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田丸久深
2023年3月21日 22:06
最初のピースはカラスがくわえていた。 公園で羽を休めていたカラスは、わたしの視線に気付くと咥えていたピースをぽとりと地面に落とした。 かあとひと声鳴き、空に羽ばたいていく翼は夜闇のように真っ黒だ。見る間に小さくなっていく姿を眺めながら、わたしはコンクリートに転がるピースを拾い上げる。それが寄り集まってパズルになるとわかっていても、手持ちのピースが少なすぎて他とあわせることができなかった。