんは
大きなアメジストドームの前で
お昼寝するのが好きでした。
この頃、
くぅちゃんは14歳。
人間でいうと72歳くらいでした。
尻尾の毛は殆ど抜け落ち
体の毛も貧相になっていた
くぅちゃんが、
山川海に触れ
パワーストーンに触れ
みるみると毛量が増え始めたのです。
誰が見ても
胸毛はたわわに溢れ、
ネズミの尻尾だったはずが
どんどんフワフワ尻尾になりました。
走らなかったくぅちゃんが
歳の割には小走りするようになり、
食べることが大好きになったお陰で
ご飯の時間が1分でも過ぎると
ブーブー怒るようになりました。
時計を読んでいるとしか思えない
くぅちゃんの的確な時間管理に
いつもお客様も私も
驚かされ笑かされました。
さらには、
ドッグフードの数にも細かくて
「一粒少ないんですけど!」
と必死で怒る姿が可愛くてたまりませんでした。
お散歩はいつも
リュックサックに入れてもらい
自分では歩かないスタイルを貫き通し、
川に着くと
バシャバシャ水遊びをすることに
ハマっていました。
会う度に
毛並みもツヤツヤふっさふさに
なり続けるくぅちゃんに、
誰もが長生きするねー
と思っていました。
突然に
2021年7月13日
くぅちゃんは突然
お空に旅立ちました。
前日の夜、
「今日は一緒に寝たいよ」
と言ってきたので、
ソファで一緒に眠りました。
寝ている間
30分おきに
「寝返りをさせて」
「もっと撫でて」
と甘えてきました。
ちょうど13日は
私も主人もお休みの日。
何の約束も予定もない休日なんて
何ヶ月ぶりだろう?
と言う奇跡的なタイミングだったので、
くぅちゃんのしたいように
べったり過ごしました。
私はなんだか胸がザワつき、
動物病院に連れて行きました。
キャロルだけお留守番させて
病院に行ったせいか、
「早く帰ってあげてね」
と言うように、
くぅちゃんは
血液検査の結果が出る間もなく
息を引き取りました。
ちょっと早い老衰。
あんなに自由気ままになってたのに、
最後だけはまた
みんなに気遣って、
看病や介護もさせることなく、
私達の休みに合わせ、
キャロルの寂しさをフォローして、
カッコつけのくぅちゃんは、
カッコよく
美しい姿のまま
お空に向かいました。
私たちは
互いに何かを学び合い
成長し合うために
出会い、共に過ごしました。
人間関係に疲れ果て
本当の自分を出せない私に、
くぅちゃんは
愛や勇気や癒し
沢山のパワーをくれました。
別れとは、
その人との学び成長が完了する時に
やってくると言われます。
くぅちゃんから受け取った
沢山の成長を胸に、
くぅちゃんが自然に無理なく
私に与えてくれたように、
私も必要な人に自然体で
愛や勇気や癒しを
届け続けようと約束しました。
しばらくは
会えないくらいに遠いところに
行ってしまったくぅちゃん。
だけど
私の心の中に
くぅちゃんはしっかり居ます。
遠くて近い
この愛を永遠に感じながら、
大切に大切に
生きていきます。
くぅちゃん。
出会ってくれてありがとう。
愛してる。
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