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カナダの教育についてよく聞かれる質問に答えてみました!

こんにちは、カナダ、バンクーバーの公立高校で数学教師をしている梅木卓也です。今日はカナダの教育についてのウェビナーでよく聞かれた質問について書いてみたいと思います。

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カナダの教育は州管轄って本当ですか?

はい。これは本当です。カナダの教育は州の政府の管轄です。内容の詰め込みからスキルやコンピテンシーを重視する生徒主体の教育へと転換している僕の住んでいるBC州。

すぐとなりのアルバータ州では、逆行する内容の詰め込みや、多文化への配慮にかける白人中心なカリキュラムへと舵を切ろうとしています。

当然この流れは教育界では逆行したものなのでカナダ中から批判をかってます。(笑)

一方で、原住民の教育またそれにともなう支出は国の管轄になってます。

1クラスの上限は?

僕の住んでいるBC州では、1クラスの上限は学年によって違います。小学校1年から3年にあたる学年は24人まで。4年生から高校3年にあたる学年までは30人となっています。

クラスの人数は基本的に障害を持った生徒の障害の程度にあわせてかわります。よりサポートが必要な生徒がクラス内にいればいるほど、上限はさがります。

ちなみに州ごとにこれも違って、アルバータ、サスカチュワン、PEIなどの州ではクラスの上限はありません。

カナダのインクルーシブ教育の現状は?

僕の住んでいるBC州の小学校ではほぼ完全なインクルーシブ教育になっています。生徒の障害の度合いに関係なく、ほぼすべての生徒が一般のクラスに参加できるかぎり参加しています。ですので、障害児ようの特別クラスや、特別な学校は存在しません。

生徒の障害によっては、一対一や一対数人で養護教員がつきます。こちらでは教育アシスタント(Educational Assistant)とよばれています。基本的にクラスの先生の指示のもと、担当の生徒をサポートする仕事です。

各生徒にIEPという個人個人にあわせた教育プランが作られ、それをもとにどのようにサポートするかを先生とともに考えます。

こちらでの高校にあたるグレイド7以降は、いまだ完全なインクルーシブ教育ではありません。軽度の学習障害や行動障害の生徒は一般のクラスに入っています。しかし重度の自閉症などの生徒は特別なクラスで学習を進めながら、家庭科や体育のクラスに参加するなどの試行錯誤がなされています。

移民の生徒をどのようにサポートしていますか?

移民大国のカナダ。クラス内には、白人だけではなく原住民の生徒もいれば、中国系、東南アジア系、中東からインド、アフリカから南米とさまざまな国のルーツをもつ生徒がいます。

何世にもわたってカナダ人として育った生徒もいれば、移民や難民として英語がまだたどたどしい生徒もたくさんいます。

さまざまな人種の生徒がいて学びを進めていくことは簡単ではありません。基本的なBC州の方針としてはUDL(ユニバーサルデザイン)がとられています。

これはできるだけ多くの生徒に学びの機会をとどけるために考えられた教え方のひとつです。それぞれの生徒の脳や言語の発達に考慮して、教えるステップをより細かくしたり、説明を簡素化、明瞭化したりします。また英語のつづり間違いによる減点をなくしたり、テストの時間をのばしてあげたりすることで、英語がたどたどしい生徒だけでなく、すべての生徒が学びを深めることができます。

教師の仕事量は?

個人主義の国カナダにおいて、仕事とプライベートははっきり分かれています。つまり仕事はあくまで仕事。自分や家族の時間はそれ以上に大切にされています。

先生になりたての最初の数年をのぞけば、基本的にすべての先生が勤務時間内に仕事を終わらせようとしています。こちらの高校は朝の8:30から始まり、3:00ごろに終わります。

僕の現在勤めている学校ではおよそ4:00までには、ほとんどの先生が帰途につかれます。

学校業務や部活なども完全ボランティア制です。部活は基本生徒主導で、部活運営のために先生をスポンサーにする(担当者にする)ことが必須です。生徒からスポンサーになってくれないかと頼まれることはあっても強制力は全くありません。

冬休み、春休みは2週間ずつ。夏休みは2か月。このあいだ自主的に学んだり、授業の準備をする先生はたくさんいると思いますが、学校に来る必要はまったくありません。なのでこの期間ぼくはコーヒーショップで授業の準備とかしたりします。

有給休暇にあたるシックデイ。おもに体調のすぐれないときに使う有給休暇が毎年15日ほど与えられます。その年に残った日数は次の年にもちこされます。

休む日のレッスンプランを書いたり、どの非常勤の先生がくるかによって思いのほか授業が進まないことも多々ありますが、基本的にいつでも休めます。親になったぼくとしては、子供がまだ小さく急に病院に行くことなどもあります。そういうときこの制度をつかっています。

つまり、働きたい人は、自分の興味のある教育の分野でどんどん学びを深め、授業の質を高めます。子供や親の介護であまり時間のない人は、時間内だけ働く。そんなどのような状況の先生でも働ける環境になっています。

まとめ

ウェビナーなどでよく聞かれる質問をつらつらと書いてみました。もっとこの点について知りたいとか、カナダの教育のこんなことが知りたいとかあればどんどん連絡してください。これからも頃合いをみて、書いてみたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。




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