正解の証明
2024年2月23日
僕らのJリーグは、31年目のシーズンを開幕させた。
我らがアビスパ福岡は北海道コンサドーレ札幌との開幕戦に臨みスコアレスドロー。盤石な守備は昨年同様で、失ったピースを補えるだけの戦力を伺えたことに、ほっと安心したサポーターも多い事だろうと思う。
次はアウェイで横浜Fマリノスに挑む。
さて、アビスパ福岡のことはここまでにする。
今日は東京ヴェルディー横浜Fマリノスのことについて書きたい。
今日の試合、開始前のセレモニーでの出来事。
川淵三郎が泣いた。ヴェルディという言葉を発せないほど泣いた。
Jリーグファンにとってこのカードは特別なもの。1993年、日本発のプロサッカーリーグ「Jリーグ」の記念すべき開幕カードである。
開幕から30年たって、チーム数は10→60チームになり、ほとんどの都道府県にJリーグクラブが存在している。
そして僕らはちゃっかりサポーターという属性になり、日々胃が痛い生活をそれぞれが勝手に送っている。
日本のスポーツビジネスには、野球という大きな存在がある。当然、Jリーグはいつも彼らと比べられてきた。Jリーグが発足したとき、「企業名をチーム名に入れられないのはどうなのか」という意見を多くもらったという話を聞いた。当時はスポーツビジネスのサンプルは野球しかなく、「巨大な人」を中心に成り立っていた。その頂点に君臨する大親玉の顔は、日本人なら誰でも思い浮かぶはずだ。
Jリーグは、大親玉の意向に背いた形で発足した。結果読売ヴェルディはヴェルディ川崎となった。
別に野球とも親玉とも敵対意識があるわけではないだろうが、ヴェルディ川崎の衰退は、Jリーグ自体を正解にしてくれない気がした。
アジアを何度も制するクラブが誕生してもどこかに、「あの時の判断は間違っていた」といわれているような気がしてならない。Jリーグの影だったと思う。
今年東京ヴェルディはJ1に帰ってきた。チーム存続の危機を乗り越え、総合スポーツクラブとしてしっかりと息をしている。
31年前の開幕カードを再度組めることになった。
場所は国立競技場。
あの日と同じ5万人を超える観衆。
チアホーンは太鼓に変わり、
フェイスペイントはタオルマフラーと代わった。
おそらく、Jリーグは今日、正解の証明を再開したんだと思う。僕はそれに協力したいと思う。彼もそう口にしていた。
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