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オランダ移住:渡蘭前に最高だった実家暮らし

実家での2か月間の仮暮らし

オランダ移住にあたり、私たちは5年間住んだ長野市から私の実家のある群馬県前橋市に移り住みました。
長野市の自宅は中古で買ったコンクリート造りのちょっとモダンな家で、それに合わせて内装もリフォームしたので思い入れはあったのだけど、日本を離れるからには、念願のオランダ移住を叶えるためには家を持っていても仕方がないので手放すことにしました。
幸い不動産屋さんにお願いし、住宅情報サイトに掲載されて1週間で買ってくださる人が決まり、そこからは怒涛の断捨離と荷造り作業に追われる日々を過ごしました。
私の実家には当時母と101歳になる父方の祖母と小型犬が住んでおり、そこに我々家族3人と猫1匹がお邪魔することに。
2か月とはいえ家賃がかからないのと保育園を退園した娘の相手をしてくれる大人が増えるというのは私たち夫婦にとって大変ありがたいことで、母としても「孫と同居できるなんてそんな機会人生であると思っていなかった!」と同居を快く受け入れ、2か月間の生活も心から楽しんでくれました。

果たして同居に伴うお婿さん問題は?

鈍感力で生きている私ですら、いくら2か月とはいえ血のつながらない私の夫と母はうまく生活できるのだろうか…と心配はしました。が、そんなのとりこし苦労で終わり、毎日実家のキッチンでは母と夫が一緒に食事の準備をキャッキャ言いながら進め(夫はオランダ移住を機に主夫になりました)、食卓では会話に花が咲き、私と娘がお風呂に入って寝た後も晩酌しながら二人で夜な夜なYouTubeの料理動画を観ていたようで、婿と姑の絆は深まるばかり。そうやってお互い気を遣いながらも接してくれた二人には感謝しかありません。
ということで喧嘩をすることもなく、私が板挟みになることもなく和やかに時を過ごしました。

外に出てわかる群馬の良さ

長野に移住するまで私は群馬と東京しか住んだことがなく、群馬の魅力は立地と住みやすさくらいにしか思っていませんでした。むしろ魅力度ランキングで毎回ワースト3の常連県ということもあり、大した文化もないし他県にアピールできるような観光地もない、ただただ生活する県という風に自分が生まれた場所を認識していました。
ただ、長野で子育てをしていると、支援センターの職員さんや他のママさんたちから「なんでこんなとこ来ちゃったのー!?群馬のほうが子育てしやすいわよ!」と耳にすることが何回もあり、いやいや、こんなに自然環境に恵まれてやっぱり人ってないものねだりなのかなと聞き流していました。

そんなセリフなんて忘れて群馬での生活が始まり、この2か月の間は毎日実家裏のサイクリングロードを娘と散歩。
そして大きな公園や遊技場に足を延ばし思いっきり満喫していたところあることに気づきます。
「あれ?群馬って娘と一緒にいると話しかけられる率高くない??」
夫も同じことを思っていたようで、散歩をしてるとすれ違う人が全員娘を褒めてくれ、むしろ言われすぎて戸惑うとのこと。
そう!すれ違う人はあいさつ代わりに娘に話しかけてくれコミュニケーションをとってくれるのです。これ、海外ではよく聞く話ですよね。
実際オランダに来て娘は話しかけられない日はないし宝物のように扱ってくれますが、群馬の、少なくとも私の実家周辺は同じ状況なのです。
これに何度私の気持ちは救われたか。育児って孤独になりがちなので人に話しかけてもらうことで気持ちが軽くなることってあるんですよね。
「自分のやり方で間違っていないか?」「なんで私の子供はこんなにいうこと聞かないんだ?」と息詰まった時にかわいいわね!いい子ね!なんて話しかけてもらうと親まで嬉しくなってありがとうございますの言葉が出る。
このサイクルが育児をしている親にとっても大事なんだと群馬にいて感じました。群馬っていいなって初めて誇りに思った瞬間です。

住む場所の良さは人の良さで決まる

風光明媚な場所でも、お買い物が楽しい場所でも周りの人が冷たかったりギスギスしていたら生活まで疲弊してしまうものです。今回群馬に2か月滞在した経験が私の住む場所の価値観を一変させました。私自身、誰かとつるんだりベタベタひっついているような関係性は好みませんが、オープンな心を持った人がたくさんいる場所は住みやすい場所なんだなと改めて思いました。今の日本って人とは関わらないほうがいいっていう価値観が大きくなっていますが、やっぱりそれは生きづらさに直結する。ギスギスは何もメリットを生まないと群馬での超快適な生活を終えて改めて声を大にして言いたいなと思います。
ああ、群馬いいところだった。会いたい人もたくさんいるし、私は私の故郷を誇りに思います。


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