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39日日記

新しいiPhoneを買おうかと今週くらいから考えている。
今のⅩはもう4年使っているし、バッテリーが限界だし。
今度の連休で買いに行くか!と思ったら、以前に購入していたⅩのスマホケースが届いた。難儀やなぁ。


小学5年生になった時に、新しいクラスと新しい担任が発表された。
諏訪という男の担任のクラスだと知らされた時、目の前が真っ暗になった。
他の生徒の中からも悲鳴が上がっていた。

この諏訪という教師は、小学1年の時から問題になっている暴力教師だったのだ。前述した問題児の永井君は小1の時に諏訪のクラスで、相当ひどい暴力を受けていたと噂されていた、実際俺も廊下で永井君が諏訪に殴られている所を見たことがあり、諏訪のクラスだけは絶対なりたくないと思っていた。寄りにも寄ってこの諏訪のクラスに入れられてしまったのだから、絶望するのもわかってもらえるだろう。

初日こそ爽やかで優しい先生のように見えた。
「今日は天気もいいし、帰ったら自転車でも洗って過ごしたらいいよ」
教壇に立ってそう言った事を今もハッキリと覚えている。

教育熱心な先生だったともう、熱血教師なんて今では死語かも知れないが、昔はこの手の熱血教師が生徒や学校と正面から向きあう様なドラマも多かった。

こんな教師に憧れたのかどうかは知らないが、ドラマの中の熱血教師を現実世界でやろうとすると、暴力教師になってしまうらしい。
そりゃそうだ。シナリオなんか無いんだから。
問題は一時間では解決しないし、敵対していた生徒の親や、他の教師も最後はわかってくれて味方になるんなんて事もない。

俺は特段暴力を受けた事はなかったが、数人目をつけられた子がおり、その生徒たちに対しては本当にひどい仕打ちをしていた。
どのクラスにも勉強も運動も出来ない生徒がいる。
普通、そういう生徒にこそ、先生は手厚くフォローするものだと思うのだが、そうではなかった。

1度、なにかの課題を与えられ、その研究結果をクラスの前で発表させられたことがある。俺はどんな発表をしたか覚えてないが、その目をつけられている生徒の関口君がみんなの前で口を開いた。
「ガソリンの車はブーンと言う音がします。ディーゼルの車はジリジリという音がします。発表は以上です」
いくら小学生でも、あまりにやる気のない研究発表だった。

「それだけか!?」と驚いた先生は、やがて鬼の形相になり、「ふざけるなぁ!」と、手に持っていた道具一式を入れて普段から持ち運んでいたプラスチックのケースの角で関口君の顔を思いっきり殴った。
泣きながら鼻水と鼻血が混ざったグチャグチャの顔で立っている関口君。
日頃母親からの暴力に慣れていた俺でもドン引きする恐怖の光景だった。

問題は暴力だけではない。自分の思い通りに行かないと酷く落ち込んだりもする。1度は、朝から下校時間まで、机に突っ伏した状態で全く動かない時があった。もちろん授業などやらない。俺達生徒はどうしていいかわからずに、ただ席に座っていることしか出来なかった。
本当に辛い時間だった。
「今のお前たちにはわからないかも知れないが、大人になれば先生の気持ちがわかる」が口癖だったが、当時の諏訪先生の年齢を遥かに上回った歳になっても理解できない。

今に比べて、教師の立場が遥かに強い時代だったと思う。
問題を起こしたところで、広まる噂は限定的で、SNSで大炎上することもないし、夕方のニュースで取り上げられたりもしない。
あの頃は同じ様なひどい教師も大勢いたのだろう。

その点においては、少しはマシな時代になったのかも知れない。

小学校を卒業する直前、その諏訪先生が、中学に上がったらテニス部に入ると男はモテる。と言ったので中学生になってテニス部に入部した。
しかし、「キャプテン翼」のアニメ放送がその頃には開始されており、一大サッカーブームが訪れていたのであった。

挿絵多めでお届けしました。今日はこの辺で。


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