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【要約・感想】フードインク

たべもの アンダー ザ グラウンド

映画「フードインク

🐄🐄🐄

たくま(@takumagr)です。最近、好きな人に野菜をあげることがブームです。実はいま、以前からお世話になっている親方農家さんから野菜をいただいているのですが、家でただ消費するにはさみしいなーって感じていて。


それならいっそ、一緒にご飯を作ったり、だれかに振る舞ったよー!って話を聴こうと時折あげることにしました。というより、僕が好きなもので喜んでもらえるのが本当嬉しいんですよね。。生産の過程を知っているからこそ伝わると自分ごとのように嬉しくなります。

さて、今回の「フードインク」。この映画は食の工業化へのヘイトです。というより、てかよくこんなの上映できるな...ってくらいです。

英語音声なので、字幕を忘れずに!

日本への配給はアンプラグドというコンテンツ会社が行なっています。他作品の「地球にやさしい生活(下動画)」はゴミを極限まで減らして生活したらどうなるかってある家族が行なった実験の一部始終を収めた映画で、

こちら「あまくない砂糖の話(下動画)」は、闇深い砂糖業界に切り込んでいくドキュメンタリーです。実は知らないうちに体に溜まった砂糖は、その依存性質でみんな中毒ってるぜとまたボロクソに言う映画です。

これら以外の作品もここまでする..?って力量のドキュメンタリーになっているのでおすすめです。

実は、僕とこの映画の出会いは4年前。
僕に農業を教えてくれた師匠農家に「マジでこれ見たほうがええで」って見せてもらったことから始まります。メッセージの強さに泡を吹き、思わずBOOKOFFで中古盤を買っちゃいました。最近はamazon primeでも見返しています。盤買ったのは後悔してないです、ホント。高かったけど。

この映画は、2008年にロバート・ケリー監督によって制作されました。この作品、かのマイケルムーア監督を抜いてアカデミー賞長編ドキュメンタリ部門にノミネートしてるんです。やばい。 主演のエリック・シューロサ作家としてもファーストフード業界の陰謀を暴いてきた人。あまりある彼の熱量に圧倒されます。

「食品業界は真実を隠したいんだ。知ると食欲が失せるからね。」

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この作品の流れとしては、具体的に三つの大きな対比に要約されます。

1.企業傘下の養鶏家と、小規模な養鶏家
2.畜産に関わる資本家と、労働者
3.種子企業と、農家

1.企業傘下の養鶏家と、小規模な養鶏家

大企業の運営のもとでは、より効率的に稼げることを優先されます。鶏も品種改良されて短期間で大きく成長する品種が開発されました。

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引用:FOODINC

胸が急激に大きくなるために、自重を支えられずに倒れる個体も。もう自然界では生きていけないようなブロイラー鶏。

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引用:FOODINC

この取材、実はほとんどの養鶏家(というよりバックの大企業)に断られているんですけど、唯一応じてくれた彼女は、かつて運営元に逆らったために契約を切られてしまいました。設備投資のため、背負った借金を返済するため「文句が言えない」不法移民を雇用。平飼いの養鶏小屋だと、鶏の死骸と糞が溜まってかなり臭うんです。もし鶏がびっくりしてバタバタしちゃったら、埃が舞うしでマスクと作業服なしではキツいです。だから鶏が寝てる深夜1時頃に、処理場に持っていくためのトラックに積み込んだりとかなりの重労働。

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引用:FOODINC

グラム49円の胸肉の裏側ってこうなってるんですね。


「まさか、全ての食べ物の源流を追ってたどり着いたのが、
アイオワ州のコーン畑だなんてね。」

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2.畜産に関わる資本家と、労働者

そして場面は変わってコーン畑へ。「生産過剰だよ。」と漏らすのは米コーン生産者協会副会長。本作で語られるコーン生産の背景はこんな感じ。

農業保護として補助金を出す→
穀物メジャーが安く買う→
コーンの使い道を開発→...

そして魚や牛の飼料だけでなく、コーンシロップとして食品にも含まれるように。もうなんでもとうもろこし。

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引用:FOODINC

しかし、もともと草を食んでいた牛がコーンの多い飼料を食べ続けたらどうなるだろうか。大腸菌がO-157に突然変異した背景はそこにある。

2008年、日本でもO-157による集団食中毒事件が起きました。当時は、被害者が一様に口にしていたカイワレ大根に問題があるとされました。カイワレが槍玉に挙げられ、抗議するカイワレ農家。煽るマスコミ。会見でカイワレを貪る菅厚労相。カイワレ地獄絵図です。事件は最高裁まで持ち込まれ、カイワレ農家への風評被害に対する賠償金2000万円強の支払いで幕を閉じました。カイワレではなく、家畜糞に混ざっていたO-157が真犯人だったと広まるのはもう少しあとなのですが、この事件をきっかけに日本に異常なほどの「抗菌」意識が広がりました。

「農業をやりたきゃ、モンサントと寝ろ。」

🐄🐄🐄

3.種子企業と、農家

さて、次は遺伝子組み換え作物と農家の話。

これを読んでいるあなたなら、モンサント社のことはご存知でしょう。ドイツのバイエル社に約7兆円で買収され、社名がなくなった現在でもモンサントが開発したこれらは恐れられています。遺伝子組み替えのデータが捏造されていたり、安全性の確認が不十分だったりするからです。また、当社は開発した種子の特許権をもち、農家が自家採種することを禁止しています。もしそうしたならば、どこからかモンサント社員がやってきて訴えられるとのこと。(本作より)

古くから使っている種採り機が動いているのを見られただけでブラックリストに。地元で有力な農民を潰せば、他の農民も怯えるからです。そして農家は自家採種ができなくなり、種を買い続けることになります。

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引用:FOODINC

しかし、そんなモンサントが揺るぐ事態が。

"除草剤で末期がんに、
米裁判 モンサントに約320億円の支払い命じる陪審評決"(本文)

これは、当社がラウンドアップによる被害を認めた事件です。

インドでは、当社に訴えられたために経済的に困窮した農家がラウンドアップを飲んで自死していて。南米をはじめとして多くの国でデモ運動が起こっていて。やっっと実を結んだ、ように思います。すごいよ、草の根運動!!

モンサントの話を書くと長くなるので、また別枠に書きたいですね。。

本作では、モンサントへの批判はもちろんですが「賢い買い物」をすることを促すメッセージが至る所に込められています。

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引用:FOODINC

本当にこれ。買い物は投票とはまさに。なにを応援したいのかを自分の価値観ではっきり語れるようにしたいですね。

結論:たべものの裏側は、思う以上に闇深い。


まとめが雑になってしまいました。。興味ある方は、情報量すごいフル映像をぜひ観てください~~!


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