人は誰しも物語の作り手
結局、思い込みってやつが人の一番恐ろしいものかもしれない。
ほとんど自動的と言っていいほど、勝手に物語が作られていく。
例えば最近「産休クッキー」なる言葉がちょっと話題になった。
https://togetter.com/li/2351602
簡単に言うと、産休に入る人が職場に「産休クッキー」というものを配った。それに対してネットが、
不妊の人に対する配慮が足りない~
職場に迷惑を掛けることに対して配慮が~
・・・みたいなことでちょっとした炎上になったわけだが、
これって、考えてみるとメッチャウケるのである。
クッキーに描かれた赤ちゃんの絵、
そこに、産休に入ります、ご迷惑おかけしますの文字。
これに多くの人が勝手に物語を作ったのである。
中には、結婚や出産を経験していない人が、まるで自分が否定されたように感じて傷ついたという人もいるだろう。
だけど、それも勝手に頭の中で作り上げたストーリーである。
そして、この炎上した騒動をまた別のメディアが取り上げる。
討論系の番組で、頭の良ささそうなコメンテーターの人たちが、これをテーマに語り合う。
そういう場や、もしくはSNSの中では、
「日本人には余裕がない」とか
「現代の日本の環境は~」とか
これまた主語を大きくして、勝手に物語を作っている。
だがよく見てほしい。
事の発端は「クッキー」である。
小麦粉と卵と牛乳と砂糖の塊。そこに焼印か何かで書かれた文字。
ただそれだけである。
僕たちは、単なる小麦粉と卵と牛乳と砂糖の塊に向かってあーだこーだと叫んでいるのだ。
これがウケずにいられるだろうか。
人は勝手に物語を作る。
別に、運命的な出会いとか、突然超能力に目覚めるとか、
そんな大層な導入なんて必要ない。
ほんのちょっとした何かがあれば、人は自分の頭の中で物語を作り、
そしてそこに溺れる。
いや、溺れていることすら気付いていない。
もし、何かに不快な気持ちや、苛立ちを覚えたら、
ただ、目の前のものを見てみよう。
そこにあるものを、余計な情報を勝手に付け足さず、ただ見る。
そうすると案外、大したことないものだと気付けるかもしれない。
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