たった1日で『原作版 左ききのエレン』を33万DLさせたナンバーナインのキャンペーン施策について
はじめましての人もそうでない人もこんにちは!
漫画大好きっ子37歳。ナンバーナインの小林です。
突然ですが、僕は『左ききのエレン』が大好きです。
いまでこそ作者であるかっぴーさんと一緒に様々なお仕事をさせて頂いておりますが、元々はただの1ファンとして『左ききのエレン』という作品を応援しておりました。
『アイとアイザワ』という作品を一緒に制作した頃からの付き合いになるので、かっぴーさんとはかれこれ4〜5年くらいの付き合いになるかと思います。
その間に一緒にクラウドファンディングを行って、漫画系クラウドファンディングで支援総額日本1位になったりもしました。
作者であるかっぴーさんは当然そうだと思いますが、僕にとっても『左ききのエレン』という作品はただの作品ではなく、自分の人生の一部だと思っています。
そんな『左ききのエレン』のリメイク版(少年ジャンプ+版)が先日最終回(最終章完結)を迎えました。
『左ききのエレン』という作品には原作版とリメイク版があります。そして、原作版とリメイク版が同時に連載されている漫画業界でも希有な作品です。
僕らナンバーナインの仕事は、漫画家さんが魂を込めて制作した作品を一人でも多くの人に届けることです。
かっぴーさんも自身のnoteで言及しておりますが、今回ナンバーナインが仕掛けたキャンペーンによって、たった一日で『原作版 左ききのエレン』の単行本が33万ダウンロードされました。(厳密にいうと、24時間で334,708冊ダウンロードされました。)
こちらの数字はKindle Unlimitedでの読み放題や漫画アプリの話売りなどの数字は一切カウントしていない、純粋な単行本のダウンロード数(販売冊数)になります。
更にいうと、4/9〜4/12の4日間で49.8万ダウンロードされています。
このペースで作品がダウンロードされ続ければ、1キャンペーンで100万部突破も夢ではありません。
ナンバーナインもいままで様々なキャンペーンを行ってきましたが、ここまで数字が動いたのは初めてです。
なぜここまで数字が動いたのか?
ナンバーナインは何を行ったのか?
今回のnoteでは話せる範囲で説明したいと思います。
題して、その先があるんだよセール!
前代未聞のほぼ無料キャンペーン
まず最初にご説明したいのが、今回の33万ダウンロードの90%以上は無料ダウンロード(無料販売)になります。
ほぼ全巻無料キャンペーンとして、4/9(土)〜5/21(土)まで25巻発売している単行本のうち23巻分を無料で配信させて頂きました。
その結果、Kindle マンガ の売れ筋ランキング(無料ランキング)の1位から23位まで独占しました。
ちなみに通常価格で配信していた24巻、25巻もしっかりダウンロードされ、有料ランキングのTOP10入りもしています。
ナンバーナインは「すべての漫画を、すべての人に。」を会社のミッションに掲げています。
漫画の価値を最大化するために、一人でも多くの人にまず作品を届けることを信念としています。その結果、ほぼ全巻である23巻まで無料で配信するという決断に至ります。
「一人でも多くの人にまず作品を届ける」という価値観に賛同してくださり、全面的に僕らを信用し、身を委ねてくれたかっぴーさんの懐の深さが今回の結果の最大の要因だと考えています。
『左ききのエレン』という作品のポテンシャル
大前提として『左ききのエレン』という作品のポテンシャルを忘れてはいけません。「天才になれなかった全ての人へ」というキャッチコピーで始まるこの作品に救われた社会人は多いのではないでしょうか?
勿論、僕もその一人です。
主人公である朝倉光一と自分を重ね合わせ、読むたびに仕事へのモチベーションを高めてきました。
そんな『左ききのエレン』のリメイク版(少年ジャンプ+版)は100万人を超える人が作品を読んでいます。
単純計算で連載を読んでいるすべての人が原作版の単行本を購入すれば、単巻100万ダウンロード、25巻で2,500万ダウンロードになります。
でも実際は当然のことながら閲覧者数=販売数になりません。
つまりリアルタイムな読者数に対して、単行本の販売数に大きな差(ポテンシャル)が存在したのです。
今回のキャンペーンの肝はここです。
リメイク版の連載をリアルタイムで読んでいる100万人に『原作版 左ききのエレン』の存在を知ってもらう。知ってもらうだけではなく、実際に読んでもらう。読んでくれさえすれば、続きを買ってくれるはずだ。
『左ききのエレン』をまったく知らない層に届けるのではなく、一度でも『左ききのエレン』を読んだことがあって、単行本を購入していない人 = 潜在的な顧客をメインターゲットに設定し、今回のキャンペーンの軸としました。
半年前から準備した絶好のタイミング
キャンペーンを行ったタイミング(リメイク版の最終回を公開した日)が秀逸だったことは言うまでもありません。
このタイミングに合わせるために、ナンバーナインのグロースチームは半年前から準備を進めていました。
原作版の配信を行う僕たちは、当然のことながらリメイク版の大枠の流れを知っています。つまりあとどれくらいで終わるか分かっているのです。
作者であるかっぴーさんとも密に連絡を取り合いながら、半年前から着々と準備を進め、満を持してキャンペーンを展開したのです。
当たり前のことを当たり前に行う。これはビジネスの鉄則ですが、意外と実践するのは難しいです。
今回の結果はたまたま起こったマグレなどではなく、半年前から準備した地道な努力の積み重ねだったのです。
作者自身の言葉で感謝を届ける
かっぴーさんのTwitterでの告知が本当に素晴らしかったことも成功の大きな要因です。
実はキャンペーン告知用のメッセージとイラストを描き下ろして欲しい旨はナンバーナインからお願いしたことです。
なぜならば、作者からのメッセージ以上に影響力のある告知はないからです。
ここら辺のノウハウはクラウドファンディングで培ったものでもあります。かっぴーさんと二人三脚で毎日泥臭く告知し続けたあの時の経験が今回のキャンペーンに活かされています。
かっぴーさんもそのことを理解してくださっているからこそ、自分自身の言葉で、素直な気持ちで、読者の方に感謝を伝えました。
知っていますか?
本気の感謝って伝わるんです。
代理店に任せず、すべて自社で行うことでのスピード感
今回のキャンペーンは半年前から準備を行い、少なくない予算も用意しました。
そのため当初は広告代理店さんにキャンペーンの大部分をお願いする予定でした。しかし途中で方針転換し、最終的にはすべての対応をナンバーナインで行いました。
広告代理店さんが持つノウハウや手法は本当に素晴らしく、僕たちが簡単に真似できるものではありません。
テレビCMを放送したり、タレントさんを起用したり、マスメディアの力を使って作品の知名度を向上させる。それは僕たちだけでは実現不可能です。
でも広告代理店さんも僕たちの真似ができる訳ではありません。
今回、僕たちは作品の知名度を高めることではなく、『左ききのエレン』を読んだことがあって、単行本を購入していない人 = 潜在的な顧客にきちんと作品を届けることを重視しました。
「何をKPIに設定するか?」でアプローチ方法は大きく変化します。
キャンペーンの企画立案から実行まで自社でワンストップで行ったことで、柔軟かつスピード感のある対応が可能となりました。
結果として、それが今回は正しかったと強く実感しています。
新しいノウハウも貯まりましたし、大変だったけどすべて自社でやって良かったです。
圧倒的ワンチーム
東京と宮崎のメンバーを合わせると50名以上の社員数になりましたが、ナンバーナインはまだまだ小さい会社です。
小さい会社には小さい会社ならではの戦い方があります。
つまりまだ全社一丸となって動けるのです。個ではなく、ひとつの組織として、ワンチームで動くことができる一点突破型の戦略を打つことができます。
今回のキャンペーンの大成功はグロースチームの頑張りだけではなく、かっぴーさんのマネージャーとして奔走したサポートチーム、クオリティの高い電子書籍を作り続けた制作チーム、そして絶好のタイミングで告知が開始された瞬間に、SNSを行っているすべての会社のメンバーが瞬時に告知&拡散をしたチームの勝利だと考えています。
漫画家のみなさーん!
ナンバーナインは本当に良いメンバーが揃ってますよー!!
この先があるんだよ
今回のキャンペーンはまだ始まったばかりであり、5/21(土)まで行っています。つまりまだまだ数字は伸びるということです。
まだ『左ききのエレン』を読んだことがない方は、ぜひこの機会に読んでください。ほぼ全巻無料で読めます。そして面白かったら続きを買ってください。
『原作版 左ききのエレン』は現在第二部を連載しており、ここからが本当に面白い所です。まさにクライマックスに突入します。
リアルタイムで長期連載作品のクライマックスを読めることはとても貴重な経験になるはずです。
今回のキャンペーンのその先を、一緒に楽しめれば幸いです。
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