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熱すぎて、もっと欲しくなる一冊

熱い漢の話は好きですか?

私は大好きです。

日常では、口論している人を見たり、大声を出す人を見るのも苦手ですが、
熱くて、熱苦しい漢は大好きです。

そんな本を読んだお話です。


きっかけはTBSラジオ。


前職の時から、ラジオを聞き始めました。

ちょうど夜勤が始まるあたりで流れていたのが、『問わず語りの松之丞』。
現在の神田伯山さんのラジオでした。


圧倒的な悪口(笑)、喋りの熱量に、
たちまちリスナーとなっていました。

転職して、昼間の仕事に就いた後も、
ポッドキャストでちょくちょく聞いていたところ、


夢枕獏さんと対談をした、という回が流れてきました。


夢枕獏…

登山大好きの私には、『神々の山嶺』を生み出した天才であり、強い漢だらけの漫画、『餓狼伝』の原作者。

とは知っていましたが、他の作品にはまだ触れたことがありませんでした。

その対談の前に、伯山さんが読んだのが、
東天の獅子』だったとのこと。


熱い漢が溢れてすぎて、みんな主人公?

伯山さん曰く、
「前書きの自画自賛ぶりが凄い」

聞いた時には、
まさかそこまで書かないだろうな、、
伯山さんの脚色でしょ?
と、思ったのですが、

…本当に書いてました笑

この話を初めて読めるあなたが羨ましい

自分の書いた作品をここまで激奨している
前書きを未だ見たことがないです。

そして、その前書きに違わず、
読む手が止まらない面白さでした。  


とにかく強い漢ばかりが、
入れ替わり立ち替わり登場。

余分な色恋全くなし。

ただただ闘う。ぶつかり合う。

読みながら、こりゃ餓狼伝だな…
と思っていたら、同時期に餓狼伝も書いたり、休んだりしていた模様。

全4巻のうち、主人公だったはずの
嘉納治五郎が目立ったのは1巻のみ。

あとはもう、
「みんな主人公級だから、
 それぞれのストーリーがあるんだ!」
と言わんばかりに、違う漢同士が闘い、
もがき、吼える。

熱い、熱すぎて、今思い出すだけでも、
体温が上がります笑


ないのに、先が知りたくなる不思議。


あっという間に読み切ってしまったので、
終わった後はなんとも言えない
脱力感がありました。

これで、終わりなのか?

実はまだ書いてるんじゃないのか?

そうだ、まさかこれで終わるはずがない。

全4巻、と事前に知っていたはずなのに、
Google検索で続編を探す自分がいました。

「ないのか、、あぁ、本当に終わっちゃったのか。」

こういうなんとも言えない最後を迎えた時、
決まって頭に浮かぶのは、

同じ夢枕獏作品の『神々の山嶺』で、
カメラマン深町が夢の中で、星空のもと、
登っていくクライマーに声をかけるシーン。

「おい、行くな。俺を置いていく。
 俺も連れて行ってくれ!」

この後読んだ、
『沙門空海 唐の国の鬼と宴す』
も圧倒的な面白さだったのですが、
それはまたの機会に…


では、この辺で。

最後まで読んで頂き有難うございました。







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