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持ち家か賃貸か

永遠のテーマだと思う。古代の住宅システムについて僕は詳しくないけれど、おそらくこれはピラミッドが建設されていた頃から議論されていたと思う。ピラミッド建築作業員が「俺がオーナーならここを区分けにして賃貸にするプト」「いやいや、金持ちに丸ごと買わせるのが得策エジ!」と言い争っているのが耳を澄ませば聞こえてくる。持ち家か賃貸か、その答えは、実は既に出ているので発表する。

賃貸です。

経済的な面で、長期的に考えればそれはもう圧倒的に持ち家だ。家賃は食費と同じで生活コストになってしまうのに対して、持ち家になれば資産になる。内装も好き放題いじれるし、某U団地のように光回線の工事禁止などと意味不明なことも言われない。

ただぁ!近所にヤクザが住んでたらどうする?急に海外移住したくなったらどうする?死ぬまでここに住むのかと絶望感に苛まれたらどうする?
賃貸持ち家論争は、実はお金の話ではなく気持ちの問題なのだ。僕の場合、「いつでも逃げれる余裕」を持っておきたい。地面師みたいなことを言ってしまったが、実際にそうだ。敵や厄介ごとはいつやってくるか分からない。というか住み始めた時点でもうすでにいるかもしれない。

思い返せばリスク回避に勤しんできた人生であった。高校入試は落ちるのが怖くて、自分の学力よりも少し下の高校を受験した。サブスク系では、長期コースの方が単価が安くなるに決まっているのだがもちろん1ヶ月コースを選んでしまう。映画を見る時はトイレに備えて端の席を必ず選ぶ。飛行機も同じで、長時間フライトで窓側の席など考えられない。

そんな僕が一軒家など買えるわけがなかろう。渡辺篤史の建もの探訪に出演することを夢見た時期もあったけれど、あれに出れる人はそれこそピラミッドの頂点にいる人たちで、テイクリスクの鬼だ。僕はリスクというリスクから身を潜め、移住という移住を繰り返し、社会の影でこっそりと生きていくのだ。

サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。