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京都に2年住んで見つけた”粋な商い”

2年前の春に京都に移住してから、早いもので2年が経ちました。移住の際の気持ちを綴ったnoteを記念に以前まとめてもらいました。(ありがとうございます!)

noteを巡っていると、同じようにここ数年で京都に移住された方の発信が多く目につき、自分と同じような気持ちで、それぞれの京都の生活を楽しんでいる人がいるのか、と思うと、非常に嬉しい気持ちになります。

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▼noteで見つけた京都移住した方々(みんなそれぞれこだわりを持って暮らしている様子が浮かんできて素敵です。)

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そんな京都で2年間過ごしてみて自分は、改めて自分の「商売」への関心に気付くことになりました。どんな思想で、なんのためにその「商売」を行っているのか、非常に気になってしまいます。

資本にレバレッジを利かせて拡大を狙う都市圏のビジネスのやり方だけでなく、京都は独特な時間軸の考え方とスタンスにより”地域密着”で「生活」のために商売を営んでいることが非常に多いように思います。それこそ「職住一体」の生活をしている方も珍しくないです。(東京でも同じ働き方をしている人はいるはずなのですが、あまり目立たない印象です。)元々、商売人家系で育っている自分にとって、東京の居心地の悪さは生活のための商売の少なさ、目立たなさにあったのかもしれません。

そこで、2年間の生活の中で出会った”粋”だな、と思った商売をしている場所をまとめてみました。同じように「商売(ビジネス)」に関心があり、ちょっと京都に旅行で来ていて時間空いたな・・・何しようか・・・という方にも役立つ情報になると思うので、ぜひ見ていただけたらと思います。

また「京都で、こんな面白い商売しているところを見つけた!」という情報や「こんな観点でおすすめ教えてよ!」というリクエストも大歓迎です!


パン屋「hinami」

先日、マツコの知らない世界でも取り上げられ話題になっていたパン屋さん。最初に食べたときに、美味しくて感動したのですが、元々ホテルでふるまわれていたパンと聞いて納得。京都御所の近くにあるので、ここでパンを買って御所でピクニックするのがおすすめです。このパン屋さんのどこが粋な「商い」なのかというと、オーナーは淡路島「農家」、パン職人は「元シェフ」という二人で立ち上げたパン屋さんであり、設立趣旨も「農家を助けたい」という気持ちによるものであること。大量生産であるパンを買うのではなく、少し高くても生産者と繋がっているパンを買うことで、普段の生活ではなかなか感じられない作り手との繋がりを感じることが出来、益々美味しく感じます。

歴史的風致形成建造物「今原町屋」

京都市の歴史的風致形成建造物に指定されている町屋で、建築当時の面影がそのまま残っている非常に貴重な空間です。京都モダン建築祭に公開されていて訪れましたが、オーナーは実際にこの町屋で生活していて、素敵な庭と庭にある木も当時のまま残し続けているというこだわりっぷりです。

庭にある石は日本全国から集めた石ということで、町屋ならではの坪庭ながら、全国の情景を思い浮かべることが出来るなんとも「粋」な設計
この小さい坪庭に、この迫力の木が・・・維持だけでも相当なコストであることがわかる
地味ですが、このガラスもすごい貴重

自宅に住まい、自身の仕事も続けながら、町屋を解放して食事を振舞ったり、イベントに出店しつつ町屋文化を残しながら上手く建物と共生していく姿に感銘を受けたのでした。何とか残し続けてほしいです。

カフェ「SCHOOL BUS COFFEE STOP.」

京都は珈琲を日本一消費するカフェ激戦区でもありますが、空き時間があると居心地が良く、つい立ち寄ってしまうのがこのカフェです。どうりで居心地が良いと思いきや、運営しているのが大阪のリフォーム会社ということで合点がいきました。

カフェの経営も成立させつつ、良い空間を売りながら、自社の流入にもつなげるスタバもびっくりな戦略。普通にカフェとして居心地がいいので、建築好きは一度は訪れてみてもらいたいカフェです。(京都にはけっこう便利なところに2店舗あります。)

インスタみたら、東京にも進出していた。。。商売上手。。。

商業ビル「冷泉ビルディング」

京都には古い建物が多く、店舗面積も狭いため、粋な商いが生まれやすい構造がある気がしていて(土地面積も狭く、家賃もそこまで高くないので、新規参入しやすい)近所の古いビルが丸ごと商業ビルに生まれ変わったのには元不動産屋としては非常にワクワクする展開でした。(写真は工事中の時のものです)

1/2Fはパン屋・飲食店で3階が雑貨屋、なんとも京都らしい佇まいで通りがかるだけで良い気分になりますが、調べてみるとどうやら仕掛け人が同世代のITベンチャー出身者ということで何とも親近感が湧いてきます。

2017年、この投稿から時を経て、新規事業としてビル丸ごと新たな体験に変えてしまうのはたまたま近所にいたから気付けたことでしたが、立地もあいまって今後も応援していきたいビルです。

ラーメン屋「あやむや」

パン、コーヒーにつづき、ラーメン激戦区も有する京都。(というか、範囲が狭すぎてなんでも激戦になっているのでは・・・という気がしてきました。)無類のラーメン好き何人かに聞いても「京都のラーメン評価」はマチマチで、人の数だけ、それぞれの思い入れがあるラーメン屋があるのでしょう。そういった状況ですから、商売として成り立たせるのは非常に大変だと思います。そんな中で、いつも何やら海外の方で混んでいて、気になって調べてみたのが、あやむやです。

イスラム教徒が食べることを許されているハラルフードとして、ラーメンを出すという発想でマーケットを攻略しているラーメン屋さん。日本では、京都と御徒町にあるそうです。インドネシアの留学生からの「鶏肉しか使っていないかどうか?」という問い合わせから練り出された戦略のようです。「ハラール認証」はこれからの飲食店ビジネスの一つの切り札なのかもしれません。あ、味はもちろん美味しかったです。

私設図書館「鈍考」

京都には私設図書館文化があり、各行政区も図書館を有していて、アクセス最高な場所に府立図書館もあるし、大学が多いからなのか本屋も古本屋も至る所にあって、とにかく本好きにはたまらない街です。なんなら、立ち飲みしながら読める(逆か?)店もあります。

引っ越してきてから、多くの本屋・古本屋・私設図書館を回りましたが、自分に刺さったのは京・洛北にある「鈍考」でした。

本のラインナップも空間も、周辺の街並みも(別荘地のような雰囲気で、ちょっとしたジブリ感が周囲にあります。)すべてが良い体験になります。なかなか旅行では行きにくいかもしれないですが、本好きには間違いない体験になると思います。仕掛け人は有名ブックディレクターの幅允孝さんです。

つい何冊もメモしてAmazonで買ってしまいましたが、1年に一度くらいは自分をリセットするために訪れたい空間です。(ただ、名前にも現れている通り時間の流れが遅い場所のはずなんですが、本に夢中になりすぎて90分一瞬で溶けてしまい、コンセプトとはずれた体験になってしまっているのは、私だけなんでしょうか……もう少し制限時間伸びないかな、珈琲2杯飲むので……)

まだまだ紹介したいところがあるのですが、キリがなさそうなので、今週はここまでにしておきます!きっと、東京もちゃんと探せば面白いお店がたくさんあると思うのですが、京都は範囲が狭い分、気になったところは全て回り切れるのでは!?と思わせてくるので、まさに沼です。というか、冷静に範囲狭いので、それを見越して(?)江戸に幕府を開いた徳川家康の先見の明を感じます。(ちゃんと歴史を勉強したいです。)

もはや、マップとして機能しなくなってしまう・・・

お読みいただきありがとうございました!

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