安定して成果を出せる営業の人は、あえて効率を無視するってほんと?

結論、効率重視でやると、営業の成果は安定しない。

なぜか? 効率的にすればするほど今売れる顧客にしかいかなくなるからです。

 そのために、「ニーズ」と「営業余地」の組み合わせで考えます。まず言葉の定義です。
・「ニーズ」 顧客自身が「今」必要性を感じている
・「営業余地」 営業する側が、営業したら成果がでると思う顧客

1 ニーズある 営業余地ある
2 ニーズある 営業余地なし
3 ニーズなし 営業余地ある
4 ニーズなし 営業余地なし

 この4パターンになります。
 今回はこの中で一番大事なのか(そりゃ1ですけど)ではありません。
2と3の扱いをどうするかです。

 昨今の営業環境ですと、IS(インサイドセールス)での分業化やセールスフォースなどSFAが登場しています。これらで営業効率は上がったといえます。効率がよくなるのはよいことです。

 ただ、問題は効率を上げた結果、「今売れる」顧客は探しやすくなったが、「今売れる」顧客にしか行かなくなったことです。

 その結果、
・短期成果以外の顧客を落とすことになる
・「ニーズ」=今の需要なので、景気や担当顧客の状況で成果が乱高下する
・営業する人の「営業すべき顧客」への目利きが落ちる
・本来営業余地のあるはずの競合他社を使用している顧客(満足しているので「ニーズ」がない)を無視する
などなど

 つまり、さきほどの4パターンでいうと、2に営業をすることは容易になったが、3を捨てることになります。効率を追求すればするほどです。一部の営業する人は、効率よくなったことで営業量を増やす方向にいってます。ただそれは、本人の意思次第。しっかりKPI管理をしないと、結局1と2だけやってラクをする人が量産されるだけです。

 少しマネジャー側で話をしましたが、「ニーズがある客先だけ」で一日の営業が終わるときは逆に危機感を持っておいた方がよいです。なぜなら、営業余地を探したり、アプローチせずに、顧客自身が「今」必要性を感じている「ニーズ」に成果を依存しているからです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?