46億年、それよりもっと前から?
全ての物語には起承転結がある。
まず起こりがあって、それに沿ってストーリーが展開し、意外な方向へと話は進み、最後に一つの決着を迎える。
それはハッピーエンドかもしれないし、バッドエンドかもしれない。
とにかく、物語には流れがある。結果の始まりには原因がある。
だが、その原因と思われるものも、また一つの結果であって、そこからもっと古い原因へとさかのぼることができる。
ではその原因はどこまで戻ることができるのか。
今日雨が降っているとすれば、なぜ雨が降ったのか?
それは、昨日の風や雲の流れが関係している。
そして昨日の風や雲の流れは、一昨日の風や雲が関係している。
そうやってずっと過去に戻っていくと、
46億年前にこの地球が誕生した瞬間から、今日雨が降ることは決まっていたとも言えるのではないか。
それは自然の話だけではない。
人生もそうなのではないか。
あの時ああしていれば、なんであんな選択をしてしまったんだと、後悔してしまうことはよくある。
いくつか選択肢があって、自分はその選択を間違えたと思ってしまう。
だけど、それは本当だろうか?
本当に選択肢の中から自分は選んだのか?
そう思っているだけで、実は最初から一つしかない道を進んでいたのかもしれない。
なぜなら、それまでのあらゆることが条件となって、今ここにいるからだ。
あの時、あの選択をしたのは、もしかしたら自分が産まれた瞬間に決まっていたこと。いや、もしかしたら、自分が産まれる前から決まっていたこと、と考えることもできる。
同じような状況に出くわした時、人によって行動が違うのは、それまで生きてきて積み上げてきた条件が、みんな違うからだ。
それは子供の頃の体験もそうだし、今朝食べた食事もそうだし、今日の気温や湿度も関係している。
あらゆる全てのことが、積み重なったのが今なのだ。
だから、すでに条件は整っている。
もう僕たちは、その選択以外の道はない。
つまり何が言いたいのかと言うと、
あの時ああしていればとか、後悔しても仕方がないということだ。
だって、それしか道は無かったのだから。
とは言え、今この瞬間に、あの時のことを後悔するというのも、最初から決まっていることとも言えるのだが。
結局人ができるのは、今ここに在る、ただそれだけなのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?