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録音は大事という話【学校と裁判して思うこと】

「備忘録としても使えますしね。」

自身を含んだ会話をこっそり録音することを秘密録音というそうです。
こっそり、というとちょっと抵抗感もありますが、マナーの問題はさておいて、” 法的には原則として適法である ” ようです。
(詳しくは専門家にご相談ください。)

X のポストで引用させていただいた書籍はこちらになります。

「スクールロイヤー ―学校現場の事例で学ぶ教育紛争実務Q&A170―」
神内 聡 (著)

学校弁護士で有名な神内先生の本ですね。
学校現場で起こる様々な教育紛争について法的にはどうなのか、という論点で解説されています。保護者側からではわかりづらい学校の事情もよくわかる良書で、法律の知識がなくても読みやすいのでおすすめです。


これまでの1年強、録音によって記録を残してきた私なりに考える録音データの活用方法をまとめてみました。


録音データの使い方

学校での出来事を把握するために

学校の外にいる保護者には、学校内での子どもの様子を実際に見聞きすることはできません。
学校での様子を知りたいとなると、
① 先生から聞く
② 子どもから聞く
のどちらかになると思います。

学校と何かしらのトラブルになった場合、学校の言い分と子どもの言い分が食い違うということが起こりがちです。わが家の場合もそうでした。
残念ながら先生が嘘をついていることもあるでしょうし、子どもの受け取り方の問題や、勘違いということもあるでしょう。親としては大変悩ましいです。
うちの場合、結果的には子どもが校内でとっていた記録によって先生の言っていることが事実でないことがわかりました。

誰かに説明するために

校内での様子を保護者には確かめようがないのと同じように、当事者以外の第三者も彼らの見聞きしていない事実を確かめる術はもっていません。
でも、当事者だけでの解決が難しいとなった場合、どうしても第三者に事情を説明してわかってもらう必要が生じます。そんな時にはやはり客観的な記録があることが一番です。
例えば裁判で証拠として使用することもそうですし、公立校の場合や、私立校でもガバナンスが効いている組織の場合は、教育委員会や学校法人などの学校設置者と協議をする場面でも理解を得られやすいかも知れません。
マスコミの方に取材を受けるときも同じですね。

記憶を記録として残すために

子ども自身が先生との会話を録音する以外にも、保護者と先生との会話や協議の内容を録音する場面も出てきます。
しっかり記憶していたつもりでも、語尾や細かいニュアンスなど意外とあいまいになってしまうものです。また、時間が経つにつれ、記憶がすり替わってしまうこともあり得ます。
言った言わないの不毛な争いや、思い込みや勘違いから起こる無用なトラブルを防ぐためにも、可能であれば大切な会話は録音させてもらう方が無難です。

状況の整理のために

裁判は、書面の応酬ですすんでいきます。
まず、自分の言いたいことや、どうしてそれが正しいのかという説明を訴状という書面にまとめて提出することで裁判が始まります。
この書面は依頼している弁護士の先生と打ち合わせをして作成してもらいますが、弁護士の先生に説明をするためにも、まずは状況を整理しておく必要があります。「いつ」「だれが」「どこで」「なにを」「どうした」という具合に、できるだけあいまいなところがないように起こったことを伝えられると齟齬が生まれにくいと思います。
会話の内容を要旨だけまとめて記録していた場合、あとで見返すと発言の順番や誰の発言だったのかがわからなくなってしまうこともあり得ます。
自分では重要だと思っていなかった部分を詳しく確認されることもあるので、正しい状況整理のためにも録音データが役立ちます。


「最後に」

何かしらのトラブルが起きたとしても、初めから学校とやりあうつもりで対応を求める保護者はまれだと思います。わたしの場合も、証拠化というよりも備忘録的な意味で録音をとっていましたが、結果的にはいろいろな面でメリットがありました。

裁判中は、何かと悩むことも多いです。確かな記録があると、少なくともその部分ではあれこれ考える必要がなくなるので、無駄なリソースを割かずに済みます。




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