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【駆け出しの役者、プロボクサーになる。】


皆さまこんにちは。

第2回目のnote。
今回は少し過去の話。


タイトルの通り、駆け出しの役者がボクシングプロライセンスを取得、そして試合をした頃のことを、個人的な記録も兼ねて書いていこうかと。



ボクシングとの出会いは19歳の頃。
カラダづくりのために地元の市営のジムでトレーニングをしてたときに、ジムのスタッフの方からボクシング関係者の島川さんを紹介されたことがきっかけでした。

#この時海外のモデルに憧れて週5くらいでジムに行ってたからスタッフさんたちとめちゃくちゃ仲良くなってた。笑

#島川さんはレフェリーとして数々の世界戦を裁いてきた偉大なお方。


島川さんもトレーニング中で、ジムがあるその施設の一角のトレーニング室でボクシング教室をやってるから一度来てみなよって言われたことがはじまりでした。

当時トレーニングに目覚めていたのと(笑)シンプルにやってみたいという興味心ですぐに参加してみたけどとにかく楽しかった。

一回体験して、即通いますと。

そのボクシング教室は週に一回。
やればやるほど毎週日曜日の夕方が楽しみでしょうがない。

ミット打ちの快感。
そして、少しずつパンチが、自分自身が強くなっていく実感。

もっともっと上手くなりたい。
もっともっと強くなりたい。
役者としての特技になればという思いとは別に、純粋にそんな気持ちがどんどん大きくなっていった。

しばし週一で練習を続けていたある日、当時日本チャンピオン(確かライト級だったかな)の荒川仁人さんがクラスの時間にやってきてくれて、直接指導を。
当時の僕はテンションぶち上がりで、そしてなにより良いところを見せたくて(笑)、荒川さんの持ってくれたミットにパンチを必死に打ち込む。


そしたら、

「君、プロなれるよ」

荒川さんはさらっと言ってくれました。

恐らく荒川さんは本当に軽い感じで言ってくれたと思うけど、素直な近内青年はその言葉を鵜呑みにし、後に島川さんへプロテストを受けてみたいと伝え国分寺にあるボクシングジムへ連れて行ってもらうことに。

島川さんと日程を合わせ訪れた初めてのボクシングジム。
ワクワクとドキドキ。
いやむしろほとんどドキドキ。

建物の二階へ上がり扉を開けると、小さいながらもしっかりとしたリングのあるジム。
床は木張りでとても雰囲気が良い。

緊張とともにジムの中へ入り、会長、トレーナーへ挨拶を。

ひとまず挨拶とちょっとした見学で終わりと思いきや、まさかの流れでジムの練習生とスパーリングをすることに。(練習道具をしっかりと持っていってる真面目な青年でした。笑)

言われるがままにヘッドギアをしグローブを付けリングへ。

相手は少しなめてる感じ。

やってやるぜ。そんな気持ちでゴングが鳴る。
開始早々にコンタクトが吹っ飛びました。笑

これがスパーリングか!思ってたより全然うまくいかん!そしてしんど!!そんな気持ちでした。笑

全然パンチが当たんないのに、相手のパンチはどんどん当たる。
どうすればいいのかよく分かんないままに1Rが終了。スパーリングしんどい。笑


ラウンド間のインターバルは30秒。
しんどくて、苦しくて。そして何より悔しくて。

ただ、絶対にやり返したくて。
なめてる感じの目の前の相手をぶっ飛ばしたくて。

2R目、とにかく前に前に。
アドレナリン全開フルスロットルで前に前に。
ボクシングというよりはもう喧嘩。
そしたら少し、パンチが当たり出す。さらに前に前に。
一発もらったら二発三発打ち返して、歯を食い縛りながらとにかく前に前に。
すると、下がり出す相手。

やがて3分を終えると、苦しそうに意気消沈している相手。

必死に闘った初めてのスパーリング。
鼻血出るわコンタクト吹っ飛ぶわ最高のデビューでした。笑

ジムの帰り際、トレーナーの方から「また来いよ」の言葉。

予想外のスパーリングを経て近内の眠っていた野生の闘志に火が着き、「また来いよ」の言葉通りすぐに通いはじめた。


そこからは我武者羅に練習の日々へ。

毎日なかなかにしんどいけど、充実の日々でした。


そして少し経ってから、初日にスパーリングした相手となかなか会わないことに気づいてトレーナーに聞いてみると、あれから来てないとのこと。
あの日、上から目線で話しかけられてたからなんだか鼻高々でした(*´ω`*)


ジムに通いはじめて4、5ヶ月程経ち、真摯に教えてくれたトレーナーの佐々木さん、竹内さん。そして練習に付き合ってくれたジムメイトのお陰でプロテストを受けさせてもらえることに。


プロテスト当日は、サッカーパンツとよく分かんない変なシューズを履いてた。

練習してきたことを忠実に。
ただそれだけを考えてプロテストのリングへ。


相手と対峙し、ゴングが鳴る。



え?

相手はまさかのサウスポー。

サウスポー初体験の近内は内心焦る。

ひとまず、基本通りにジャブを放つ。



ん?

何か違う。
オーソドックスとは違う。

当たらない。
ジャブが全然当たらない。
なんか距離感が全然違う。


プロテストでは基本に重きをおいて見られるからまずはジャブから出すこと。
真面目なのでその言葉通りに徹底しようとしたら、ジャブが全然当たらない。笑


基本が大事だけど、さすがにパンチが当たらないのはまずいな。
どうしたもんかと悩みつつとにかくパンチを当てたくて苦し紛れに右ストレートを出したら、これが見事に当たる。

いやしかし、ジャブから出さないと。
そうは思いつつもジャブは当たらないからまた右ストレートを。

これがまた当たる。


そこで確信に至った。
右ストレートから出せば当たると。
近内は悩む。笑


1R目を若干戸惑いながら終えて2R目へ突入。
プロテストは2R。
このラスト1Rで決まる。


もう吹っ切れたので右ストレートを中心に組み立てて前に出る。
右は当たるからその右を頼りに攻めの姿勢で終始押し続け、相手をコーナーに追い込み連打を打ち込んだところでスパーリング終了。



しっかりと、手応えを感じた。
これなら大丈夫と。



それでもやはり、


合格通知は本当に嬉しかった。


自分にとっては大きな一歩。



そこでボクシングに一区切り。

そう思っていたけど、まさかまさかのプロのリングに、、、。



続く。


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