定食屋のやばいおやじ
元気には適量がある。
むかしからそう思っている。元気すぎたらいいというわけではない。
そしてその量は結構シビアだったりする。『過ぎたるは及ばざるが如し』というが、元気過ぎててぶっ壊れてるとしか思えない人間がいた。
それがそこの定食屋のおやじだった。
身の回りにいるひとの中でも一番元気なひとだった。そんな元気な親父はある日失踪した。
どこかに行く前々から少し心配していた。
僕はその親父を心のなかで「及ばざる元気さを持つ親父」と命名し、その定食を食べてきた。それにしても凄まじい元気さだなと思いながら食べていた。
いつも心配ばかり的中して嫌になるが、これまたやはり的中した。書き置きだけ残して、親父は行方知らずになってしまった。
最近の疾走はLINEだけブチ込んで、断絶を図るってケースが相次ぐなか、真の一方通行感を感じる。
一概に失踪が悪いこととは言わないが、それがやむを得ない最後の手段だったのなら、やはり悲しい。
その店がこれからどうなるのかは分からない。
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