#HALFTIMEアカデミー チケットセールについて
皆さまこんにちは。琢磨です。
タイトル講義に参加し、その備忘録と考えをまとめます。
講演者は、モニュメンタルスポーツのジムさん。キャリアはNBAやNHLチームに所属し、スポーツマーケティング畑です。※ワシントン時間の朝早くからありがとうございますmm
講義内容は、ワシントンウィザーズ(八村塁所属)チケットセールスについての話がメインです。
※資料がとてもキレイ!だったのでご参考までに張っておきます。
資料の質って聞く側もテンション変わるから重要!
チケットの価格帯について
NBAワシントンウィザーズでは約40種類の価格帯を用意して販売。(めちゃ多い…すごい…)
価格は基本的にダイナミックプライシングで販売し、チケットを無料配布することは基本的になし。(ホームタウン活動の一環/慈善活動は例外)
最高額はVIPで数百万規模~10ドルと幅広く、あらゆる層に対しての価格設定がなされている。
Bリーグでは集客に苦戦すると「無料招待だ~!」作戦を講じることが多いが、一度無料配布してしまうと、10ドルでも払うことをためらう可能性があるため、席配置によって価格を最小限に下げて提供すべきと感じます。
バルサの「Show me the Money」でも無料チケット配布は悪手と記載。
まあ無料配布することにストーリーがあれば良いのかもですが。(ホームタウン活動/慈善活動等)
無料以上の観戦体験を次回提供するハードルも高まるし、「無料なら行くけど、え、金払うの…?」と思われても損でしかない。
無料で配布するよりは、価格が低い席でも観戦体験として損のない工夫が重要。大型スクリーンでの試合映像の投影等。となると、Bリーグはやはり指定管理権のハードルをどうクリアしていくかがポイントとなりそうだな~。
日本人客のVIP対応
八村塁を観戦するために最前席のVIPチケット提供した際に、VIPスイートでのおもてなし(ビュッフェ/ドリンクサービス)はさることながら、不都合がないように日本人通訳を帯同させる細かい気配り。(これまた凄い!)
また駐車場の手配は欠かさない。席位置は当然最前列。
※VIP対応についてはお客様によってカスタマイズすることが多いようです
日本だと上段でゆったりがVIPとなりがちだが、観戦体験の最大化はやはり試合を目の前で見られる最前列だと思う。なのでゆったりパターンと臨場感MAXパターンの2パターンでVIPを設けるのが勝ち筋だと思う。駐車場の提供がメリットになるかどうかはターゲット次第だが、関係者ゾーンに駐車できるのは特別体験のひとつにはなり得る(周りからもそう見られて気持ち良い~これぞ非日常感!)。
またスポンサー提供型のVIPはそれぞれカスタマイズしてお客様に提供することが多いよう。スポンサーアクティベーションのひとつのhowを実現するためにもやっぱVIP体験せなあかんですな。(どなたか…切実にご連絡をお待ちしておりますmm)
セカンダリーチケット
要は転売やリセールのこと。シーチケホルダーが行けない試合は売りたいと思うし、チケットが売れれば、グッズ収入や飲食も生まれクラブ側の収益としてプラスになるので、チケットビジネスの重要要素と置いている。セカンダリーチケットにおいては、転売ヤーが悪だくみをしないようシームレスであり保護されたプラットフォームで行われる必要があるとジムさん。
Bリーグでは一部のチームでリセールの導入が行われ始めており、日本での普及に期待。このマーケットはそれなりに大きいことが予想され(※チケット完売でも集客率8割だったりする試合もあるので)、かつユーザーフレンドリーなシステムなので、転売ヤーの魔の手にかからないようなプラットフォームの確立=ビジネスチャンスが眠っていると思います。
チケット購買者の分析
チケット購入者の行動データチームを拡充し、購買者の見える化を定量的に実現しているのと、試合観戦後に定性的なアンケートを行っている。
チケット周りは割とBリーグでもできていることは多いと思いますが、飲食データをスポンサーにフィードバックし(例、~~さんはバドワイザーを~~のタイミングで何本買う傾向があります、という情報をインべブへフィードバック)、購買者にパーソナライズ化された商品提供をし、顧客体験の価値向上に繋げる、といったところまでは及んでいないと想像する。
まだまだ現金のやり取りが多く、グッズ/飲食購買データをロスってしまっているので、Bリーグチケットとの融合か、スポンサー企業のペイメントと組むの等、来年度に向けて導入必須領域だなと思います。
一方で、アリーナの指定管理権を取れないと施設内グルメ改革も難しいので、やはりアリーナ問題は壁だなあと。
最後に
日本が海外に大幅に後れを取っているとは思いませんでした。ただ、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の緻密さの精度はさすがだなと。少しでもストレスを与えれば二度と来てくれない、と常にがけっぷちに立たされながら緻密に実行してきた差なのではと感じます。一人ひとりの顧客とガチで向き合ってる。※もちろん日本も負けていないクラブはありますが、まだまだ色々と不都合が多いと感じることも
「非日常を提供してやるぜ!」感が全く違うというか。ジムさんもキラキラ楽しそうにお話しされてましたし。そういうところからにじみ出るなあと。
HALF TIMEグローバルアカデミー中村学長の言葉が響いており、
「バルセロナのライバルはレアルマドリーではなくNetflix」。
スポーツのライバルは世界のエンターテイメント企業。スポーツという視野ではなく、コンテンツカンパニーと俯瞰して業界を見ないと一気に埋もれて行ってしまうなあ、と自戒を込めて。
次回は翌週「テクノロジーとスポーツについて」。