057 日記 こんにちは赤ちゃん

生まれた。やっと、先日、生まれた。

大望の、赤ちゃんが。

生まれてから、よりいっそう、ことの重大さというか、現状の深刻さに気づかされる。

産院では、
面会条件が、よりいっそう厳しくなり、夫しか訪問できなくなった。ただ、これは現状を鑑みればむしろ緩いくらいの措置かもしれない。
新規患者の受入れを今後どうするかが話されているのを耳にした。

とはいえ、気持ちは高揚して、とても浮かれていた。
嬉しかった、単純に。無事に生まれてきてくれたことがほんとうに嬉しくて、涙がでた。嘘みたいだけど。

家族、友人、同僚に報告した。
皆同様に、こんな時に無事生まれてよかったね、と声をかけてくれた。

そんな、各所に報告した翌日
かなり近い友人の、お父さんが亡くなったという知らせを受けた。

コロナだったという。

もちろん、その友人にも、出産の報告はしていた。
写真に、かわいいね！！！と言ってくれた。
そんなやりとりのあった、翌朝。

ほんとうに、情けない話だけど、やっと、この世界を取り巻いている現状は、決して遠いどこかの出来事ではないんだと思い知った。

生まれたばかりのこの子を守らなければ、と思うと同時に、
家族全体を、守っていかなければ・・・とも感じる。

手始めに、孫に会いたくてたまらない義両親が、事前の取り決めを忘れて会いにこようとしたもんだから、必死に止めた。
どこまでことの重大さが伝わっているかは分からないけれど・・・鬼嫁と言われようと、しばらくは移動を制限せねば、と心に誓う。

この子の生きていく世界は、どんなものになっていくんだろう。
願わくば、色々の人と出会い、時にはぶつかり、共感し、楽しさや喜び、時には悲しみを分かち合う、
色々な経験をともにできる人々に囲まれて過ごして欲しい。
そんな人生であって欲しいと願ってやまない。

そんな、ハレの日