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なぜ学校の成績が良くても成功しないのか?ー学校では教えてくれない優等生の悲劇

こんにちは。

オンラインラーニング・コンサルタントの佐藤です。

今回は、以前私が受講したデューク大学の教育についての講座などをもとに、これからの社会で必要な力をご紹介していきます。


【成績が良くても成功しない】

学校での成績はよかったのに、社会に出たらうまくいかない。

クローズアップされることはないですが、実はこのような人は多いのです。

そしてこれは日本に限った話ではなく世界中にある話です。特に、これからはこんな話がさらに増えてくることでしょう。

なぜそんなことが起こるかといえば、理由は単純。学校で評価される内容とビジネス現場で評価される内容が違っていることが多いからです。

完全に違うわけではないですが、学校でうまくやること『だけ』を考えて行動してきた人は特にこのギャップ苦しむことになるでしょう。


今回の記事は私が以前修了したデューク大学のオンラインコースから学んだ内容などをもとに、学校と社会のギャップについてお伝えします。

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デューク大学

コースを担当されたのは、デューク大学のキャシー・デイビッドソン教授です。

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現代社会を的確に表した下の研究で有名ですね。

2011年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就くだろう。ーキャシー・デイビッドソン

世界が急速に変化して新しい職業が生まれたり、これまでの職業が消えたりしていく中で、教育をどう変えるべきか?それがこのコースのテーマです。


【19世紀の学校】

18世紀半ば~19世紀頃に起きた産業革命では、「決まったことを決まった通りにこなす工場労働者」を育てるために教育制度がデザインされました。

そしてこの教育制度は多少形を変えながらも、今でも世界中で受け継がれています。

下の写真は最近の学校の教室と、産業革命の頃の工場の様子です。机が一直線に並んでいる様子がそっくりですね。

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そもそも教室のレイアウトは工場をモデルにして作られたものだから,、似ていて当然なんです。

さらに、最近の多くの会社のオフィスもそっくりのレイアウトをしています。

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本当はこのレイアウトは効率が落ちるのでやめた方が良いですが、しばらく変わることはないでしょう。


そして産業革命の頃の教室では、みんな一緒に同じ授業を受け、同じ内容を勉強し、同じテストを受けます。

テストは答えが決まっていて、そこから外れると「間違い」とみなされます。そして「正しく」答えられるように勉強することを求められます。

このようにみんなで一緒にひとつの正しい答えに向けて行動できるようにする方法は、19世紀に工場で働く人を育成するために作られた仕組みです。

今は変わっているでしょうか?


【みんな一緒に学びましょう】

そして学校では一般的に学ぶ内容を数学・国語・理科・社会などの科目ごとに分け、それぞれに時間を割り振り、時間が来たらそこでやめて次の科目に移ります。

9時ー10時は数学
10時ー11時は社会
11時ー12時は国語

というような感じですね。

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たとえ生徒が数学が大好きでいつまでもやっていたいと思ったとしても、あるいは数学がまったくわからずみんなについていけなかったとしても、それとは関係なくみんな同じ内容を同じペースで進んでいきます。

他の人と違うことをしてはダメなんです。

そんなことをしたら先生から指導され、みんなと同じことをするように「直されて」いきます。

これを「教育の標準化」と言いますね。

個人の違いを受入れると教育の「効率」が落ちるので、工場と同じように生産性を高めるために、効率重視で進むわけです。


【時代に合わせて変えていく】

私たちはこのようなやり方を「当たり前」のものとして受け入れています。

しかし、産業革命の頃に工場労働者を育てるために作られたこのやり方が、本当に今の時代に合っているのでしょうか?

もし、教育という時代を担う人を育てるための方法が、時代に合わないとなればそれは大きな問題です。

だからこそ、その良い部分は残しながらも時代に合わせて変えていく必要があるんです。

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自由な学びを実現する

スタンフォード大学dスクール


【人と違うことを評価する】

生徒たちは一人ひとり違った知識や経験を持っていて、違った価値観を持ち違った強みを持っています。

そのような人たちを一つのモノサシだけで評価しようとすると、モノサシでは測れない力は評価されないことになってしまいます。

たとえば人と仲良くなることが得意で、一緒にいる人に元気を与えたり楽しませたりできる人でも、英単語テストの点数は低いかもしれません。

だからといって、その人が点数の高い人よりも人間的に劣っているわけではないですね。

むしろそのような人の方が、社会で活躍できる場合も多いでしょう。

ただ単にテストという一つのモノサシでは力が測れないというだけで、力がないわけではないんです。

一つのモノサシによる画一的評価は一見公平のように見えますが、実はまったく公平ではないんです。

どうしたって人間には得意なことや不得意なことがあるので、不得意なことをがんばってもうまくいくまでに時間がかかり上達もしにくいですね。

不得意なことが少なく満遍なくいろいろできる人を作るよりも、それぞれの違いを認めてそれぞれ違った強みを伸ばしてあげた方が将来の役に立つ場合が多いのです。

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人とは違う独自の価値を創り続ける

マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ


【人生100年時代】

得意なことへの集中は、これからの世界では特に重要となるでしょう。

現代は人々が長生きするようになって、100歳まで生きる人が珍しくなくなります。

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ライフシフト 100年時代の人生戦略

そうすると、今までのように学校で勉強して、卒業して、就職して、60代で退職してあとは年金暮らし。もうこんな時代ではないのです。

60代で引退しても、多く人はその後数十年も生活できるほどの資産を持ってはいないでしょう。年金を当てにしてはいけません。

つまり、もっと長く働き続けなければ生活できないということですね。70代や80代まで働き続けることは、決して珍しくなくなるでしょう。

20代前半までに学校で学んだ知識だけでそこまで通用することはありません。その後にずっと学び続けなければ社会で通用しなくなるのです。

特に、変化の激しい現代では知識のアップデートが早いので、学んだ知識がすぐに使い物にならなくなることも多いでしょう。知識やスキルがAIに代わられることもあるでしょう。

「学び続ける」ことは人生100年時代に「絶対に必要なこと」なのです。なかでも、本当に大切なのは「自分にしかない強み」です。


【その他大勢から抜け出す秘訣】

人と同じようなことをして、人と同じような結果を出すだけなら、それは他の人で代用可能です。

市場価値は需要と供給で決まるので、他の誰でもできることしかできなければ「その他大勢」に埋もれてその人の市場価値は下がり、収入も下がります。

これは経済の基本原則なので、今後も変わることはないでしょう。

だからこそ、自分の強み、自分にしかできないことを磨いていく必要があるんです。

でも、たった一つのことだけが強みでは他の人とあまり変わりません。

複数の得意分野を持って、それらを組み合わせることで「自分だけの強み」を作る必要があるんです。

たとえばNewsPicksの佐々木紀彦さんは、東洋経済新聞社で記者を経験し、NewsPicskでは編集者を経験し、さらにNewsPicksのマネタイズというビジネス開拓にも関わっています。

「記者×編集者×ビジネス開拓」という3足のワラジは、他の人では真似しにくい非常に大きな強みなんです。

優秀な記者や編集者はたくさんいても、ビジネス開拓までできる人はほとんどいません。

だから成功しているんです。

まずは副業(複業)からで良いので複数のことを経験して、自分にしかできない強みを作ってていくことが100年時代を楽しく生きるために大切なことなんですね。


【自己紹介】


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