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ペーパーウェル10「扉を開けたらもうおしまい。」あとがき

ペーパーウェル10で出した「扉を開けたらもうおしまい。」の解説。
読者が気づかなかった(かも?)設定などを含めたセルフ考察というかあとがきです。

雨宮兄×りっちゃん、二人の関係性やキャラクターの魅力、ストーリーの見どころなど。

友朗(左)と律華(右)。二人は仲良し(?)

今回のネプリでは登場人物の名前は、「雨宮くん」「律」しか出てこなかったと思います。 本作は「永遠まであと、すこし」という、神様をその身に宿し力にして戦う異能力バトルコメディのスピンオフです。
お話は、女子高生・穂積初(ほづみ うい)が主人公の子供サイドと、友と律のバディが主役の大人サイドの話がそれぞれ展開し、最後合流する形になります。
「雨宮くん」は、雨宮友朗です。このお話の時点で32歳、警視庁に異動したノンキャリ巡査部長。ある事案のために渋谷からこちらに異動になりました。
「律」ことりっちゃんは六道律華です。友と5歳差なので、27歳。東大卒超エリート、キャリア官僚候補で警察庁からいそいそと警視庁へ出向中。 二人は…神様をその身に宿す特殊能力者で、警察でもその関係の事件を追っています。
彼らが10代の頃には、友朗の、血のつながりのない妹「十和(とわ)」もいましたが、律華が26歳の時に亡くなりました。が、不審な点が多く、友の野生の勘もあり(?)再捜査へ乗り出します。 こうなるきっかけになった話が、コミティア144で久しぶりに出した新刊です。 https://www.pixiv.net/artworks/107819493

と、こんな感じの話なのですが、やたらスピンオフを描いてて楽しいです。←
友朗は元々ヤンキーな感じの学生時代だったのもあり、どうしようもないところがありますが、意外と律儀で優しいところもあり、女の子の扱いがうまくコミュ力が高いというのがあります。イケメン枠に入るのかどうかは置いといて律義さとお兄ちゃん特有の優しさがモテ要素なんだと思います。
友朗がどうやって彼女を、途切れることなくうまくつないでるんだろうか?
多分マッチングアプリとかじゃなくて友人の伝手と合コンかと思います。
マッチングアプリとかは(仕事上のこともあって)危ない…そういう判断はできる感じ。野生の勘。

異能力バトルコメディなので、登場人物の殆どがそういう能力者ですが、友朗は現時点で能力者の中では最弱です。

律華はクラスの委員長タイプ。
兎に角恋愛至上主義なところがあり、恋愛関係では痛い目を見ることが多いです。ずっと友朗のことを好きで片思いですが、友朗自身が義理の妹である十和のことが好きなのを知っているので、自分が選ばれることはないのを理解しており、その苦しさとかの感情を、他の男で埋めてるんだと思います。ただそれは、義理の妹と「超えてはいけないラインを超えた」仲だった友朗にも、そういうなにかがあるのかも。

10代の頃にあった大きな事件をきっかけに、律は友を、十和ごと守る、支えると誓います。
それは、自身が「クシナダヒメ」を宿す器であること、クシナダヒメはスサノオの妻であるので、そのスサノオを宿す器である友を支えるのは自分の役目と思っているからで、そこから始まる恋なのです、律華にとっては。

友と律のバディストーリーは、このあたりを覚えておいていただけると、またちょっと漫画が面白くなる…かもです。

「扉を開けたらもうおしまい。」というタイトルの解説。

意味深1コマ。

扉ってなんでしょう?
本作はペーパーウェル10のテーマにあわせて電車の「扉」を押し出しました。
本文3pで、霞が関駅から次の駅へ着くまでに扉が閉じて開くまでの2分間を描きました。この電車の「扉」が開いたら、友が提案した非常に失礼な恋人ごっこはおしまいです。
それと、本作冒頭に描いたように、二人が恋人として「心の扉」を開けたら、多分今みたいに、心おきなくぎゃーぎゃー騒ぐ関係ではなくなるでしょう。それを互いが一番よく理解していると思っています。そういった意味の、もうおしまい、も含まれています。
互いに全て曝け出さないからこそ、好き勝手いえるのが今のゼロ距離の関係なのです。

この2つの意味があり、これが読者の方々に伝わればとても嬉しいです。

友×律。ふたりのやりとりから考える伏線、フラグ。

「扉を開けたらもうおしまい。」について。
時系列的には子供サイドのお話しの主人公・穂積初が高校1年生の夏とかです。
もう10年以上前に出した「永遠まであと、すこし」でいうと2巻のあたりです。

この時点で友朗と律華は警視庁に異動しているので、
「扉を開けたらもうおしまい。」の1p目で「霞が関駅」が出ているのは、警視庁の最寄り駅から終電で帰るということです。

そこで、二人は「千代田線霞が関駅」から乗るのですが、どこに向かって帰るのかという疑問が湧きます。

友朗は異動前の渋谷中央署時代から渋谷に住んでいて、一度律華の勧めで引越しをしました。
が、引っ越し先も結局渋谷です。雨宮兄は渋谷が結構気に入っているので離れたくないのと、単純に警視庁の近くは賃料はじめ物価が高いからです。渋谷も高そうだけど。
なので、雨宮兄は渋谷に帰るため、表参道まで行き、銀座線に乗り換えて渋谷に帰ります。00:28頃に到着だそうです。(by乗換案内)

では律華はどこに帰るの?って話です。

設定上律華は警視庁に異動になる前は府中の警察署にいたことになっていて、そのあと警視庁に異動になったので、この時点で引越しはしてると思います。
友朗と何故一緒の方面に帰ったのでしょう?しかも終電。
見切り発車で漫画描いちゃったのですっかり忘れてましたが律華は四ツ谷のほうに住んでる設定なので、このまま友朗についていってしまうと、どこに帰るんだ?って話になってしまいます…。

結局「扉を開けたらもうおしまい。」のラストで、国会議事堂前で降りてることから、

①何も考えずに友朗についてきてしまった。
→どちらにしてもどこかで降りてタクシーを拾い四ツ谷に帰る。

②何か理由があり友朗の部屋に行くつもりだった。友朗も了承済み。
→律華は友朗の部屋の鍵を、なんと、持っている設定があります。
了承が得られなくても勝手に入ることができてしまうのです…。

③この電車が行く代々木上原方面に律華の知り合い(現時点での彼氏)がいてそこに向かっている。

これなんですが、このあと、Twitterで書きました。

ということで、③を採用しました!
こちら、すこーしだけ設定を書いておくと、
毎日終電、日本の経済を担う経産省勤務霞ヶ関男子、「伊藤朱夏(しゅか) 27歳」と警察庁の律華が、キャリア組オンリー合コンで知り合って付き合うでもなくなあなあな関係になるも、朱夏には実はずっと気になっていた「男」がいて…という話を今夏頒布されるお風呂アンソロで描く予定です。
この「朱夏」の部屋で、始発で帰るまでのあいだ、いさせてもらうつもり、だそうです。(他人顔
律華と朱夏の話はTwitterかBOOTHで誰でも読める漫画にします。
朱夏と「男」の話は、ぜひ、お風呂アンソロで読んでください💛

本編(子供サイド)を描かないまま、大人サイドを進めてしまっていますが、こうやって話を整理するために大人サイドを描くのが良いかなと割り切りました。←
年内に描きたいのは…

右の男を描き途中のままそろそろ1年。
  • 律華がこのあと朱夏の部屋の転がり込んだときの話(夏に描く予定)

  • 子供サイド本編(お話は出来ているのでネームを切るところから)

  • 友と律の無駄話(子供サイドのおまけ漫画として)

  • 律華が1ヵ月だけ付き合った男の話(描き途中、R18)

  • 制服成仏物語「百校夜行」とのコラボ漫画(年末の予定)

以上です。
また機会があれば是非読んでやってください。
ペーパーウェル10をきっかけに、出会えた皆様に感謝です♥

次回、製本版の同人誌は百校夜行です。これをなんとか完結させたいので、応援よろしくお願いいたします。


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