俺のチームじゃない。(リーダーやキャプテンに読んでもらいたい)
昨日は練習試合を行った。
リーグ戦も終盤になり、優勝という高い目標は実現できなかったけれど今週末の対戦相手はチャンピオンチーム。
この国でずっと勝ち続けているチームであり、今シーズンは負けていない。
対する僕らは小さなクラブで、開幕前に描いていた戦績より遥かに良い成績だと思う。(個人としてはもっと勝ちたかったけれど、客観的に見るとこの成績は素晴らしいと言われているのは理解できる。)
が、しかし。
サッカーは試合が終わるまで結果がどうなるかなんてわからない。天皇杯では大学生チームがJリーグクラブに勝つこともある。
レアル・マドリードが負けることもある。バルセロナだって負けるときは負ける。
そんなことを起こすためには、僕らがこの試合を勝ちたい、勝てると思わなければいけない。
いまの実力がどうだの話をしているのではない。
心が大事だと思う。むしろ、僕は技術も戦術もたいして優れていない。人並みにはできるかもしれないけれど、特出した選手ではない。
ただ、戦うという部分では負けたくないと思っている。なぜならそれは誰にでもできることだからだ。
さて、昨日の練習試合の話に戻ろう。
試合会場の予約、対戦相手との交渉もすべて僕が行った。
試合のキックオフ時間、ウォームアップ開始時間などすべて事前に伝えていた。
にもかかわらずチームは遅れてきた。
時間に関して僕がうるさいのはわかっているはずなのに。
タイムスケジュールはすべて把握させてある。いつまでも僕が主導してやり続けることが正しいことなのか疑問を抱くようになっていた。
なぜなら、これは僕のチームじゃないから。
ここでいう僕のチームという意味は、僕だけのチームということ。彼らのチームであり、彼ら自身が試合に向けて準備することが大切だと思った。
時間は伝えてある。
ウォーミングアップで必要なものはすべて揃えて、セッティングも終えている。
ウォーミングアップ開始時間が15分過ぎた。
すると選手たちは二極化した。
ウォーミングアップが始まるまでにボールを触り始める選手。まだ始まらないんだろうと余裕をかましている選手。後者はまだ靴紐すら結んでいない。
僕にはその姿は、彼らは戦う準備ができていないと見える。
ウォーミングアップをしなければ試合で良いパフォーマンスを出せない。
そんなことはわかっているはずだ。
じゃあどうするの?
僕がこれまですべて主導してきたことが良い部分を作り出したこともあると思うけれど、逆に彼らに主体性、能動的に行動するという機会を奪い続けてきたのではないか?
僕は、そんなふうに自問自答するようになっていた。
俺が勝ちたいから練習しているのか?俺が勝ちたいから試合を組んで確かめているのか?
彼らは僕の大切なチームメイトであり、僕と彼らと合わさって、これは僕らのチームだ。
強くなること、上手くなること、今いる位置からさらに高いところを目指すことを待つ必要なんてない。
自分たちで掴み取りに行って欲しい。
そんな個々人が集まった集団、組織であれば簡単に負けないと思うし奇跡を連発するだろう。
そして、その奇跡というのは「信じられないようなこと」ではなく、圧倒的な準備とその積み重ねからくる自信が生み出す革新を具現化したものだと思う。
繰り返す。
ここは僕のチームではない。
僕たちのチームだ。
昨日の失敗を力に変えられるかどうかはそれぞれにかかっている。僕はその成長や気づきを促すだけだ。
僕に教えられることなんて、はなっからなにもない。
気づきを与えること。
教えられたことは教えられたことでしかない。自分のものにならない。与えられた気づきから自分自身で考えて、自分のものにすることこそ本当に大切なことなのだ。
主体性、能動的に。
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