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北海道市町村の2015年と2020年の人口を比較してみた。

こんにちは、地方公務員の新家です。北海道猿払村に勤務しています。今日は、2020年国勢調査結果の中から、2015年との人口の比較に注目してみました。

北海道には179の市町村がありますが、2015年と2020年を比較するとわずか12の市町村が増という結果に。率にして7%ほど。いかに今、人口を維持することが難しいかを物語っています。

令和2年国勢調査人口速報集計 第1表より

それもそのはず、全国を見ても87万人あまり減少しています。そのうち、北海道は15万人ほどで、約17%を占めるという嬉しくない結果に。数字だけ見ると、人口減少の先進地とも言えそうです。

出生数を見ると、1970年には91,867人、1980年は75,526人、1990年は54,428人、2000年は46,780人、2010年には40,158人で死亡数が出生数を15,246人上回る結果に、2020年は29,523人と3万人台を切ってしまいました。

令和2年国勢調査人口速報集計 第1表より

日本全体で考えても、この後も人口の減少が引き続いていくことは明らかで、各市町村が生き残りをかけて、移住、関係人口、地方創生の名の下に各種施策を講じているわけです。ちなみに、猿払村は5年間で72人減少、2.6%の減少でした。北海道の減少の数値と近いですね。

5年間で人口が増となった12自治体とを改めて見ていくと、札幌市を除くと比較的小規模な自治体が名を連ねていて、人口上位10位の中からは、札幌市、江別市、千歳市の3つが入っているだけです。北海道第2、第3の都市の旭川市や函館市も減少しています。札幌近隣の都市も同様で、札幌に近いという理由だけでは、人口減少が止まらない状況です。

最も伸び率の高かった、占冠村や赤井川村、ニセコ町、留寿都村は人気観光地・大型リゾートを有している自治体です。

千歳市は、新千歳空港における国際線旅客ターミナルビルの供用開始や新たな商業施設の開業、市内工業団地への大手企業立地による多数の雇用創出などが要因として考えられています。 さらに、道内で平均年齢が最も若く、合計特殊出生率も全国、全道平均を上回っています。

東川町は、適疎というスタイルを提唱し、この四半世紀で人口が2割も増えました。おしゃれなカフェや雑貨店などが増え、若い世代が周辺から観光で訪れるようにもなっています。


一つずつの自治体を検証してみたいところですが、膨大な時間がかかりそうなので、そこはまた後日ということに。ただ、ここまで紹介してきた市町村で共通することは、まちの魅力雇用(起業)があることだと考えます。

まちの資源に魅力があるからこそ空港施設やリゾートが造成され、雇用が生まれ。更に魅力が高まるという好循環が生まれているのでしょう。

一方で、他の市町村が成功例を単純に真似てもうまくいくはずもあありません。自らの地域の売りや、まだ見ぬ資源の活用が求められます。

何も外からの移住者だけを求めるわけではありません。今住んでいる人にも、住み続けるという選択をしてもらう必要があります。

そのためには、やはり魅力ある雇用を維持すること、創出することに加え、起業したいというニーズにどのように応えていけるかということもポイントになってくると思います。

猿払村でも、新たな雇用創出を目指して新産業創造プロジェクト(施設園芸栽培調査研究事業)を立ち上げて2年目となります。地の利を生かし、魅力ある雇用や事業を生み出すことで、将来に渡って活気あるまちを持続させていくことが目的です。

人口が全てではないですが、まちの力を表す指標としてある程度意識したいところでもあります。人口が維持・増加するということは何かしらの要因があります。好事例をしっかりと参考とさせていただきつつ、自らの取組みをつくりあげるべく、挑戦していかなければなりません。12の自治体のことに、俄然興味がでてきましたし、伺ったことのないマチもあるので訪れてみたいものです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。また、次の記事でお会いしましょう。

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