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突然の介護問題。こりゃ大変だあ~~。

夫の母親がこの間の正月以降あれよあれよという間に食欲がなくなり自力で歩けなくなった。トイレもおぼつかなくて近くの病院に入院したと連絡が入ったのが2月末。入院先では面会が一切禁止されているとの事でどうなっているか全く分からないまま突然、今度は介護施設へ移ったと父親から夫の弟へ連絡があった。

弟からこの時初めて状況を聞いた夫は、慌てふためき飛行機のチケットを取り、同県に住んでいる弟は「何の相談もなく勝手に進めてしまって」と父親に文句を言ったらしいが、実際のところ義父もうすぐ90歳、結局は病院と介護施設の言うままに従ったというところだろう。

施設では15分単位でごく少人数の面会が可能との事で、3か月振りに会った義母は車椅子で頬もこけて、とても以前の彼女とは面差しが異なっていたが施設の担当者の話によると一番弱っていた時よりか随分と食欲も出てきて頭もクリアだという。そーなの?こんな状態で?と思ったが確かに「認知」「呆け」という感じではなく、心底疲れ切っているだけなのかもしれない。

「兎に角、生きる気力がなくなっているのでは。施設で一定期間リハビリをしたりスタッフとお喋りしたりしながら過ごしてみて、体力が回復してから今後の生活について一緒に考えましょう」とアドバイスをくれた担当者のお話を、兄夫婦、弟夫婦ともども首を垂れてお願いするしかなかった。

義母は約3年近く前、首筋にできたウイルスが原因の癌に罹り、手術と抗がん剤治療を受けていた。気丈な彼女らしく治療の全てが終了するまで息子達には一切知らせず、年末帰省した時に義母の不自然な首元のスカーフに誰かが気付くまで内緒にしていたし、結局その件について話す時も渋々という感じだったのを鮮明に覚えている。

そんな大事なことを何で黙っていたの!という驚きと、自分の妻の病気や治療経過についてまるで他人事のように聞いている義父の身勝手さに呆れてしまい、結局は話を聞いた時点で治療は全て終了していて今後何の心配もないらしい。。という事実に皆言葉を失ったっけ。

介護施設の担当者の考えでは、その突然の病気発覚と治療の過程で義母の心がとても傷ついてしまったのでは…。という事だった。当時コロナ禍で身内が思うように会えない時期も長く、不仲の夫と二人だけの時間どんな気持ちで病気と立ち向かっていたのか想像すると涙が出る。

確かにこの間の正月もその前の年も帰省する度に義母はどんどん小さくなっていて、昔は張り切ってこしらえていた正月料理も作らなくなり、近くの親戚を呼ぶ事もしなくなり、しまいには積年恨んで文句ばかり言っていた自分の夫にもすっかり興味を失っていたっけ。

その義母の人生に様々な影響を与えたであろう義父は、もうすぐ卒寿だというのに、ついこの間まで自分の妻や出来の良い自慢の息子達に対しても言いたい放題、自分の要望に絶対服従させるモラハラ夫であり父であったが、今回帰省して家族で数日暮らしてみるとその状況が一変していた。中でも一番の変化は支払いを一切しない事。
皆で集まれば外食もするし食費や日常品の買い出し、タクシー利用などあるが今までは義父が率先していたところ、今回は全て知らんぷり。どころか初めて聞く「ご馳走さまでした~」。
いい年をした子供達が支払うのは当然でそこが問題ではなく、あまりに突然&明確な方針転換に戸惑っていると、夫は「母親の介護費用を知って、急に財布の紐を締めたんでは」と言い私もその通りだと思うが、だからと言って義父にお金がない訳ではない(多分)。むしろ今まではその財力を家族に誇示する事もあったのに、なんて勝手な人だろうと、改めてこんな夫を伴侶に人生を歩んできた義母が不憫に思えてならない。

弟夫婦が、母親の様子を見ながらいずれ自分達の近くでもう少し自由の利く施設へ移したいと言ってくれている。遠方に住む兄夫婦としては頭が下がる思いで「申し訳ない」の一言だ。一方、昔から父親が大嫌いな弟は「母親の面倒はみても父親は知らないよっ…。」と今から宣言されているようで。
こりゃ大変だ~~~。


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