新年の抱負をTwitterに書くのは悪手だと思った。
なぜなら数日で流れていってしまうから。
というわけで比較的流れの遅いnoteに抱負を残しておくことにする。
もう明けてだいぶ経つけど、去年の内に考えてしまうとそれは去年のものなので鮮度が落ちる。したがって新年の抱負は年が明けてから考えるのが妥当。そしてその精査にもそれなりの時間を要するのだから、今が適度な頃合いと言えないこともないかもしれない。本当はただサボっただけです。
本題。抱負としては3つ。
1つでは少ないし2つだと半端。4つ以上は覚えてられない。ゆえに3つ。
①設計力をあげる
②インプットをめんどくさがらない
③精読する
以下、それぞれについて自分が忘れない程度に詳しく書く。
傍から見たら雑かもしれない。
①設計力をあげる
ここで言う「設計」とはプロットと設定を指す。厳密に言うと取材や資料探しも含まれる気がするけど、ひとまずそれらは別枠とする。
まずはプロットついて。
これまで、プロットはある程度まで考えたら本文を書き始めてしまっていた。そして本文で行き詰まり、だらだらと時間を消費し、才ある物書きの脳を喰いたい!と悲鳴を上げるまでがワンセット。これをなんとかしたい。
そのためにどうするか、と過去の経験を振り返った。
そして、これまでに何度か「本文に詰まる⇒プロットを見直す(または欠けていた知識を補充する)⇒また本文に戻る⇒すらすら進む!」という体験をしていることに気が付いた。
この体験から、本文をスムーズに書くための要因がふたつ洗い出される。
ひとつは、プロットの詳細化。当たり前だけど、プロットさえ固まっていれば「何を書くか」に思考を割かなくて済む。
僕は「どう書くか」で悩みがちなので、少しでもそちらに集中するため、あらかじめプロットを詳細に決めておいたほうが楽な気がしている。
もうひとつは、知識の補充。
これについては②で後述する。
さて、ここで問題になるのは「詳細に」って具体的にどの程度なのか?ということ。
少なくとも必要なシーンはすべて洗い出し、それぞれがどのように接続されるのかまではマストだと思っている。というか、ここまでは以前からやっている。それなのに毎回苦しむ。
したがって、さらに粒度を細かくする必要があると思われる。粒度を細かくするとはどういうことか。それぞれのシーンで、誰がどのような流れで何をするか(言うか)まで考えることじゃないかと、現時点では思っている。ここは実践しながら感覚を掴んでいきたい。
とにかく確実に言えるのは、いままでよりもっと時間をかけて丁寧にプロットを組む必要があるということだ。
次に設定について。
そもそも設定とはなんなのか。名前や性別などのハードスペックは設定というよりプロフィールという感覚だ。「性格」でも解像度が荒い気がする。
となると、価値観じゃないだろうか。そして価値観を決めるとは、キャラクターの過去をそれなりに幅広くかつ深く考えていくことだ。
さて、ここでも程度の問題にぶち当たる。「それなり」とはどこまでなのか。まさか人生まるごと考えるわけにもいかないので、ひとまず「価値観に影響を及ぼした出来事を網羅する」とでもしておくのがいいかもしれない。これでも相当な労力になるけれど、ここでエピソードをストックしておけば本文にも転用できる。それなりのコスパは期待できそうだ。
ただ、設定を見直したおかげで本文が進んだという体験は今のところしていない。しかし設定が甘かったせいで全体が崩壊しかけたことはある。
ここで重要なのは、設定の練度よりも、脇役の設定もサボらないことだと思っている。これをやらなかったせいで、小説推理新人賞用の原稿を書いたときに痛い目を見た。詳しくはこちら。
設定に関しては、本文をスムーズに書くためというより、致命傷を避けるために徹底しようと思う。
話が入れ子になってしまった。
本筋に戻すと、設計とはつまりプロット+設定のこと。
プロットの解像度を上げることで本文をスムーズに書けそうな実感がある。
また、設定については価値観を理解できる程度に過去を考え、その作業を脇役にも平等に行うことで大事故を防げる可能性が上がる。
よって今年は設計をがんばる。
しかし、まだ足りないものがある。
知識だ。
ここでふたつ目の抱負につながる。
②インプットをめんどくさがらない
「本文に詰まる⇒プロットを見直す(または欠けていた知識を補充する)⇒また本文に戻る⇒すらすら進む!」
さらっと書いてしまったけれど、この(または欠けていた知識を補充する)はめちゃくちゃ大事なフェーズだ。
本文を進めていると「あ、ここは知識ないと書けないやつだ」という瞬間がある。小説を書く人なら誰しも身に覚えがあると思う。
ここで立ち止まってきちんと調べるのが光の物書き、あとで調べればいいやと後回しにしたり知ったかぶりで進めたりするのが闇の物書きである。もちろん僕は後者だ。
正直、闇属性のままでも小説は書ける。大抵の場合、あとから地獄を見るというだけで。
でもね、そろそろ地獄は見飽きたんだ……。
アプローチとしてはふたつ。
必要な知識を設計段階で整えておく。
もしくは壁に当たった時点できちんと調べる。
これはゼロイチの話ではないと思っている。
当然、事前に調べられることは調べておくに越したことはない。ただ、事前にすべてを想定して資料なども完璧に揃えておくというのも、それはそれであまり現実的ではない。
というわけで、結論はシンプル。
事前になるべく調べておいて、必要が生じたらめんどくさがらずに調べる。
たぶん、普通の人はできていることだ。
でも僕はできていない。
資料はすぐに手に入れられないかもしれないけど、その場でググるくらいはできるので、めんどくさがらずにきちんと調べる。
これがふたつ目の抱負。
③精読する
読書の話。
たいへん残念なことに、僕は記憶力が死ぬほど悪い。一度読んだ小説も(大筋はともかく)基本的には1週間くらいで内容を忘れてしまう。
読み手としてはむしろ得な性質かもしれないけれど、書くときに損をしている気がしてならない。
たとえば吹雪のシーンを書きたいと思ったときに、「そういえばあの小説の吹雪のシーンは巧かったな」と思い出せるのは大きなアドバンテージだ。
そのシーンを開き、その場にある物や五感のどこに訴えかけているのかなどを書き手の目線で理解することは、小説を良くするひとつの手段だと思う。頭の中の索引が豊かだと、こういうことがやりやすい。
でも僕はすぐに小説の内容を忘れてしまうので索引が少ない。
じゃあどうするか。
覚えられるまで何度も読むしかない。
読書メーターなどに感想を残すのも手かもしれないけれど、僕がやっても「吹雪のシーンが良かったという感想を書いた記憶はある。でもそれってどの小説だっけ……」となるのが目に見えている。これでは忘れたのと同じだ。
だったら、暗記するくらいの勢いで同じ小説を何周も読んだ方が、索引を定着させるという意味ではベターな気がしている。
当然、読める総数は減る。でも書き手として大事なのは見かけの数字よりも頭の中に積み重なってる数だと思う。
それに、これもゼロイチの話ではない。面白そうな小説を見つけたらもちろん手に取る。ただ、今までよりも意識的に既読の小説にも手を出そうという意味だ。
これを「精読」と言うのはちょっと微妙かもしれないけど、未来の自分に伝わればOKという文章なので許してほしい。
まとめ
と見出しをつくったものの、まとめるほどのこともなさそうだ。
プロットと設定を今まで以上に詰める。
必要なことはめんどくさがらずに調べる。
同じ小説を丁寧に何度も読む。
これだけだ。がんばろう。
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