常に湧き出てくる思考
昔、何かのテレビCMで印象に残っているものがある。
人がいいアイデアを思いつく場所というもので、
散歩中、〇〇%
入浴中、〇〇%
布団の中、〇〇%
みたいに、場所ごとにいいアイデアが浮かぶ確率を出していって、
最後のオチに、
会議室、0%
と、なるものだった。
つまり人は、考えよう考えようとして机なり、何なりにかじりついている時よりも、
全く関係無いようなことをしている時の方が、いろいろと思考が巡る。
リラックスしている時こそ、思考の柔軟性が高まり、いろいろと湧きだしてくるということだろうか。
ただ、どんなものにも正しい使い方というものはある。
その時考えていることが、楽しいことやおもしろいこと、ワクワクするようなことなら特に問題はない。
だが、どうだろう。
お風呂に入っている時や、布団に入った時に、悪い考えも浮かんできてはいないだろうか?
心配だなあ。
アレがああなったらどうしよう。
大丈夫かなあ。
と、いろいろな思考が巡るがゆえに、不安や心配ごとも出てくるのが、そういう時だ。
だから、そういう時こそ、自分の思考がどうなっているか観察を怠ってはいけないのだ。
ただただ、いろいろと出しっぱなしにするのではなく、その中身を吟味しなくてはいけない。
もし、もう終わった過去、まだ来ない未来のことが心配という形で頭の中に出てきたら、すぐにそこから離れることだ。
離れ方としては、お風呂に入っているのであれば、お湯の暖かさ、
布団に入っているのであれば、布団の感触などに意識を向けることだ。
つまり、頭の中から体へと意識をシフトすること。
とある禅僧が、禅の極意を聞かれた時、
食べるときに食べ、
水を飲むときに飲み、
歩くときに歩く。
と答えたそうだ。
大切なのは、思考の使い方だ。
楽しいこと、おもしろいこと、ワクワクすることにその思考を使い、
ネガティブなことには使わない。
もし使いそうになったら、意識を「今」に向ける。これが大切だ。
どんな時でも、目が覚めているうちは思考が働き続けている。
自分の思考は、自分以外に何とかできないのだから、ちゃんと監視とメンテナンスはしていかなければいけないのだ。
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