農業に関わる若者が、いま就農しない理由。
2022.5.20:追記
この記事では、大学生の立場ながらに農業に触れていた立場として、稚拙ながら意見展開していました。かくいう僕は、22年4月に大学を卒業し、周辺業界に飛び込むことにしたのでご多分に漏れず、だったのですが、いくつか感じたことを追記しておきます。
・問い「なぜ若者が就農しないのか」に対して、知的労働→肉体労働のキャリアパスが不可逆だからでは?という仮説
「元マッキンゼーで農家に転身!」って方はいらっしゃいますが、その逆を僕が知らないんですよね。。家業が農業である同級生は「都会で失敗したら実家戻るか」というスタンスだし、かくも一次産業ってセーフティネット的な立ち位置になっているのかと。
そして、いい人材が集まらない→稼ぐ力がつかない、と負のループになるのであれば、いい人材が入るような仕組みをつくることが必要。クロスフィールズ様の留職のような動きも、農家さん×企業様で局所的に行なわれていますし、一次産業を経由したキャリアパスが明確に描けるようになったらよいのでは、と思います。
ちゃんと深ぼって考えたいなーと思うこの頃です。
2018.11.20:追記訂正
本記事執筆後、佐川さんからコメントいただきました。
元記事の流れはこちら。
・農業人材のドーナツ化(生産者の減少&周辺に人材集中)が起きている
→「付加価値をつける=儲かる農業」になっていく。より周辺業界は賑わい、生産者側には利潤が渡らない構造に。組織が固まっていく悪循環に。
→生産者、周辺側の双方がwinの関係にならないと!
元記事を補足いただく形で返信いただいております。そもそも僕が論点をうまく捉えきれていなかったことが恥ずかしいですね。
(´;ω;`)
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(以下より本文)
先日、農家の右腕業で有名な佐川さんの記事を拝読して、感想と僕の意見を少し。
...「(僕)農業の現場に踏み込むの楽しいよ」「(相手)それ絶対おもしろいです。日本の農業に必要です」「(僕)じゃあ現場に出てみたいと思う?」「(相手)えーと、それはちょっと、、、(収入低そう)(不安定そう)(大変そう)」ってなる。結局、生産者の立場に立つには、蛮勇と言えるほどのリスクテイクが必要な雰囲気になる。無難に、農家を「支援」しようという考えになり、周辺業界に就職する。農学部生も非農家出身なら就農しないのが既定路線。僕も学生時代にはそう思ってた。...(記事より抜粋)
佐川さんの意見の通りだと思います。実は、僕もいつかは生産者になりたいと思っているタイプです、ご指摘通り結構こんな人ってぼくみたいな学生含めて周りに多い印象。
元記事内で触れられていた「農業に関心ある若者がなぜ就農しないのか」について、僕なりに触れてみます。
特に、僕たち若い世代で農業に興味がある層の就農意欲の低さや迷いは、「しんどそう(肉体労働としてのしんどさ))」「稼げない」「不安定そう」に加えて「地域に縛られそう」「年中忙しそう」もあります。
好きな働き方ができるようになってきた、このご時世で、ずっとその職や地域に縛られている感じってなんだか重たく感じられるのかもしれない。
農への関わり方は様々。
結論、時間的・地域的な制約があっても就農することで好きな働き方を叶えている事例はあります。農家さんでもまとまった休暇をとる人もいれば
a.独立就農、個人農家
b.農業法人に常勤
c.農業法人に勤務(アルバイト/委託)
d.援農など、期間的な関係
e.趣味の位置付け(都市農園や家庭菜園etc)
「就農ってほどじゃないけど。。」って人はb.cに落ち着くイメージ。dは、子育てが終わったお母さんお父さん世代が多そう。
eでいうと「余暇~副業の範囲で、期間的に農業に携わることができる」関わり方に魅力を感じる人は多いのでは。
ちなみに、農家さんでも作る農産物と規模によっては休暇は取れるし、むしろ自分の好きな生活がしたいからと就農する人もいます。
僕が出会った農家さんたちはとりわけ若い人たちで、かつ個人経営なところだったから全体から見たらごく一部だけど。みなさん、自分も家族も大切にイキイキと働いている印象でした。
たとえば
・30代前半/米 +
・3人暮らし(1才半の息子さん+奥さん)
・農業法人(露地野菜/稲作)に週5日で勤務
・週末・空いた時間に実家の田んぼで稲作
・農閑期(12月~2月)はスキー場でバイトしながら家でゆったり
・30代前半/ブロッコリー 専業
・3人暮らし(1才半の息子さん+奥さん)
・農業法人(露地野菜/稲作)に勤務のち、独立就農
・農閑期(7月)は、キャンプカーに乗って全国ぶらり旅。
・20代後半/とうがらし
・地元が好き+まとまった休みのある生活に憧れ、会社員を退職して就農。
・農閑期(12~2月)は、貯蔵している加工品の販売+旅行
産業としての農業をいかに..!みたいなマッチョイズムではなく。農的な暮らしを謳歌している方々だったのですが、こんな方々もいるので、もっとグラデーションがあっていいんじゃないかなーと思っています。
農業は、多面的
海外の大規模農家から「日本の農業は大規模な家庭菜園だ」と揶揄られても、それでも個人的にはどんな生き方も美しいと思うし、否定されるものではないと思う。こと農業においては、できすぎた流通システムによって生産者と消費者の距離が生まれたことが背景にあるので、就農する側に行く人がいないなら、その窓口や動線を整備できてたらいいなぁとか思っています。
結論として、「なぜ若者が就農しないのか」の問いに対して「周辺業界の方がお金も回るし安パイだよね」との意見から、「いろんな農の関わり方が実は認知されていないだけだったりするので、固定概念を排除するためにリアルな働き方に触れたりしたらいいのでは」との僕の意見展開でした。
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