「しつこいHOW」を大切に!
冬季練習会2日目です。
今日は丸一日の練習で、内容も量も充実したものだったので、選手たちもヘトヘトです。
ただ他校のライバルの存在がいい疲労感を生んでるようなので、あと一日ケガなくやり切りたいと思います。
さて、今回も学びをまとめておきます。
HOWの大切さ
一日目に女子選手たちは以下の練習メニューを行いました。
①*WS150m×4本(**r=walk50m)
②6000m***PR(4'30/km)
③300m×3本(r=walk100m)
*WS=Wind Sprint(快調走…力まず8~9割程度の出力で気持よく走る)
**r=recovery(つなぎ)
***PR=Pace Running(ペース走…有酸素能力の向上が望めるペースを維持して走る)
練習メニューを見たときに「どんな目的の練習だろう」と考える癖がついています。
その意識の有無が選手の一挙手一投足が格段に意味のあるものになるというのを実感してきたからです。
今回私は二つの目的を考えました。
一つ目は「ペース走によるAT値(LT値)の向上」、二つ目は「走りの余裕度をあげる練習(=ランニングエコノミーの向上)」です。
ペース走の前に快調走をすることで、ペース走のスピードに余裕をもたせるとともに、筋肉と心肺に刺激を入れてケガと差し込みの予防ができます。
ペース走の後の300mは、ペース走で感じられたリズムを利用して効率よくスピードを出す感覚が養えます。
実際、コーチの方も練習の中で、同様の内容を仰っており、内心「よし!」と思いました。
「自分も成長したな」と感じたのもつかの間、同じメニューで私が行うであろう指導と、実際にコーチがされていた指導の差に驚きました。
コーチの方は、各メニューの前には以下のような声掛けをされていました。
① 「この快調走はタンッタンッとリズムよく走るよ」
「走り始めのリズムを後半でも作るよ」
「つなぎの歩きも姿勢よくキビキビと」
② 「一定のリズムで走るよ」
「一定のリズムで走るととレースの中盤も体力を温存できるよ」
③ 「このメニューは明日に向けて筋肉に刺激を入れるために行うよ」
「快調走よりも速いペースだけどゆとり感を必ず作ろう」
「走り切ることが目的ではないから一本一本大切に」
メニューの前だけでなく、走っている最中にも何度も何度も執拗に声を掛けていました。
愛のある「しつこさ」を!
今までも指導の中で何の練習(=WHAT)をするのか、なぜそれが大切なのか(=WHY)を実感してきて、それらについては強調してきました。
しかし、どのように行うか(=HOW)に着目した声掛けは、まだまだ徹底できていなかったなと感じました。
いや、その面についての声掛けはあえて避けていたというのが本当のところでしょうか。
それは私自身が指導者に対して反発心を持ちやすいので、もし選手なら「どういう風にするのかなんてわかっているから、わざわざ言わなくてもいい」と考えるからです。
しかし、今回の選手の反応やパフォーマンスを見ると、WHY-HOW-WHATが徹底して意識された練習は大きな差を生むだろうと思えました。
優れた指導者のあり方は様々です。
熱量で押し切るタイプ、技術指導の鬼、多くは語らず好々爺のごとく振る舞うベテラン等々、指導者の個性によって多くのパターンがあります。
しかし、どのようなタイプであろうと、「これは大切だ」と思うことを徹底的に、時に厳しさを持って指導するという点は共通しているように思います。
私に足りてないのはこの「しつこさ」だと感じました。
また一つ素晴らしい学びを得ることができました。
ラスト一日頑張ります。
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