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はじめてのインプロ(即興演劇)

初めてインプロの(Zoom)ワークショップに参加したので、その体験をここにまとめてみようと思う。教わったということよりは、あくまで自分が体験し感じ学んだことを書きとめようと思う。「インプロをやってみたい」、もしくは「指導者として初心者の感想を聞きたい」という方の参考になれば嬉しい。

「インプロってなに?」という方はこちら→

ワークショップ参加の動機

私がインプロのワークショップに参加した理由は2つ。

「表現への恐怖心を乗り越えること」と「瞬間の楽しむことを楽しむこと」。

私は自分の仕事や活動が何であれ、人は毎日何らかの創作をしていると思っている。例えば、ツイートやブログを書くこと、挨拶をすることだってある種の創作であり自己の表現だと思う。その創作の種類や程度は人それぞれであるけれども、生きている限り、何らからの表現に携わっていると思うのだ。

ただその表現が真にオリジナルであるのか、心を刺すような力強さや美しさがあるのかは、その人によって大きく異なる。表現の技量やツール云々もあるが、それよりもその人の精神こそ創作において最も重要だと思うのだ。

その人が正面から自分自身と向き合うことができるのか、真に創作を楽しみ、迎合せず、批評をも置き去りにして自分が信じる美を表すことができるのかは、創作者の心に依存する。

そんなことを考えているうちに、表現の一つである演劇がふと心に浮かんだ。

もう一つは「瞬間を楽しむことを楽しむこと」。現在の社会では計画性は重視される要素の一つだ。理由は簡単で、それは効率的だからである。1人以上の人間が物事を成し遂げようと思った時に、計画があったほうが、それぞれが仕事を進めれれるし、予定されたものと近いものができやすい。

それはそれでいいのだけれども、どこか、生活の中の「今」や「偶然性」をないがしろにしてしまっている気がするのだ。計画に従うことや、予想通りのものを完成度高く仕上げることも重要だが、今というこの瞬間に自分自身の存在の全てを置いてみること、計画なしで思い通りに創造を積み重ねていくことを、やってみたくなった。

何だか保育園のおままごとみたいなことをやってみたくなったのだ。

そんなこんなで調べていると「インプロ」にたどり着き、2日後にインプロワークショップの門を叩いてみた。

ワークショップでの気づき

1. 頑張らない、素直さ

即興演劇において、うまく話を繋いでいくことが最も重要だと思っていたが、開始10分でその考えは打ち砕かれた。

まずはじめに準備体操を兼ねての連想ゲームを行ったのだが、そこでのルールは「思い浮かばない時には、考えずに、真っ白ということ」。つまり繋いでいくことが最も重要なのではなく、それよりも自分の中に浮かんだ感情や思いを外に出していくことが重要だということだ。つまりインプロにおいては「物語をつなぐ」ということは単なる枠であり、個々の内面から湧き出る感情こそが内容、つまり本質なのだ。


2. 表現よりも、内観

今回のワークショップにおいて、演技における指導は皆無であった。代わりに講師の方が強調したのは、自分が何を楽しいと思ったかに気づくこと。連想ゲームであれば、思いついた時に楽しかったのか、それを共有した時に楽しかったのか、もしくは他人の答えを聞くのがたのしかったのか、どこに自分の心が動いたのかをより詳細に振り返ってみることが重要であると。

これは相手が受け取りやすいような思いやりがインプロの鍵であろうと思っていた私にとっては大きな発見であった。外への配慮よりも、まずは自分の感情へのていねいな観察からインプロははじまるのだ。

3. 「未知を楽しむ」と「未知に期待する」

これは私が最も楽しみにしていたことでもあるが、無計画のなかで行動したり、楽しむのは思ったように楽しかったし、簡単であった。けれども、同時にむず痒い思いもあった。なぜなら「未知を楽しむこと」と「未知に期待すること」は相反することなのかもしれないと気づいてしまったからだ。

「偶然性の中から素晴らしいひらめきや創造が生まれる」というのはあらゆる伝記を通して書かれてきたことであるし、私はそう信じているが、それを期待してしまった時、つまり「未知に先に期待してしまった」時、もう純粋に未知を楽しんでいるとは言えない。だから、逆説的だが、そこからは何も生まれないのだ。

未知が何か素晴らしい物を運んでくれると思った時その偶然性はどこかずる賢く、表面上だけが綺麗な置物のようなものに変わってしまう。だってそれはもう成功を望んだ効率性重視の未知に変わってしまっているから。

きっと、私たちは、計算高く偶然性を利用することはできなくて、効率性なんか忘れて心からその瞬間を楽しんで気づかぬうちに森奥深くまで進んできてしまった時、そんな無垢な心がある時こそ、ワクワクするような宝物を見つけることができるんだろう。

つまり、答えは、「無我夢中」。

おわりに

初めてのインプロ。例えるなら、夢のような、私なんだけど全く違う世界を生きている私を感じることのできた非常に新鮮な体験だった。映画をみるように、また違う世界を違う方法で見たい時、きっと私はインプロに戻るだろう。コロナ収束まで自宅待機している方、一度試してみては?



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