#101 スマホひとつで繋がる世界だけれど|行ってみなければわからない世界
現代は便利です。
スマホひとつで世界中のクラブと繋がることができて、そして夢を掴む可能性もある。
14~18歳のユース世代の選手が対象で、21年2月時点で55カ国で利用されている。登録選手は19万人以上で50チームと提携している。
僕もスマホひとつで世界と繋がりました。
でも、こういうアプリのサービスとかではなくて、発信先としては世界中に向けられるのだけれど、
結局のところは
現地に行ってみないとわからない。
ということです。
おそらく上記のサービスではいろんな安全に関する考慮もされているだろうし、登録できるチームも選び抜かれていると思う。(信頼のおけるチームとして)
いま東南アジアのサッカー市場では、選手がどこにいるかというのがとても重要な要素になりつつある。
コロナ禍で、外国から選手を呼んでくることが極めて難しくなってきているからだ。
そのため、国内に滞在している外国先選手を優先的に獲得しているところも少なくない。
僕はチーム探しをしていたときはとにかく必死でした。(当時は代理人さんなどのサポートはなく、一人でやっていた。)
フェイスブックでいろんなチームを調べては、メッセージを送る。
そして大体、5%くらいの返信率だったかなと思う。その貴重な返事をもとに飛行機に飛び乗る日々。
10年用のパスポートは4年かからず埋め尽くしてしまった。それくらい飛びまくった。
(ビザのページとかがカンボジアとかはペタペタたくさん貼られちゃうんですよね。デカデカと。しかも雑なので剥がしたら1ページ増やせるんじゃないかな…なんてことは、何度か思った。笑)
移動をするのにもお金はかかるし、現地で滞在する費用もチームによって出たり出なかったりだった。
そんなある日、マレーシアに飛んだ。
そのときは今すぐにきて欲しいということだった。
すぐにチケットを購入して、連絡から2日後くらいの飛行機に乗った。
カンボジアやいろんな国へのハブ空港となっているクアラルンプールは僕にとっては慣れっこで、
「ああ、戻ってきたな」
という感覚。
飛行機はマレーシアに到着し、乗客は飛行機を降りる。
LCCを利用しているので、僕たちはいちばん端っこにあるターミナルに着陸します。
クアラルンプールの空港は結構歩きます。
そして、Wi-Fiをオンにして友人や先輩方からのメッセージを受信する。
「そろそろ到着した頃かな?頑張ってこいよ!」
こんなメッセージをもらえることが幸せだったし、だからいつも不安だけど、不安じゃなかった。
帰ったら暖かく迎えてくれる知人たちが応援してくれていたからだ。
そんなメッセージを見ていたときのことだ。
受け入れ先の仲介人からメッセージが入っている。
画面を素早くスライドしてメッセージを開く。
サッサッ、メッセージを開いた。
そこには衝撃的なことが書いてあった。
なんと、僕が飛行機に乗っている間にチーム側の意見が変わってテストを受けられなくなった。
仕方なく帰りのチケットを取って帰国をした。
本当に何があるかわからない。
だけど、今では貴重な経験だ。
今でもあの時の経験は「騙された」のか「本当にそういう成り行きだった」のかはわからない。
だけど、その時に思ったのは
「ウケる(笑)」
だった。
もともとダメ元で200通以上のメッセージを送って、話があれば飛行機に乗ってしまうようなバカだ。
ちょっとくらいそんな話があった方が面白いだろう。
本気でそう思っていた。
というか、それくらい麻痺していた。
「今すぐにチャレンジできるところがあるならどこだって行く。」
だから、笑った。
そして切り替えるしかなかったのだ。
幸い”映画 ターミナル”のように帰る国がなくなったわけじゃない。
イタリアに行ってギリシャのクラブの関係者がテストを視察しているとかいうぐにゃりとした不思議なものよりスッキリしている。
(ここに来る前には同じようにメッセージを送りまくってイタリアへたどり着いた。ローマからポルトサンジョルジョという街へ長距離バスで一人移動して、テストも受けていた。)
だけど、自分の足で踏み込んで、自分の目で世界を見て、そして自分の実力を示すしか
自分の人生を納得させる方法がなかった。じゃなかったから何年かしてこんなことを言うようになってしまうかもしれない。
「あのとき、やっていたら…」
「おれは本当はできたかもしれない」
そんなのかっこ悪いし、もう取り返しがつかない。
実際に確かめた。
どれだけ自分がダメかを知ったし、場所を変えれば可能性があることも知った。
それは自分で行動したからこそ得たものだ。
今はある程度の世界を知っている。だから納得できる部分も増えている。
ただあのころのガキんちょには理解できなかった。
もし、誰かに手伝ってもらって、代わりに「僕のこと必要としてるところありますか?」と聞いてもらってダメだったとする。
それで、引退するなんて僕には受け入れられなかった。
自分でとことん、もう出来ないってくらいまでやり尽くさなければ、自分に諦めることができなかったんだと思う。
でも、実際に行って、自分の全力を出してもダメだったら
「それは本当にダメだ(笑)」
諦めが悪いのが僕の悪いところであり、
諦めが悪いのが僕の長所でもある。
とにかくやってみる。
そういうことも大切だと思います。
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