推薦状 「無能な父(建築家)ですが、皆さんのお役に立てれば幸いです」

建築家を父に持つ娘です。
素人ですが、私が見る限り特に有能ではありません。

理由1)将来計画的無能
都心で20年以上勤めあげた設計事務所を「地元で働きたい」といって辞めた。[※1]
理由2)経済的無能
課長~部長の階段を上り始めたポジションであったのに辞めた。
理由3)自己分析的無能
仕事大好き人間の父[※2]が、枠に収まるはずのない地方公務員になってしまった。

父には変わった特技があるようようです。

特技1)数年にわたり行政指導をしても、一向に改善されなかった違反建築物・迷惑建築物等が、父が配属され担当してから次々に是正され始めた。[※3]
特技2)役所に来るほとんどのクレーマーは、俺には特別変わった人には見えないそうです。[※4]

父はこの世で一番公務員に向いていない人種だと思います。

私がイメージする公務員。まじめで決められたことだけをコツコツをやり続ける地味な職業。それゆえ公務員に過度な期待をすると、市民をがっかりさせる。
 それに真逆の父が公務員に転職して、早6年。今のところクビにはなっていません。それどころか、そこそこ結果を出しているよう。。。
 本人曰く、「公務員は建築家の一部分であり、公務員でできないことは、建築家の他の部分でやればいいだけ。」(何言ってるか、よくわかりません)。おそらく「俺は公務員である前に、一人の建築家だ」と言いたいのでしょう。

無能な建築家だから役に立てること

 父が有能ならば、今頃は元の会社で全国規模の様々なプロジェクトを進めていることでしょう。いま地元で住宅規模の問題解決に前向きに、楽しく、全力で取り組めているのは、父が無能であったからだと思います。[※5]
 どこの自治体にも必ずいるわけではない父のような無能な建築家の「考え」や「行動」をnoteすることで、何かしら皆さんのお役に立てることがあれば、「父の公務員としての転職は、案外間違いでななかったのでは?」
そんな気がします。

[※1] 組織事務所といわれるところで設計・コスト・CM(よくわかりません)をしていました。事務所名は出さないでと言われました。
[※2] 私が中学の3年間、(積極的)不登校であったことすら知りませんでした(笑)
[※3] 本人は、これまで是正されなかった理由がわからないそうです。
[※4] 以前窓口に「アスベストは生きている。俺が山に返してやるから、行政は俺に協力しろ!」と来たとき、父だけがわくわくしていたそうです。(もちろん父が対応して始末したそうです)
[※5] 「建築は、一部の建築専門家だけのものではない。建築が好きであれば、専業主婦も立派な建築家だ」といのは、父の口癖です。大学時代の恩師(O教授)の受け売りだそうです。

後日談

 父にnoteを紹介したのは、娘の私です。何しろ父は、人と違うことをすることに抵抗がなく、かつ自分のことを説明するのが面倒くさいと思う人です。ですから
<ステップ1>人に説明するためではなく、自分の頭の中を整理するためにnoteを作成する。
<ステップ2>整理ができたら人々の役に立つように公開する。
この2ステップでnoteを作成することを提案しました。
 父からは「自己紹介文を書いてほしい」と頼まれました。色々調べると、父がいた会社や父の持っている資格はどれもそこそこ「すごい」みたいです。それを自分で書くのはどうも恥ずかしいみたいで、他人からの紹介文形式にしたかったそうです。
 一通り父の話を聞いて、「あとは任せる」といわれました。「おっ、これが建設業界の丸投げか!?」と思いつつ、私も生まれて二十ウン年間の父への恨みと皮肉と若干の感謝を織り交ぜながら、本気でこの文章を作成しました。
 父の反応は、
「俺を落としているのか、持ち上げているのかわからん推薦状やなぁ。」
「任せた以上は、このまま載せるわ」
「やっぱ、お父さんの子やな。。。」でした。
(ちょっとムカつく!)


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