見出し画像

【三大欲求】愛情とは何か?

あるところに一人の科学者がいました。その科学者は近所でも有名で博士と呼ばれて慕われていました。

ある時、博士のもとに一人の悩める青年がやってきました。その青年は言いました。

「博士、僕には好きな女の子がいて。もうすぐ受験なんだけど、どうしてもその子と同じ学校に行きたいんです!だから一生懸命勉強しているんだけど、すぐに眠くなっちゃって・・・」

博士は困っている青年を見かねて、助けになろうと考えました。そうして、ある薬を開発しました。博士は青年を呼び出してその薬を渡しました。

「この薬は人間の欲求を抑えることができる。この薬を飲むことで君は眠くならないはずだ」

青年は喜び、ためらうことなくすぐに薬を飲みました。そして、博士にお礼を言って帰っていきました。

しばらくして、博士のもとに、またあの青年がやってきました。

「博士、実は困っていることがあるんです。あの薬のおかげで眠くならなくなったんですが、今度はお腹がとても空いてしまって困っているんです。食べても食べても食欲が止まらなくて、これじゃあ、あの子と同じ学校に行けなくなってしまいます・・・」

「わかった。それでは食欲を抑える薬を作ってあげよう」

博士は食欲を抑える薬を作り、青年に渡しました。青年はその薬を飲んで帰っていきました。

しばらくすると、またまた青年がやってきました。

「博士のおかげで眠くもならないし、食欲も感じないようになったんですが、今度は性的欲求が抑えられないんです。このままでは、勉強も手につかず、あの子と青春を送ることができなくなります・・・」

博士は今度は性欲を抑える薬を作りました。青年はそれを飲み帰っていきました。

それからしばらく経ちましたが青年が再び博士のもとを訪れることはありませんでした。

ある日、博士がテレビを見ていると、どこどこの学校で入学式があったというニュースを目にしました。博士は「あの青年はどうなっただろうか?」と思い、青年の家に電話しました。

「もしもし、あ、博士お久しぶりです。え、受験は上手くいったかって?実は博士のおかげで勉強に集中できるようになったんですが、そもそも好きな女の子と一緒の学校に行くのがどうでもよくなってしまって、受験はやめてしまいました」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?