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クリエイターとしての30代を振り返る

GLOBIS Advent Calendar 2021」の23日目の記事です。

GLOBISでPdMをしています岡本です。担当しているプロダクトは「GLOBIS 学び放題」で、主に決済関連の開発を行っています。

この度2年11ヶ月努めたGLOBISを2022年1月末をもって退職する運びとなりました。卒業のタイミングで恐縮ですがGLOBISで取り組んだ自己研鑽について振り返ろうと思います。

概要

元デザイナーキャリアのPdMがGLOBISでMBAを学び、今だから見える景色から改めて30代で経験したクリエイターとしてのキャリアを振り返りました。主に美大出身者向けです。

筆者の略歴

京都の美大卒業後、新卒で地元の印刷会社のデザイン課に入社し、東京配属となりました。その後ゲーム会社の広報・採用関連のデザイン/ディレクションを担当し、受託のWEB制作プロダクションを経た後、ベビーシッターのマッチングサービスの立ち上げや、前職では印刷系ベンチャー企業で上場フェーズを経験し、現在はGLOBISでPdM担当しています。
余談ですが中学には殆ど通っておらず、3年生の時の出席日数は3日程度でした(危うく中学で留年しかけました)。

30代で経験した失敗

紙媒体のデザイナーからキャリアをスタートし、WEBの受託開発を経て事業会社へ環境を移したりしながら10年程度デザイナーをやりました。グラフィックを素早く作る能力を磨き、特に食べるには困らない程度には成れていたと思います。しかし今だからこそ改めて客観視できますが、30代中盤までデザインスキルのみで生き抜いてきた人間が、上場を目指すカオス状態のベンチャー企業で組織の成長と同じ速度で自身も成長し生き残っていくにはあまりにも非力でした。入社時こそクリエイティブ組織のマネージャー候補として立ち回る機会をいただきましたが、年上メンバーとの衝突や事業会社で上手く結果を出せないジレンマ等、辛い状況が続いていました。
そういった状態を打破できない中、一度デザイン業を手放しディレクション方面に全振りしてポータブルスキルを向上させていくことにしました。事業内容としては印刷業界だったこともあり、印刷のノウハウについて他のメンバーよりも詳しかったため印刷システム開発のPOを担当させて頂くなど機会には恵まれていたように思います。とはいえそれまでの仕事の方法とはかなり異なる動きとなったため、すぐには成果には結びつきませんでした。
前職を卒業する2019年頃には多少成果らしい成果をいくつか出せている状態にはなっていたものの、自分が入社時に思い描いていた上場したタイミングでの自分の姿・成長からはかなりビハインドしている状態でした。

失敗からの振り返り

20代〜30代前半くらいまではテクニカルスキルを振り回せば、それなりに食べていけてしまうのがクリエイティブや技術職の良いところでもあり悪いところでもあると思います。

改めて自分に引き寄せて振り返ると、自分の考え方の癖として主観で物事を捉える事多かったなと感じます。「自分がこう考えるからそれが正しい」、「自分が接した顧客がこう言っているからそれが正しい」。またよくありがちな、結論から伝えずに時系列で話しながら会話のゴールを見失ってしまうなどといった事象もあり、相手に物事を伝えることがかなり不得意でした。「自分、言葉で伝えるのが得意じゃないからデザイナーになったんですよね」みたいなよく分からない言い訳をしていた時期もありましたが、今だから言える「そうじゃない」。297mm×410mmであるとか、横幅数千pxの世界で自分一人でレイアウトを検討するくらいならそういった考え方でも通じていた部分があるかもしれませんが、事業を人と協同して作る上では考えていることを自分の中に閉じた状態では人を動かすことはできません。

振り返りからの取り組み

こういった課題をどう解決するか明確な解があったわけではないですが前職から転職を検討する中で現職のGLOBISと出会い、PdMとしてプロパーでJOINし更にGLOBISの経営する大学院の門を叩きました。

結論としてこの判断はとても良かったと思います。現職では大学院に通っている社員比率が当然高く、社員の中に多くの同級生がいる状態となります。そして学業で学んだことを業務の中でトライし振り返る仕組みを作ることが出来ました。前職のようにベンチャー企業に取り敢えず突っ込んで走りながら察する手法も悪くはないですが、取り敢えず事故が多かったです。普通に考えて車でも公道に出る前にはしっかり座学をしますし、座学と実務をバランス良い配分で仕組み化できるとベストだと思いました。

特に意識的に改善した項目は下記の通りです。

ロジカルシンキング
一番顕在化していた課題がビジネスにおけるコミュニケーションの力でした。大学院の講義としては「クリティカルシンキング」の授業があり、その中で文章の構成力や問を立てる力の向上を試みました。また実務の中でも、ドキュメントの目的や背景のすり合わせなどを意識してピラミッドストラクチャーを意識して物事を構造化して伝えるようにしました。

ブログ素材

ファシリテーション力・交渉力
ロジカルシンキングと近いものがありますが、会議体において目的や背景のすり合わせを行い議論をゴールに導くスキルです。PdMというロール上多くのステークホルダーの利害関係を把握し、ロードマップの最適解を提案しデリバリーまで導く必要があります。ファシリテーション力に関してもロジカルシンキング同様事前の入念なドキュメント作成などの準備や参加者の背景の把握を心がける事によって大きく改善された項目でした。

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リーダーシップ
リーダーシップはスキルと割り切れると楽になれたように思います。また発揮すべき能力がその時の組織の状況や外部環境に大きく影響されるため、リーダーシップの良し悪しを判断しにくいと思いますが、思い切って「物事が前に進んでいれば良い状態だし、停滞しているようなら悪い状態」くらいの判断軸で持っておくのが良いと思います。また「氷山モデル」にも表されるように、他人から見えているのは自分の行動のみです。意識的に考えを行動で表現していくようにしました。

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まとめ

ここまで「クリエイターも30代まで来るとテクニカルスキルだけだと辛くなってくるからポータブルスキルを習得すると生きやすくなる」ということを書いてきました。より大きな成果を出そうと思うと、適切な課題設定と人を動かし壁を乗り越えていく力、胆力が必要になります。これは過去の自分への反省ですが、「上司が自分の作ったグラフィックを受け入れてくれない、ムカつく!」とか、「組織は俺の考えを何も分かっちゃくれない、クソだ!」みたいな状態だとかなりやばいです。何故そのような状態なのかをファクトを元に客観的に把握し、改善のためのオプションを洗い出し、具体的なアクションに落とし、結果に問題があるようなら再度問題点の振り返りとアクションのリトライを行うような取り組みができなければ、外部環境に翻弄され続ける人生になってしまいます。

労働をして対価を得るということは、結局は何らかの課題を解決し、そこに値段が付くということなのだと思います。

297mm×410mmであるとか、横幅数千pxの世界の課題を解決したいのか
目の前の誰かの課題を解決したいのか
組織の中の不整合を解決したいのか
社会的な課題を解決したいのか
国境ををまたぐような課題を解決したいのか
または自分の中に抱える課題を解決したいのか

自分が今どの視座で物事を捉えているのかを客観的に把握し、解決したい課題に合わせた環境の選択を行い、人を巻き込み協同し、継続的に価値の提供に向かい合っていけるスキルを持つことが30代以降のクリエイターに必要になってくるのではないでしょうか。

GLOBISは一緒に成長できる仲間を募集しています

GLOBISには飛躍的に成長できる環境があります。そしてともに成長できる仲間がいます。

手掛けたプロダクトを世の中に提供し、誰か一人の人生を変えることができれば、きっと社会が変わります。もしご縁があったならば、ともに社会を変えるような課題の解決と価値の提供に取り組みましょう。

さらに、1/12(水)にEd-Tech企業が集まるMeetupを主催させていただきますので、こちらにもどしどしご参加ください!

最後に我々の組織紹介資料を置いておきます。


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