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住まいの「屋根」を問う~屋根の機能を満たさねば屋根にあらず

こんにちは!

建築コンサルタントのtakumiです。


屋根って、いいですよね。

私は「屋根」が好きなんですよ。

日本の建築の美しさって、屋根にあると言っても過言ではないと思います。

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寺社建築なんかの歴史的建造物って、屋根がとっても主張してます。

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↑↑↑こちらは東大寺大仏殿


私の好きな建築家に、内藤廣さんがおられます。大先生ですよね。

内藤廣さんの作品は、屋根がしっかり主張していて好きなんですね。

こちらは鳥取県芸術文化センター。↓↓↓

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「引用元」http://www.naitoaa.co.jp/090701/works/top/top.html

きれいな軒のラインですよね。

屋根が大きいと、重たいイメージもあって、敬遠する人もおられますが、私的には、屋根はやっぱり軒の出をしっかり出して、大いに主張しているものが「キレイ」に見えます。

中でも、平屋の屋根は「屋根の見せどころ」ですよ。

間取り診断をさせて頂くお客さんの中にも、平屋を計画されている方も多くおられますが、いつも、

「羨ましい」

と思ってしまいます。


今回はそんな屋根の「機能性」のお話です。

屋根の「教科書的」ブログ記事もよろしければどうぞ↓↓↓(私の家づくりサイトの記事です)

軒の出についての記事はこちら

屋根の品質についての記事はこちら


◆屋根の機能性

屋根の機能性って、

・雨風を凌ぐ(雪も) 

・外部の眩しさや熱を遮る

このふたつが大きいですよね。

特に、「雨」

そう、雨漏りしたら元も子もない。

屋根は雨を凌いでなんぼのもんなのです


しかし、最近の外観デザインの多くは「スッキリ」がお好きで、軒の出がない「軒ゼロ」スタイルが主流。

もしくは、「片流れ屋根」のシャープなデザイン。

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デザインとしては、好みは人それぞれ。どの形が良いとか悪いとか、そういうものではありません。

ただ、「軒ゼロ」と「片流れ」は、雨漏りリスクが上がります。

もうひとつ、「ルーフバルコニー」も入れると、三大雨漏り要因の出来上がりです。

◆屋根の基本はどんなものか?

基本ですが、雨漏りのしにくい屋根は

・しっかりした勾配
・家全体にすっぽりと被せる(傘のように)
・屋根に谷がない

これらに合う代表的な屋根のひとつは寄棟屋根(よせむねやね)↓↓↓

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そして、切妻屋根(きりつまやね)↓↓↓もそうです。

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なので、ここから外れる形は、それだけ「雨漏りリスク」が高くなることを肝に銘じて進むべし、ということ。

というのも、雨漏りのリスクが高いから、すぐさま雨漏りするわけじゃない。

そこには「しっかりした雨仕舞い」があります。雨仕舞いとは、雨が入ってこないように入念に計画して施工してもらうこと。

これがどこまで緻密にできるか。

「当たり前じゃないの?」と思われる方、瑕疵の中でも雨漏りはダントツで高いのです。

◆流行りの形に技術は追いついていない

建築の世界では「雨漏り」というのは、昔からつきまとう、「情けな~い」欠陥なのですが、実は、現代においても、雨漏りへの対策というのはたいして進化はしていません。

それどころか、屋根は勾配が緩くなり、形も「傘のようにすっぽり」ではなくなってきています。

そう、技術面はたいして進化していないのに、雨漏りしやすい形にしているという、滑稽な現象が起きています。


なぜか?

理由は、勾配を緩くする、軒の出を無くす、棟(屋根の勾配の変わり目)を無くす(すっぽり傘ではない)、

これらを無くすとシンプルな形になり、ローコスト化できるからです。

ローコスト住宅の流れによる、シンプルなデザインの普及で、雨漏りのリスクのある形が流行しているということです。


軒がなく屋根の存在感がないキュービックの家が、心底好きであれば、それは仕方がないことです。

思う存分、雨漏り対策をしてもらい、その形で建てればよいと思うのです。

しかし、「安さ」のために雨漏りのリスクを取るのはどうなんでしょう。

30坪を1000万そこそこで建てられる家もありますから、そういう仕様もアリなんでしょうけども、、、

必要な品質を下げて、コストダウンしている訳ですから。

   屋根のデザインと機能性、

   そして、コストとの関係性、

正解はありませんが、雨漏りしにくい形で美しい屋根を設けて、それに見合ったコストで建てる。

そうできれば、最高だと思います。


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