見出し画像

古本市で、自分の欲に忠実に向き合う

ちょうど、去年の夏は関西生活第二章のスタートに向き合っていたようだ。

何とか仕事は軌道に乗りつつあり、やりたいことを実現するための勉強も続けることが出来ている。自分の仕事のことばかり考えていられない人もいる中で、自分の仕事と自分の生活だけを考えて過ごせる今は、本当に恵まれているのだと思う。

関西のご縁で、個人的に声をかけてもらう機会も増えてきた。まだまだ、自分の欲に忠実に生活していきたい。この夏が終われば、四捨五入でアラサーも最後の歳となる。

アラサーの最後に、自分が何を欲しがっているのか、自分の欲に向き合うのがこの夏のテーマということで、じっくり古本市を回ってみた。

森見登美彦の小説やアニメでしか知らなかった下鴨神社の古本市は、予想以上の規模感で老若男女、様々な出会い・再会を楽しんでいたようだった。神保町の古本屋巡りで気付けたことだったが、自分でも言語化に困っていた興味関心を引き出すのに非常に良い機会である。

というわけで、アラサー終盤戦に、果たして自分が何を欲していたのかを整理するために買った本を並べてみたい。書籍は購入順、せっかくなのでご縁があった古本屋のサイトも並べてみる。

以前「暇と退屈の倫理学」という本をコロナになった直後ぐらいに暇すぎて読んだが、再び良い出会いと思って購入。スマホのおかげで、退屈を感じることは少なくなったが、現代人は自分も同じく、何事もすぐ飽きてしまう。刺激に飢えて、刺激中毒になっているのだろうが「飽きたから」という理由で転職する人を見ると、本当に現代人は怖い。それは自分のことでもあるのだが。「なぜ人は退屈してしまうのか」そんなことを知りたくて手に取った。

内容に興味があった、というよりは、古本屋ならではの体験だが、きれいにこの本専用の付箋が貼ってあって、序盤には付箋が貼ってあったが、途中から付箋がなくなってしまっていた。おそらく、途中で読まなくなって、そのまま古本屋に運ばれたのだろう。どこの誰かはわからないが、その人が実現しようとした「贅沢な読書」が道半ばで終わっている、それを完遂するのは自分なのだ、というよくわからない使命感から購入。

沢木耕太郎を知ったのは、読書好きな候補者との出会いからだった。彼とは1度、2度話しただけで終わってしまったが、かなりの博学で、独自の世界観を持っている方だった。そういった方に出会うと色々、読書について聞きたくなってしまうのが悪い癖で、彼が好きな著者の一人が沢木耕太郎だった。しかもこの本、対話形式で、多様な分野の先駆者たちと対談が展開されている。瀬戸内寂聴との対談に引き込まれ、また井上陽水や羽生善治との対話も気になり、購入。何を話しているのだろう?

近代・自由主義の発展はナポレオンからの影響が大きいということかあら、歴史を学び直すために購入。こんな顔だったっけ?と世界史の授業を懐かしみつつ、たくさん購入した中で、一番読むのをワクワクしている自分がいる。年末にはナポレオンの映画も公開されるようなので、予習も込みで。

上記4冊は、神戸からのご縁であった。六甲も三ノ宮も、お世話になった思い出が多い。いつかお店も訪れてみたい。

いつも頭でっかちに、心で考えがちだが「身体」の声を聴いたことがあるか?そんな問いに全く答えられず、行き詰ってくるとぶっ倒れることが多い自分は、意識的に身体感覚を磨く必要があるのだろう・・・そんなことを思っていて、とてもよい入門本を見つけることが出来た。特に京都は四季折々のイベントが多く、街に自然も多くて、野菜も安い。季節感を取り入れるにはもってこいの場所である。アラサー最後の歳、きちんと身体感覚を磨いて、大人になりたい。

「人間関係に悩まないように!」みたいな自己啓発本とか、嫌われる勇気、みたいな話は聞き飽きていたのだが、この教科書はかなり実益に富んでいそうだったので購入。明日から職場で使えそうなTipsが多く、参考になる。

大阪の古本屋さんから購入したが、ホームページがなかった。逆に気になる。そして、大阪には、色々基礎を教えてくれるご縁がありそう。

書籍が発行されたのは、バブル絶頂の頃。その頃のアラサーのメンタリティや、時代背景には非常に興味があり、見かけるたびに買ってしまうが今日もそんな出会いがあった。精神科の視点から描かれるリアリティしかないビジネスマンの描写は確実に現代にも通ずるものがある。この時代を生き抜いた人が上にいるのだから、バブル世代は強いのかもしれない。これも読むのが楽しみ。

なんと、こちらの古本屋さんは同じ通り沿いというご近所さんであった。これはすぐにでも訪れなければ・・・同じ通り沿いに複数古本屋がある生活は当分辞められそうにない。

そろそろ帰ろうとしていたところ、ふと目について最後に購入したのがこちら。今の会社で、現在はなくなってしまったが、会社に本棚があって、フロムの「愛するということ」を手に取ったところが、フロムとの出会いだった。自分のことに精一杯で、それは今もそうかもしれないが、全然余裕がなかった中で、読書を通じて余裕を持てたのは自分にとって大きかった。これまでも書籍との出会いに助けられてきた人生だったが、今後もそうなのだろう。そんなことを思いながら、最後にこの本を買うことにした。

欧文堂さんありがとう!!

自分が欲しいと思っているものが改めて古本との出会いを通じて分かった1日だった。積ん読が増えて幸せな夏。まだ夏は続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?