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   てっぺんハゲおやじ               音楽フェスの沼にハマる 膝まで⑥

なんか 泣けてくるね ハハッ・・

         ビール片手 スキンヘッドおやじsay 客席一番後ろ壁側にて

僕の母校N高は冬になると流氷を一望できる丘の上にあった。
勉強がすこぶる苦手な僕が、N高に入る為に死ぬほど勉強してギリギリ合格、人生でもっとも輝いていたであろうピカピカの高校生ライフをメリハリ四季を体感しながら、その丘の上で過ごした。

夏が短い北海道のド田舎の高校生とって、学校祭はなまらビックなイベントであり、すでに準備時点からテンションが上がりすぎて、当日は爆発的に盛り上がるまさに異国のカーニバルであった。
各自、クラスTシャツを着てワイワイガヤガヤ、教室毎に出店があったり、舞台では出し物、手作りの山車を街に繰り出したり、バンドだー、告白だー夜はディスコだー最後は打ち上げ花火が乱れ上がる。たかが学校祭で考えられるすべてを行う。当時の我々は出し切れるエネルギーをすべてを放出し燃え尽きるのであった。今でも当時の仲間と会えば飲みながら反芻する貴重な3回の学校祭は「人生における一瞬の青い輝き」なのだ。

孔子曰く、「40にして惑わず」
アタマ固いてっぺんハゲが不良カナダ人に挑発され、大阪でヒラメキ、そこからブレずに真っすぐ貫いてたどり着いた「30年ぶりの年末幕張学校祭」である。

アラフィフおやじ オホーツクから幕張メッセに到着!!!
会場が死ぬほどデカく、その中にどっさり人間が・・・。圧倒され引き気味に顔をしてたであろう僕以外は、各自なにやらTシャツを着てワイワイガヤガヤとなまら良い顔をしながら荷物を預けたり、各ステージに行ったり、すでに出店でなにやら食ったり飲んだりとフェスの雰囲気を醸し出していた。

なんだかアウェイな空気で戸惑っていると、札幌からの合流予定だった息子達からラインで
「もう会場にいるよー物販に並んでる、おいで」
「物販ってTシャツ買うとこ?」
「そー、オフィシャルではなく、アーチストの方」
どうも開催者側のグッズと当日出演するアーチストのグッズがあるらしい。

ここで、僕がフェスに行く前に唯一しっかりやったこと。
①全出演アーティストのメジャーな3~4曲をyoutubeやサブスクで聞いておいてなんとなく目星をつけておく。
②アプリの「タイムテーブル」なるもので複数のステージで同時に演奏されるケースを考慮しながら①で興味を得たアーティストをお気に入りで印をつけ行動表を作成。1ステージは約40分、楽曲は6曲前後、休憩を入れてもだいたい7組は見れる。

話を戻すと息子たちは、6人女性アーティスト「BISH」の物販の列に並んでおり「こっちこっち」と手を振っていたので割り込みすいませんで合流。
サンプルの胸元に「IDOL」とデカデカとかかれた黒Tシャツを遠く見ながら「今日1日これを着てテンションをあげるてやる」と覚悟を決めていた。

不意に、連れのこうちゃんと息子から、英語の画面をみせられ・・・
         
         このSNSの情報なんだけどさ        
      中国の武漢って所で集団肺炎って どうなの?

との問い。示された画面には中国の建物の写真が添付され和訳で「武漢で集団肺炎で死亡者多数、町が隔離?」と簡単に表記されていた。
僕はなんちゃってであるが感染症を専門としている。一応。

「まぁ、以前SARSっていう質の悪い感染症を広めた地域だからねー、情報が本当だったらヤバイかもね」
「えっ日本もヤバいの?」
「いや、日本は島国だから」
「じゃー安心だな」

これが、僕が知っている最初の悪魔の足音であった。
いや、全然安心ではなく、ご存知の通り、数日後の年明けから世界は未曾有の出来事としてめちゃくちゃにブンブン振り回されるのである。
特に人が集まるライブやフェスは大打撃を受け、アーチストたちは深刻な状態になるのであった。
その話は章の終わりに書かせてもらうのだが、当時の僕にとって深刻な問題といえば、物販でさっさとTシャツを購入した息子達を早速見失い「ぼっち」となってしまったことであった。
(1人でも大丈夫、俺は40にして惑わずなのだ)
と自作タイムテーブルに沿って予習済みの「King Gnu」ステージへ!意気揚々と向かったが・・・おぅ・・ハプニング!
この「King Gnu」ステージは1番大きいエリアにもかかわらず人がパンパン状態で入場規制が行われ僕は入れなかったのである わぉ!わぉ!!

これは困った 実に困った・・・・僕は「惑う」のである

急遽アプリでタイムテーブルで立て直ししなければ・・・時間がない
よし!僕は惑わん!!決めた!!!隣の一番小さなステージへ予習なしで行ってやる!

「人勧万事塞翁が馬」これが僕の「ツキ」である

孔子曰く、「50にしてHump Backを知る」

いやいや孔子は知らんから はんぷばっく の存在やその凄さを(つづく)



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