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看護男子 オンライン診療を考える③

今回も同様に、先日行われたメドレー様とGMO医療予約技術研究所様が提供していらオンライン診療のセミナーに参加して学んだことを共有したいと思います。このセミナーでは、「患者との接点づくり」を実現するための、予約システムやオンライン診療など多様化するツールの活用方法を徹底解説していくことを目的としていました。

セミナーは、                             ★患者に選ばれるクリニックとは?
★メドレー×GMOだからこそ伝えたい「患者との接点づくり」について
★他院との差別化を図るための「予約システム/オンライン診療」など各チャネルの活用事例紹介
★質疑応答  の順序で進んで行きました。

今までの「看護男子 オンライン診療を考える」では、クリニックにおける予約システム、オンライン診療について書いてきました。この記事では、病院におけるオンライン診療にまつわる電子カルテについて詳しく書いていきます。

※電子カルテの関わることとしてハード面とソフト面と大別できますが、今回はソフト面、つまり機能としての電子カルテについて考えいきたいと思います。

そもそも電子カルテの役割とはなんでしょうか。電子カルテの役割は、「患者さんにより質の高い医療を提供するため」に限ると思います。副次的に本目的以外の役割はあると思いますが、大きな目標としては患者さんとためだと考えています。この役割を見失ってしまうと、ただ単に紙カルテを電子カルテにすればよいというデジタル化だけにとどまってしまい、患者さんの価値提供に結びつくようなDX化にはならないので注意が必要です。

次に、電子カルテについて考えたいと思います。従来のカルテは、紙カルテを電子化し、保存できる状態にしたものが多いです。体温や血圧、検査などを保存でき、経過表を用いて見やすくしています。(下記参照)

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電子カルテの利点は、「保存性が高いこと」と「拡散性が高いこと」です。検査、手術、保険、家族構成、患者におきた出来事、治療など患者に関することがまとめられており、紙より検索しやすく、場所もとることなく多くの情報をまとめることできています。電子カルテは、その情報がインターネットを通じて拡散できるというのも特徴です。かつ、それがリアルタイムで共有で病院内だけではなくほかの病院機関でも共有が可能です。

病院における電子カルテの現状としては、「保存性が高いこと」と「拡散性が高いこと」の利点が活用できていない場面が多いです。「保存性が高いこと」ということは、情報が多量にあるという捉え方もでき、情報が多すぎて、患者がどのような状態かを把握することに時間が取られることがおおいです。病院のカルテの刷新やアップデートは、保守性を第一にしているため、行われることがすくなく、扱いにくいUIになっております。扱いにくいUIのため、カルテを扱うのに時間がかかり、その指導にも多くの時間が割かれます。

また「拡散性が高いこと」に関しては、電子カルテがクラウドの技術ではなく病院内のシステムにとどまっていることが多いため、外部と患者さんの情報をやり取りする場合は、紙で印刷して郵送か、患者の手渡しでやり取りをしています。まさに、病院内での電子カルテの現状としては、導入してはいるもののその利便性を十分に発揮できていない状態です。

病院における電子カルテの展望としては、「双方向化」「共有化」がメインに変化していくと思います。AIの技術により、多くのデータを用いて、予測することが可能になりました。

このAI技術によって保存するのみで一方的なカルテは、疾患の予測をしたり、入力補助をしたりと医師や看護師などの医療職者との双方的な電子カルテに変化してくると思います。例に株式会社Ubieでは「AI問診ユビー」の提供を2018年に開始しています。「AI問診ユビー」は、タブレットを活用して問診し、AIが個別化した質問に患者が回答すると専門的な文章に翻訳された形で医者へ届けられるサービスです。このように、AIとが医療者側に提案するようカルテが出てきています。

「共有化」に関しては、医療情報システムをクラウド化することによってさらに共有化がすすみます。今までは、病院機関内だけでの情報共有でしたが、病院に加え、薬局、患者さんまでも自分の情報を共有に変化していきます。例に株式会社メドレーでは、クラウド型電子カルテ「CLINICS」は、オンライン診療も実施可能なカルテで、予約・受付・診察・会計事務まで医療機関と患者がスムーズにつながるカルテを実現しています。このように、場所を取られずに共有化ができるカルテがでてきています。

まとめ。病院の電子カルテの現状は、「保存性が高いこと」と「拡散性が高いこと」の利点が活用できていないことがおおいです。IT知識の欠如などの知識面、変化への恐れなどの精神面など課題が多く残っています。電子カルテの展望は、「双方向化」「共有化」がより進んでいき、よりシームレスでスムーズな電子カルテが実現していくと思います。この電子カルテの変化によって本来の目的である「患者さんにより質の高い医療を提供するため」の実現につながると考えております。

ここまでご拝読ありがとうございます。これからも皆様と一緒に新しい医療を作っていきたいと思っております。

参考

メドレー CLINICS
デジタルヘルストレンド2021: 「医療4.0」時代に向けた100社の取り組み 加藤浩晃著 
GMO メディカル革命





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