天使と悪魔

矛盾まみれ

「人間は一貫していない」という当たり前の事実に気づくまでずいぶんかかる。でも人間はやはり一貫していないのだ。

みんなに愛されるヒーロー黄門様やアンパンマンは見た目も善人なら、中身も善人だ。親切で徳が高く、常に良いことしかしない。卑怯なことなんて何一つしない。単純明快で、一貫した分かりやすいキャラクターだ。

みんなに嫌われる悪代官は見た目も悪けりゃやることなすことすべて悪い。いい点なんて一つもない。これまた単純明快で一貫している。

でもこれらはフィクションだ。実際の人間はもっともっと複雑だ。カメラで射抜かれていないシーンが山ほど有る。

階段でおばあちゃんを助けるような親切なひとが、会社では部下の手柄を横取りする卑怯者である。でも家に帰ると娘に優しくていいパパをしている。募金箱に1000円札を入れたその手で誰かの金をパクったりする。
なんてことはザラだ。

人生という現場はもう矛盾だらけで、そこで生きる人間が「いいひと」なのか「悪いひと」なのかなどまったく決められない。

というより人間には善人も悪人もいない。聖女も娼婦もいない。白い部分と黒い部分が無限のグラデーションになってふらふらしている。

かと言ってそれがまた嫌なわけでもない。この気持ちは何なのかは分からないけど、どうしようもないので歌にしてみた。


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