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どこまでも夢十夜

第一夜

教室めいた部屋に老若男女が蝟集。「ブラウザは何を使ってますか?」と見えない声が問いかけ、ひとつひとつ名を挙げる。未だにネスケが多いのは意外だった。「では、柑橘類を配るので外に並んでください」部屋の外に並ぶが、僕ひとりを残して打ち止めに。担当者に説明を求めるが埒があかず…という夢

第二夜

自分がロールシャッハテストになった夢を見た。体を横にして、でっかい白い用紙に押し付けられ、潰れた二次元状態で張り付いている。左右対称お尻を向けて隣接し、もう一人の自分がいる。無数の目がこちらを見ている…

第三夜

コモドドラゴンとお見合いをした。僕はお断りしたいと思ったが、相手は僕を気に入ったようだった。いきなりハグしてきて、ギュッと力を込めた。骨がバキボキ折れた。体がふにゃふにゃになった僕は、四つん這いになって畳の上を歩き回った…悪夢か快夢かわからない…

第四夜

寝室のベッドに骸骨が座っている。祖父の遺骨らしい。骨を軋ませてカクカクと、硬質の金属音のような音を立てる。聴いているうちにそれが、一種の言語になっていることに気がつく。慣れるにつれて、骸骨と会話ができるようになった…そんな夢の最中に目が覚めた。続きをもっと見たかった…

第五夜

モグラ叩きのようだが、モグラは出てこない。巨大な布で覆われた群衆が、布の下で次々に手を突き上げるという感じなのだ。そんな危険な路面を僕は歩いている。空からはエンヤっぽい心地よげな音楽が降ってくる。聴き入ってはいけない。足元がお留守になってしまう…という夢の余韻から覚めずにいる…

第六夜

着色したかのような、どぎつい総天然色が、不意にモノクロに変わった。変わったのは外界ではなく、どうやら自分の目の方らしい。色がなくなった途端、白っぽい軟体動物のような生き物が無数に見えるようになった。世界は思っていたよりも、はるかに騒々しい…そんな夢から覚めた今日の朝…

第七夜

砂浜に蹲み込んで、指で何やら描いている。動物の絵のようでもあり、記号のようでもある。視線をずらすと、傍には虫のような小さな生き物たちが集まっている。目をこらすと、それは人間たちだった。間も無くして気がつく。自分はガリバーになって、ナスカ地上絵を描いていたのだ…という夢を見た。

第八夜

和解した夢を見た。相手の顔に見覚えはあるのだが、誰だったか思い出せない。誰だかわからないが、ずっといがみ合っていたようだ。相手はいきなり話しかけて来た。やさしい声で、昔のように。たわいない話をして、笑いあった。昔のように。謎に満ちた和解劇だったが、とにかく気持ちよかった…

第九夜

駅前に唐揚げ屋ができた。ヒヨコのコスプレのおばさんが客引きをしている。腕を掴まれ、中に引き摺り込まれた。ベジタリアンだからと言ったが、有無を言わせず目の前に大皿が置かれる。抱き枕くらいの巨大な唐揚げがひとつ。その唐揚げが、いきなり口を開いて僕を一飲み…という夢で目が覚めた…

第十夜

雑誌に「やまがたありこ」さんのイラストが出ている。僕好みの絵柄だなあと呟いたら、絵描きのSさんが、「前も言ってたよ。というか、本人に会ったことあるじゃない」と口を挟む。そうだったっけ、記憶がない…という夢を見た。「やまがたありこ」を検索してみたのだが、どうやら実在しない模様…

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