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国語は読書してれば大丈夫?マチガイだらけの国語学習法

こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。

中学受験を始めたけれど、国語が伸びなくて困っています。
どうしたらいいですか?

これまで長く中学受験指導をしてきて、
この質問は本当に数えきれないほど聞かされてきました。

国語は4科受験はもちろんのこと、
2科受験でも必須となる重要科目ですが、
なかなか成績が伸びなくて苦しんでいる人は多いです。

そこで今回はそんなお悩みに対して、
私がいつもお答えしていたことについて書いてみたいと思います。


国語の問題を解く際の大前提

国語という科目は他の科目と、一点大きく異なる点があります。
それは基本「答えが、文中に書いてある」ということです。

よく私は指導していた子どもたちに、
国語は「宝探しゲーム」のようなものなんだよと話しています。

国語の問題文の最初には必ず、次のような一文が添えられています。

「次の文章を読んで、後の問いに答えなさい」

見覚えがありますよね。
でもこの一文が意味している事を、
一体どれだけの人が理解しているでしょうか。

「次の文章を読んで」答えろということは、
文章中に書いてあること以外は使うなということです。

自分の常識や考えを使って考えるのではなく、
あくまで文章を書いた筆者の意見に基づいて、
回答する姿勢が求められているのです。

論理的&客観的視点が問われる

その前提が分かった上でまず気をつけるべきは、
本文を論理的に読むということです。

説明文や論説文であれば、
テーマと作者の意見を掴みながら読む。

自分ならこう考えるとか、
常識的に考えるとこうなるはずと言ったことはNGで、
あくまで筆者がどう考えているかがすべて。

そして筆者はどんなプロセスを経て、
自分の意見(結論)を導いているか考える。

その読み取りに求められているのは、
筆者の考えの過程を筋道立てて理解する、
「論理的」な読解力です。

物語文であれば登場人物の性格や時代背景などから、
心情を論理的に分析する。

鑑賞する読書とは異なり、
問題に回答する必要がある課題文では、
こうした一歩引いた読解が求められるのです。

例えば戦前が舞台となっている場合と、
現代が舞台に立っている場合では、
同じ親子関係がテーマでも内容は大きく異なります。

それは時代が異なれば価値観も異なるからで、
こうした相違を意識した上で、
客観的に心情を考える必要があるのです。

このスキルの前提になるのは、
舞台となる時代や場所ではどのような価値観で、
人々が生活しているかを理解するチカラです。

そしてまた全く同じ時代と場所で、
かつ全く同じシチュエーションだったとしても、
性格が異なればその言動も異なります。

このように時代や場所、性格などを把握しつつ、
客観的に心情を読み取ることが、
受験の物語文読解では求められているのです。

たくさん本を読んでいれば楽勝?

ではこうしたチカラは果たして、
読書をしていれば問題なく身につくのでしょうか。

答えは残念ながら、Noです。

私自身が指導してきた生徒の中で、
本の虫のような生徒が国語で苦戦する姿を、
これまで嫌というほど見てきました。

その理由はちょっと考えれば、
すぐに分かってくると思います。

考えてみてください。

本が大好きな子の中の一体何人が、
受験で出てくるようなストーリーを読んでいるでしょうか。

一体どれだけの子供たちが、
自分が全く興味のない内容の本を、
好き好んで読むことでしょう。

残念ながら中学受験で取り上げられる話は、
内容的に面白くないものが少なくありません。

また難関校になる程、
読みにくい内容になる傾向がありますが、
子どもが好むのは読みやすい内容の本が多いもの。

このように受験に合わない本をいくら読んでも、
受験に対応できないのはある意味当たり前です。

では読書は受験にはムダなのかといえば、
もちろん全くそんなことはありません。

読書の習慣をつけることの有用性は、
また別の機械に詳しく書くつもりですが、
少なくとも受験に以下の点で大きく貢献します。

まずは活字に対する抵抗感がなくなるため、
自分で本を読んで自習するチカラの礎になる
という点です。

また長い文章を読む忍耐力もつくので、
これも大きなメリットと言えるでしょう。

ただ読書をすれば受験の国語は大丈夫とは、
残念ながら言えないのが現状なのです。

我慢して読むチカラを育てる

ではどうしたら国語を伸ばせるのでしょうか。

国語の成績を伸ばすのは、
他教科と比較しても困難が多く、
また時間もかかることが多いものです。

それは国語力が上がるためには、
語彙力や論理力、忍耐力、分析力といった、
複数のスキルがすべて一定レベルにする必要があるからです。

他教科のようにある分野を克服すれば、
その分野ではすぐ成績が上がるのとは大違い。

また類題がでることも極めて稀で、
ほぼすべての文章は初めて読むものです。

だからこそ時間をかけて根気よく、
一つ一つのスキルを伸ばしていくことが、
急がば回れで実は最短路なのです。

でもそこに無重要なポイントがあります。

それは何よりもまず、
最後まで文を読むスキルを育てるということです。

何をバカなことを。
誰だって最後まで分くらい読んでいるでしょ。

そう思われるかも知れませんね。
でも実際に文章を最初から最後までしっかり読めている生徒は、
本当にごく少数だと感じています。

しっかり読んでいるつもりでも途中で集中力が切れ、
中盤は上の空で字を目で追っているだけ。

そんな読み方をしている生徒が少なくなく、
これでは内容を正確に把握するなんて不可能です。

そうならないために必要なのは、
まず興味のない文章でもしっかり読める集中力を養うこと。

我慢して読むというスキルを身につけることが、
国語力を伸ばす最初の一歩
だと思います。

国語はすべての学習の基礎

国語は他教科と比較して、
あまり実用的な科目じゃないと思っている方も、
結構多いのではないでしょうか。

確かに国語の力そのものが、
大学の学びや社会に出てから直接的に生きているとは、
実感しにくいのは確かですよね。

でも文章を読んでその内容を理解するということは、
他の全ての学びの重要な基礎となる力です。

国語力が高ければ自分で自習できますし、
難しい内容も理解しやすくなります。

その意味で国語の力というのは、
全ての学力を支える一番重要なスキル
なのです。

まとめ

さていかがでしたでしょうか。

国語はなかなか伸ばすのが難しい科目ですが、
他教科の学習にも大きな影響を及ぼす、
とても重要な教科といえます。

その国語力を伸ばすには、
急がば回れではないですがまず、
様々なジャンルの文章を我慢して読む訓練をしましょう

初めは短い文章でも構いません。
好きでない文章、興味のない文章でも、
最後まで読み切れるスキルを育ててみてくださいね。

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