きっとまた会える。
先日、私のもとに突然の訃報がまいこみました。
近所にお住まいの女性で、長年地域ボランティアを一緒にしてきた方が亡くなったのです。
私より20歳以上年上でしたが、何でも話せるお姉さんのような存在でした。
頼りがいがあって人望があって、清濁あわせのむ度量の大きな女性。
楽しいときも、つらいときも、いつも親身になって私に寄り添ってくださいました。
このところ仕事が忙しく、最後にお会いしたのは昨年の夏。
たこ焼きパーティーをして楽しく過ごしたのを覚えています。
昨年の秋頃にご病気が発覚、それも余命宣告されるほどの大病だったとか。
そんな深刻なご病気になったことは、たいていご家族やご親族のみが知りえること。
私もまったく知らずにいました。
そして突然のお別れに直面したのです。
きっと覚悟をされていたはずのご家族にとっても、別れは突然にやってくるものなのでしょう。
お通夜に参列させていただき、最後にお顔を拝見しました。
月並みな言い方ですが、安らかという言葉がぴったりのお顔。
数カ月の闘病でかなりやつれていたはずなのですが、本当におきれいで、私が最後に会ったお元気なときと変わりありませんでした。
私が尊敬する宮本輝先生の小説の中に、最期のお顔はその人の生きざまがあらわれる、という一節がありました。
まさにそのとおり、その方が生前なしてきた善行が、最期のお顔を美しくさせたように思います。
私はそのお顔に「今までありがとうございました」と「いつかまた」というごあいさつをしました。
私には死後の世界や前世、後世はよく分かりません。
でもきっといつかまた会える、ということを強く感じたのです。
これまで多くの近しい人と永遠のお別れをしてきましたが、初めてそう感じました。
それで悲しみや喪失感が癒やされることはありませんが、ただ前に進むことはできます。
きっといつかまた会える、だけど今はしばらくの間のお別れなのだと。
たくさんの笑顔をくれ、たくさんの涙をぬぐってくれた、大切な人。
あなたが私に与えてくださった、たくさんの優しさを決して忘れません。
そしてあなたのように強く生きていきます。
いつかまた会える、その日まで。
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