その後の夢十夜
第一夜
間もなく廃線になるという駅で電車を待っていると、「気をつけて!」と後ろから女性の声。振り返ると、自分はいつの間にか線路の上にいて、電車が音もなく迫ってくる。やり過ごした後、傍らの声の主に目をやると地味だがそそる女だ。「なんだか好きになりそうです」と言って抱き合う。そんな夢だった。
第二夜
妊娠した夢を見た。実際にはこんな程度では済まないだろうけど、痛くて苦しくて、それなりにリアルだった。腹の調子が悪いことも、影響していたかもしれない。
第三夜
巻き尺がやってきた。「俺はお前の実の親なんだよ」と言う。「巻尺の親なんて心当たりがない」と応じると、ケースからずるずる這い出てくる。見れば目盛りは、いつの間にか164mを示している。「どうだ、記録的だろう?」自慢する父を見たら、その姿はサナダムシだった…という夢から目が覚めた。
第四夜
なぜか Freedom Cry が流れていた。逆立ちして両足にとんがり帽子をかぶった全裸の女が「お前は宇宙人だ」とロシア語で繰り返す。自分はロシア語なんてわからないのだが…という夢だった。
第五夜
女盗賊に拘束された。今後コンダルメンと名乗らなければ殺すと言う。殺されてもいいが、断ると面倒臭そうな女なので、夢の中だけでもコンダルメンと名乗ることにした。それにしても、コンダルメンとは、どういう意味だろう?
第六夜
七三を崩したようなオヤジ刈りの猫たちがよってたかってオヤジ狩りするというオヤジギャグな夢を見た。
第七夜
身体中がやたら痒いので、皮膚を調べたらなんだか様子がおかしい。虫眼鏡で視たら、毛穴の半分以上が冬虫夏草に占拠されていた。役立たずな自分もやっと薬になれるかもしれない。とすると、これは一応吉夢だろうか?
第八夜
カラフルな海鼠どもが僕の下腹部で、キャンプファイアーを囲んで踊り狂っている。騒々しいやら、熱いやら、煙たいやらで、落ち落ち眠れやしないから、起きることにした。考えてみたら、妙にエロティックな夢だ。
第九夜
頭をすぱっと斜めにカットして、脳味噌を除去して、何やらの排泄物やら昆虫の死骸やらドライフラワーやらを入れて、蓋をしてよくシェイクして、鼻から出て来たエメラルドグリーンの液体を鍋で受けた。ストレスと熱中症に効果があるそうだ。しかし、僕にしてはリアリティのある夢だったなあ…
第十夜
十重二十重(とえ・はたえ)という名で、僕は女性の体操の先生になっている。見たことのある何人かのアスリートたちに、「チンちゃん体操」なる体操を教えているのだが、みなさん覚えが悪くて困ってしまう…という夢で目が覚めた。
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