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問い掛け続け未来を掴む

 主婦からアントレプレナーへと自身を成長させた女性がいる。彼女は誰でもリーダーになれると信じ、ビジネスの世界に足を踏み入れて多くの成果を上げてきた。そんな彼女の口癖に「なんでですか?」というものがあり、ご一緒するたびにその言葉が彼女の未来に役立っていると感じたので、今回はその言葉の重要性を残しておこうと思う。

 この問いが持つ一つ目の力は、深掘り。主婦からビジネスの世界へと進出した時、彼女に求められたのは本質を理解すること。誰かに言われたことをするのではなく、なぜそれが求められるのか、なぜそのような仕組みになっているのかを理解した上で挑むこと。

 例えば、あるイベントでオレンジ色のパーカーを着用するよう求められた際「どうして着なくちゃいけないんですか?」と、着用を求める側としては、余計なことを言わないでほしいと感じる場面でさえ、一つ一つの質問を深く掘り下げることが、彼女の環境を変えてきた。

 この問いが持つ二つ目の力は、慣習打破。彼女は主婦からビジネスの世界に踏み込んだから、単純に問い続けたわけではない。前例に染まっていないからこそ、ビジネスの世界で理不尽に思えること、変えなくちゃいけないことに真正面から挑むことができた。

 例えばとあるイベントで着用するパーカーの色を決めることになった際「どうしてオレンジなんですか?オレンジ色を見たら元気になるって、決めつけていませんか?」と、オレンジ色をこれまで採用してきた側として、どうしてゼロベースで覆そうとするんだと思うことさえ、一つ一つ疑うことが、彼女の成長を促した。

 この問いが持つ三つ目の力は、共感。言われた通りのことをやってほしい、ただ従ってほしい、という受け身の姿勢を求める人にとって、ひたすら問い掛けられるのは心苦しいもの。けれども一緒に頭を使って一緒に最適解を求める仲間を求める人にとって、問いを自ら持てる人材は極めて貴重で、自分自身と同じ目線に立っていると感じてくれる。

 例えばとあるイベントでオレンジパーカーを作ることになった際、「そもそもパーカーを作る費用対効果、改めて考えてみません?」と自ら考え動く姿勢で見せることで、頼もしい仲間だとビジネスの世界で活躍する人に感じてもらえ、彼女の仲間を増やしてきた。

「なんでですか?」から始まる彼女の問い掛けは、ただの好奇心ではなく、理解を深め、慣習を打破し、共に歩むにふさわしい人材として評価される価値あるもの。「誰だって、できるんです。主婦だった私でも、できたんですから」と語る彼女の未来が、これからも輝き続けることを願っています。

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