【詩】鈍い臭いを覚えてる
ゲレンデで喧嘩をした
喧嘩というより、殴られた
頭とか腹とかを殴られたことはあったけど
顔を真正面からグーで殴られたのは初めてだった
斜面を後ろ向きにゴロゴロゴロゴロ転がり落ちて
どっちが上だか前だかよくわかんなくなって
ようやく雪に手を突いて、さっきまでいた場所を見上げる
正確にはここで気付く
あ、殴られたのか
で、落ちたのか
鼻の付け根にジンジンと鈍い感覚
勝ち誇ったあいつの顔ときたら
絶対殴り返してやる そこで待ってろ
って叫びたいんだけど
喉が勝手に嗚咽に変換し