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私と手しごと、そして豊かな暮らし④ -これからの時代を豊かに生きるには-


1. 私はなぜ手を動かし続けるのか。


これまで私の手芸遍歴をざくっと時系列でまとめてみたのだが、
私はなぜ手を動かし続けるのか。
この問いに対して思うことをつらつらと書いてみたい。

なぜって
まぁ作りたい衝動が起きるから
というのがシンプルな答えかもしれない。

こんなのあったら便利かも?
こうすればこのイライラが解消されて使いやすくなるのでは?

なんて思って
突発的に夜中にミシンとアイロンを起動させ始めたり、
時には両隣がそんなに気になさらない方なので、
革に縫い穴をあけるためにトンカンし始めたり...。

一番最近では新しいiPhone SEを注文したのだけど、
それを立てておける、持ち運べる革のスタンドかな。


なぜつくるのか。

 もう少し掘り下げてみると...

・無心にただ手を動かす時間が好き

・自分の必要なものが一番自分ぴったりにできる


無心に、というのはちょっと語弊があるかもしれない。
真剣に
ここをこうしたら良いはず...
もうちょっとこうかな...
あっしまったちょっと行きすぎた...
等々考えてはいる。
きっと普段と違う部分を使っているんだろうな。

編みものなんかもそう。
ラジオを聞きつできるくらいの余裕はありつつ、
この模様は次ここで糸を変えて...
なんてことも同時に考えている。


そして2つ目に関しては
生活の質を上げたいという無意識の欲求かなという気もする。
日々の生活で感じる小さなストレス
例えばちょっとこれ使いづらい...
もうちょっとこうだったら良いのに...
なんて思いを工夫ひとつで解消できる。

たぶん私はそこそここだわりが強い
HSPという性質を持ってるんかもな、と最近思った。
きっと私の中に
こうした方が心地よい
がそれなりに明確にあって、
それを一番気軽に実現できるひとつの手段なのかなと思う。


2. なぜ発信しているのか。

前回の記事で少しずつ共に作ることを始めたり、伝えたりしていることに触れた。

自分の手で生み出す喜びを伝えたい
というのが大きいのだけれど、
その背景を少し考えてみたい。

なぜ作家でもない、ただいろんな手仕事を経験したことがある"私"
が伝えるということをするのか。

知らないことを始めるときのハードルは高いことが多い。
えいやっと飛び越えるエネルギーが多かれ少なかれ発生する。
それに比べて少し触れたことがあるものに対しては
そのハードルが少し下がって、
必要なエネルギーも少しは少なくて済むんじゃないかと思う。
もちろんそれ以降全く触れないかもしれない。
それはそれでいいのだけれど、
もし触れたことがあれば、
そんな世界があるのだな、とすでに知っていることになる。
つまりアンテナが立っていて、
その世界に関する情報が入ってきやすい。
全く知らなければ他人事であって、
おそらく、それに関して受け取る情報の量が違う。

こんな思いから、少しでも触れる機会を提供できるといいなというのが答えかな。


3. 生活の豊かさ、そして幸せとは。


一生涯「学ぶ」アンテナが立ち続けていること
これが豊かに生きる鍵だと思うのだけれども、
私は特に感受性の高い幼少期に
実際に多様な人、もの (本物) を見て、触れて、感じる
ことが将来の人生の豊かさにつながるんじゃないかと思う。

ベビーシッター、家庭教師をしたりしていると、
けっこうな頻度で早期教育を望む親御さんが多いことを知る。
もはや崩壊しつつあるモデルなのだけれども、
「"学校でいい点取って、いい大学に行って、大企業に入る"という道筋が、どうも子どもの将来にいいのではないか」
という思考が根底に垣間見える。
これまでの社会通念が崩れつつある現代の変革の時代に「何が子どもの将来にとって本当にいいのか」を判断するのはとても難しく、
もはや違うのかも? と感じつつとりあえずの最善...と言ってはかなり失礼だろうが...を尽くしていらっしゃるのだろうなと思う。

確かにそれなりに勉強すれば選択肢は広がることはある程度確かだ。
だけれども、
その勉強の目的がただ今ある知識をより早く記憶に定着させることに終始し、
大学合格のため、いい就職のため、
親が、先生が、周りが褒めてくれるから
となると
いったい何のために生きていくのだろうか、と思ってしまう。

 「学ぶ」「身につける」こと
受験のために「知識をつめ込むこと」は違う。
それはある意味ひとつのスキルではあるけれども、
今後自分が幸せに生きることを考えたとき、
果たして自分が
 何が好きか
 どんな感性を持っているか
 何を大切にしてきたか
がなかったらどうやって自分の幸せな人生を描けばいいのか。



これからの時代
もはや終身雇用なんてものは崩れ去って
一ヶ所にフルタイムで正規雇用
なんて働き方も減っていくんじゃないだろうか。

友人が勧めてくれたコテンラジオの中で、
これからの時代 (もはや今現在)
それぞれの人がそれぞれの人に合った形で社会に関わっていく
「いろんな組織やグループで社会的成果を出せるスキルを身につける」
そんなことが求められるよね、と。
「もはや同じ価値観の中で生きていくのではなく、いろんな価値観や見方を吸収して調和する力」
つまり「相手の文脈において相手を理解すること」が大事になってきている
と話しておられて、ぼんやりと考えていたことを言葉にしてもらった気持ちだった。
(番外編 #2~5 あたりを参考に)


コロナで、3.11 で、生活が大きく変わった人もいるだろう。
これからどんなことが起こっていくかなんてわからない。
どんな災害があるかもわからないし、
人工知能の発達でなくなっていく仕事も多いと言われている。

そんな中、私が一番大事だなと思うのは
 「身体・感性・思考力」を磨くこと

何にもなくなった時に残るもの、
AIなどの技術が進歩して残るもの
それを磨くこと

つまり自分の身体の心地よさ、感覚を大切にして生きる
ここに尽きるのかなと思う。
これのひとつが私にとっては手を動かすことなのだ。

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