【駆け出しの役者が、プロボクサーとしてリングに上がった理由。】
前回の続き、
ボクシングプロライセンス取得。
そして、そこから試合に出るまでの話を。
引き続き、個人的な記録、過去の振り返りを兼ねて書いていこうかと。
前回の記事はこちらから↓
本来はプロライセンスを取得してボクシングに一区切りのつもりだったけど、試合出るに至った理由。
それは、
役者として何か武器をつけたいという気持ちもあったし人に話すときは少し面倒くさくてだいたいそう言ってるけど(笑)、何より踏み出すきっかけになったのはひとつ大きな理由があって、、。
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今から約12年前、後楽園ホールに行っていたある日。
ジム仲間の試合の応援を終え、その後の試合を観ているときにその運命の出会いがあった。
運命の出会いて。笑
確かファイナルかセミファイナルあたりの試合で現れた一人の選手、
洞平勝賢選手。
今でもその名前をはっきり覚えてる。
それくらいに、衝撃的だった。
赤コーナーから登場した彼の身に纏ったオーラ、研ぎ澄まされた姿、鋭い視線。
そこに、一匹の狼がいた。
その時の近内には彼がそう見えて、本当に痺れるくらいにカッコよかった。
以前からボクサーにカッコよさは感じてたけど、改めて、衝撃を受けた瞬間だった。
#ボクサーに限らず格闘家、そしてあらゆる本気のアスリートに憧れております。
花道を歩き、リングへ上がるその姿に釘付けで、試合が始まる前にすでに強く込み上げてくるものが。
あの姿に近づきたい。
そう思うとカラダの疼きが止まらなくて、試合を観終える前に後楽園ホールを後にしてた。
帰ってすぐに、走るために。
見た目がカッコいい、いわゆるイケメンはたくさんいる。
だけどそんな先天的なものとは別物で圧倒的な、内側から溢れてくる力強いエネルギー、生物としての本物のカッコよさ。
あの姿こそが目指したい姿だと。
役者として、一人の男として。
タイトルの答えとしては、彼を見たことがひとつの大きな理由。
それだけってことはないけど、試合へ向かう気持ちが一気に大きくなった。
もったいぶるほどの答えでも、たいした理由でもないくらいに、単純です。笑
でももはや理由なんてもんじゃなく、本能とか魂レベルで感じて、そこに向かってたんだと思う。
#2試合しかしてないひよっこボクサーが、なんかデカいこと言ってるな。笑
そしてその結果が、このデビュー戦。
試合が決まったという知らせを聞いた日には飛んで喜び。
試合が近づくにつれて不安や恐怖もどんどん大きくなって。
試合前日は案外寝れて。笑
でも試合直前は地に足が着いていないくらいに緊張してた。
試合ではリラックスなんて到底できなくてとにかくカラダに力が入りっぱなしで、1R終わってすでに疲れて苦しくて。最後の方は地上にいるのに溺れてるような辛さ。
練習でやってきたことなんてほとんど何も出来ずに、ただ必死にパンチを繰り出し、何度も折れそうになった心を奮い立たせて4Rを闘い抜いた。
確か4R、パンチを貰いすぎて脳みそが死の危険を感じたのか、意識はあるものの、大事な人、お世話になっている人が一気に浮かんできて、これが走馬灯かと。
#いやあれは本当に走馬灯だったのか?なんちゃって走馬灯だったのか?
でもそのお陰で、諦めずになんとか踏ん張れて。
日本ボクシング界の至宝、井上尚弥選手に比べれば(比べてはいけない。笑)、もはや同じスポーツとは思えないくらいにガチャガチャな試合。
それでも、応援に来てくれた人たちから最大級の労いの言葉を、そして嬉しい言葉を沢山もらった。
知り合い以外にも、声を掛けてくれる人がいた。
本当に必死に、やれるだけの準備をして臨んだ試合。
芝居の舞台とは違って台詞のやり取りや物語はないけど、その姿を通して何かを伝えることができた。
それが本当に身に染みて嬉しかった。
とにかく苦しくて、ボロボロで、ぐしゃぐしゃで、最高のデビュー戦でした。
このボクシングという舞台で得た経験は本当に大きくて、今も役者としての根底に強くある。
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振り返ると、もうだいぶ前のことなんだなと。
あの時は確実に全力で、我武者羅に突っ走ってた。
今はどうだ?
あの時の自分に負けてないか?
確実に言える。
負けてない。
ただ、もっともっと。
今を全力で。
約12年前も同じことを言ってる。
なんかポスターだと小っ恥ずかしいけど。笑
【今を全力で】
役者、俳優として。
そして、人生のアスリートとして。
まだまだ突っ走ろう。
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