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光の基本的なお話

 こんにちは。暑い日が続いていて、日差しもギラギラして夏を感じるようになりましたね。

 ん?光がギラギラ?ギラギラってどんな光?
今日はそんな皆さんが直感的に感じている光についての基本的なお話です。既に私の毎月書いているnoteを読んでくださっている方には「知ってるよ!」という方もいるかも思いますが、これからライティングについて1から勉強しようという方向けに書きますね。なので、こちらはいつもの定期マガジンとは別に無料公開です。

 ライティングについて勉強する前にこれがわかっているととても良いかと思います。 そして日々の生活の中でもきっと光を今までとは違った見方をしてより写真ライフが楽しくなること間違いなし!だといいな。


◇光の表現

 ストロボの光に限らず普段私たちは日常生活でも無意識に光を言葉で表現していますよね。例えば最初に書いたように
「今日は日差しがギラギラしてるね」
とか
「どんより薄暗くなってきたね」
とか。

 その「ギラギラ」とか「どんより」とかと言う言葉を私たちフォトグラファーは光が

「硬い」とか「柔らかい」

 といった表現を使います。
硬い光と柔らかい光は慣れればすぐわかるのですが、最初のうちは意外と分からなかったりします。見分け方としては影を見ましょう。影の輪郭がくっきりしていたら硬い光、影が見えなかったりぼんやりしていたら柔らかい光と思ってOKです。

硬い光=影がくっきり出る夏の日差しのような光柔らかい光=曇りの日のような影があまりでない光

 また、オレンジ色に染まった空を見て
「だいぶ夕方になってきたね」
とか私たちは光の色で時間帯を感じることができます。1日のうちに朝と昼と夕方とでは光の色が違うことを無意識に知っています。
私たちフォトグラファーはそれを

「色温度が高い、低い」

 という言葉で表現します。色温度は5000K(ケルビン)や2500Kというように数字で表すことができます。昼間の太陽はおよそ5500くらいと言われています。数字が小さくなると(低くなると)オレンジに。大きくなると(高くなると)ブルーになります。

色温度が低い=オレンジよりの光色温度が高い=ブルーよりの光

あくまでも相対値で写るので、カメラ設定としては逆になります。つまり正しいホワイトバランスで撮りたい場合、朝や夕方の色温度が低い光のときにはカメラの色温度を低くします

◇そこから感じるものは何か

 すでに光の色や硬さから季節や、時間帯を感じていたように私たちの生活は光によって時間の流れを感じたりします。

 同時に硬い光からは強いイメージ。柔らかい光からは優しいイメージを受けます。きっとそれは夏のギラギラした光から強さを感じたり、日曜日の朝、レースのカーテンごしに入ってくる柔らかい光に優しさを感じたりするからかもしれません。

 ライティングはそんな光をストロボで再現する技術です。強いイメージや優しいイメージ、あの時間帯のイメージなど、表現したいものにあわせてライトを組めたら素敵ですよね。疑似的な太陽を作り上げる技術がライティングの基本だと思っています。

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 これは夕方の光をライティングで再現しました。この日は曇っていて夕方には暗くなってしまいましたが、ライティングで太陽を作っています。色温度と光の硬さ、あとはライトの高さを意識することで夕方の太陽をイメージしました。

◇光の特性を知ろう!

 今回のnoteの本題はここから!ではみんなが使うことのできるストロボでどうしたら色々な種類の光を作ることができるのでしょう。

 そのためには光の特性を知る必要があります。

 それは、、、
有料noteならきっとここから有料です。とかなってフラストレーション溜まるところです。

 本題に戻ります。いきなり核心です。

被写体から光源が離れるほど光は硬く、近づくほど柔らかくなります

 すごく大事なことなので太字にしてみました。
これが全てと言ってもいいくらい。
でも、「あれ?」と思った方いませんか「光が近づくと強くなるし硬くなるんじゃない?」って。

 最初多くの人が引っかかるポイントです。確かに光は近づくと強くなります。でも硬さは柔らかくなるのです。

 近づくと柔らかくなるというのは、近づくとライトのサイズはモデルから見て大きくなります。つまり面光源。

 逆に離れるとライトはどんどん小さくなります。これを点光源といいます。

面光源は柔らかく、点光源は硬い光になります。

 例えばこのライティング。グレーの背景紙は幅が2メートルです。

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 左側にあるライトはオクタライトというライトですがとても大きい面光源ですよね。そして背景紙のすぐそばに置いてあります。このようなライティングは光が柔らかくなります。光の強さはライトで調節します。

 なので、ライトの位置は強さを基準にするのではなく、硬さを基準にして決めます。

 逆に、このライト。

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 左奥に小さくライトがあるの分かりますか?右の壁の前にモデルが立つ予定です。ライトの大きさも小さく、さらに距離も離れています。
このような点光源は影がくっきり出ます。

 このようにライトの距離を調節することで光の質感をコントロールします。

◇まとめ

 以上が簡単な光の特性です。そしてこのライトに色々なアクセサリーと呼ばれるアイテムをつけたり、いくつも配置したりすることによってイメージした世界を作り上げます。

 私がマガジンで定期的に書いているnoteでは仕事の実例を元にどんなライティングをしたか、そしてなぜそのライティングにしたかということを写真や図を元に解説しています。

 ライティングに正解はありませんし、そのバリエーションも人それぞれです。私もまだまだ光の奥深さを探求中です。なので私のnoteが全てではありません。それでもいちカメラマンの撮影の裏側を覗き見る気分で読んでもらえたら嬉しいです。




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